自律神経という言葉を良く耳にしますよね。最近はテレビでも取り上げられることが多くなってきました。しかし、自律神経ってそもそもどんなものなのか、どんな働きをしているのか、自律神経の乱れがどのような症状を引き起こすのか、自律神経を整えるための方法はどんなものがあるのか、などといった疑問点が挙がると思います。
病院においても、患者さんで夜あまり眠れていない、便通が良くないなど、自律神経の乱れが原因ではないかと思うことはしばしば見受けられます。
現代社会はストレスのシャワーを浴びながら生活していかなければなりません。リラックスできる時間が取れれば良いのですが、時間に追われることもありしっかり休息をとれないこともあると思います。

今回は自律神経の知識を整理し、自律神経の乱れを整える方法を紹介していきたいと思います。
 

自律神経って?

どんな働きをしているのか

人間の体には内臓がありますよね。心臓、胃、大腸…他にも様々なものがあるのですが、自律神経はこれらのものをコントロール、調整しているいわば管制塔、司令塔のようなものです。
さらに自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。交感神経は車のアクセルのようなもので、副交感神経は車のブレーキのようなものです。この2つが互いに調整し合うことで臓器は適切な状態にコントロールされているのです。

学生時代に交感神経は「興奮」、副交感神経は「リラックス」と大雑把に記憶した覚えがあります。
例えば、血管は交感神経の働きによって収縮し、心拍数や血圧を上昇させます。一方、副交感神経の働きによって拡張し心拍数や血圧を下降させます。健康的な場合、2つの神経の働きがちょうど良く保たれているため、ほどよい心拍数と血圧に調整されるのです。
他の例を挙げると、喧嘩のような緊張する状況の場合、交感神経優位となり心拍数や血圧は上昇します。またまた尿、便などの排泄機能も抑制されますね。逆に寝る前などのリラックスできる状態であれば副交感神経が優位になり心拍数や血圧は下降します。交感神経が優位のままだと身体に負担をかけ続けてしまうことになります。
交感神経と副交感神経のバランスについてですが、両方がしっかりと働いている状態が望ましく、日中はやや交感神経優位、夜間はやや副交感神経優位くらいが理想的だと言われています。どちらかが優位すぎても身体の健康には良くないのです

自律神経のバランスの崩れがどんな影響を及ぼすのか

交感神経が優位になりすぎている場合は体にどのような影響があるのでしょうか。これは現代においてもっとも多いパターンになるのですが、様々なストレスのシャワーを浴びている状態で、気分はイライラ、ムシャクシャ、ピリピリといった状態になります。これは交感神経のアクセルを踏み続けている状態になります。この状態が続いていると、全身の血液循環も悪くなり、その結果内臓系の機能低下、免疫系の機能低下が起こる事が予測できます。病気にもかかりやすい状態になってしまいますね。
逆に副交感神経が優位になりすぎている場合はどうでしょうか。副交感神経が高く、交感神経が低すぎると、アクセルを踏みきれずスピードダウンしてしまいます。これはのんびり、ぼーっとしている方に多く、不注意でミスを繰り返してしまったりすることが多く見られます。うつ病になりやすい傾向があるタイプだとも言われています。
交感神経、副交感神経の働きがともに低い場合を考えていきましょう。互いのバランスはよくても低い次元で働いている場合もよくありません。スタミナ不足に感じたり、日々の生活に意欲がわかないなど、しんどいと感じるような方に多いパターンになります。

自律神経が乱れやすい時

私たちは普段の生活において様々な行動をとっています。単なる日常の一部の行動が、自律神経系に影響を及ぼしていることはたくさんあるのです。これから挙げるものはほんの一例ですが、自律神経を乱す原因となっているかもしれません。
①寝不足
睡眠時間の不足は、心身両面において負担をかけます。人により必要な睡眠時間は様々なのですが、寝不足のまま仕事をしたり勉強を続けていることで自律神経が乱れる原因となります。
②重要なプレゼンを控えている

重要なプレゼンを控えている前の気分状態はどのようなものが想像できますか。「うまく喋れるかな」「難しいことを聞かれないだろうか」など、焦りや不安の気持ちになるのではないでしょうか。また、準備に追われて休息できる暇がないかもしれません。こんな時交感神経が優位になりすぎてしまうことがあります。
③人間関係で悩みがある
夫婦喧嘩をしたり、仕事上のミスがあり、上司や先方に謝らなければならない時、自分の子供が反抗期で言うことを聞いてくれない、恋人に振られてしまった。このような人間関係における悩み、不安は自律神経のバランスを崩しやすくしてしまいます。
このように、日常生活のなかで体験しているシーンが自律神経のバランスを乱す原因となっていることは多々あります。しかも、一つが原因ではなく、複数の要因が重なっていることもあると考えられるのです。

自律神経の状態を知ろう!

4つのタイプ

①交感神経、副交感神経の働きがともに高い
 理想的な状態。自分の能力を最大限発揮しやすい状態。
②交感神経が高く、副交感神経が高い
 アクセルがききすぎていて、ブレーキがかからない状態。
③交感神経が低くて、副交感神経が高い
 アクセルの効きがイマイチで、スピードが出ない。
④交感神経、副交感神経の働きがともに低い
 疲れやすく、意欲がわいてこない状態。

自律神経を整えよう!

自律神経のバランスを整えるとどうなるのか

自律神経のバランスが整ってくると、健康的な心身状態に近づいていきます。
全身の血液循環がよくなり、内臓系の機能が高まります。また免疫力も高まり、風邪や病気になりにくい体に変化していきます。また、自分の能力が最大限発揮されやすくなります。スポーツ選手において、ZONEという最高の精神状態を指す言葉があるのですが、このZONEに入りやすくなるのも自律神経のバランスが最高の状態にととのってこそであると思います。

対策と方法:音楽

音楽はとても身近にある存在で、時に癒しであったり、時にテンションを高めてくれるものであったりします。では、自律神経のバランスを整えるための音楽にはどのような要素が必要なのでしょうか。

「思わず過去や未来の自分をイメージしてしまう音楽」である必要がある。
              
〜中略〜
たとえば、気分をしみじみさせるメロディーラインをリフレインしている。このように同じメロディパターンが繰り返されると、次に来るメロディー展開を予想でき、脳内において過去や未来のイメージを喚起する部分が刺激される。
基本メロディーラインの要素に「変化」が織り込まれ、あたかも起承転結のある小説でも読んでいるかのようなストーリー性を感じさせるようになっている。聴いていると、自然に音楽に入り込んでいって、自分の人生の一場面を連想してしまうわけです。

聞くだけで自律神経が整うCDブック P37

となっています。要するに、同じようなメロディパターンの繰り返しで、さらにはストーリーが思い浮かぶような音楽が良いということです。この書籍にはCDがついており、私も毎日聞くようにしています。

自分が好きだと思える音楽を聞くのが、いちばんよいことだと思っています。この音楽を聞くと気分がよくなる、元気になるというものなら、どんな音楽であっても自律神経によい影響を与えるでしょう。
                〜中略〜
このように、普段なら自分がよいと思う音楽を聞いてください。問題は、不安なことや心配ごとがあるときです。
不安なことや心配なことがあって自律神経のバランスが乱れていると、人は音楽を聞く気になれません。音楽を楽しめるというのは、心に余裕があるということなのです。音楽を聞く気になれない、どんな音楽を聞けばいいのかわからない、そのようなときこそ、このCDを聞いてください。きっとあなたの心の「スイッチ」になって、自律神経のバランスを整えてくれるでしょう。

聞くだけで自律神経が整うCDブック P38

ともあり、色々なことがあって凹んでいるときには聞き流せるような音楽で自律神経を整える機会を作ることが大切だということかと思います。
自律神経のバランスを整える上では、まず第一に活動レベルが下がっている副交感神経を引き上げること、そしてそこから交感神経、副交感神経ともをレベルの高い状態に近づけることが鍵になってきます。

対策と方法:日記

日記を書いたことはあるでしょうか。日記には過去を振り返る作業です。良いことから嫌なことまで1日に何があったか整理していく作業です。なぜあの時ときあんな気分になったのか、あの時こう対処していればよかったのかもしれないなど、その作業から得られるものは明日への準備にもなります。人は過去を振り返ったり、未来を想像するとリラックスしたり、落ち着いたりすることができるようになっています。過去を振り返ったり、未来を想像しているうちに次第に呼吸が整ってきます。呼吸が整い多くの酸素を取り入れることができるようになると、血液循環が良くなります。また副交感神経の活動レベルも向上し、自律神経のバランスが整ってくるのです。
日記を書くことが苦手な方は、空いている時間に頭の中で振り返りと未来へのイメージを膨らませるだけでも良いと思われます。

対策と方法:アロマ

アロマが心身のリラックスに作用することは皆さんご存知だと思います。私自身もラベンダーやオレンジの香りを取り入れてリラックス効果を図ったことがあります。香りのリラックス効果で自律神経のバランンスが整いやすくなり、またリラックスしている状態というのは、上記の過去の振り返り、未来への想像の作業をするときにイメージ力を高めてくれるでしょう。このように、様々な方法を組み合わせることで、より自律神経のバランスを整える環境を作っていくことが重要になります。

対策と方法:呼吸

呼吸と自律神経は密接な関係があります。呼吸が整えば自律神経のバランスもよくなり、呼吸が乱れていれば自律神経のバランスは崩れてしまいます。また呼吸は人が生きていく上で必ず行っている活動です。普段は無意識で呼吸をしていますが、自律神経を整えるための呼吸を意識的に行うことも必要です。
1秒ゆっくり息を吸って、2秒かけてゆっくり息を吐いていきましょう。
こんな方法もどうでしょうか。仰向けになります。お腹に手のひらを当て、腹式呼吸をします。鼻で息を吸ってお腹に空気を入れ込み、口から息をゆっくりと全て吐いて出しきります。数回繰り返していると腹部の動脈の鼓動が手のひらの感触に伝わってきませんか。これは副交感神経を高めてリラックスできる方法の一つになります。

対策と方法:ストレッチ

ストレッチも自律神経を整えるのには良い方法です。ストレッチをすると緊張状態にある筋肉が緩みます。筋肉の状態が整うと血行がよくなり、酸素も全身に行き渡りやすくなります。また就寝前にストレッチを行うことで全身の緊張感もほぐれ、良眠を促す効果も期待できます。

まとめ

自律神経には交感神経、副交感神経があり、そのどちらもハイレベルな状態にあることが健康上重要であることがわかりました。
自律神経を整える方法として音楽、日記、アロマ、呼吸、ストレッチなどがあり、それぞれを組み合わせることでより効果的に自律神経のバランスを整えることが可能になることがわかりました。

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