変形性膝関節症の膝の痛みを自分で治すには、運動が基本になります。
変形性膝関節症は軟骨のすり減りから、膝の構造が崩れることにより周辺組織の神経を圧迫する力が加えられ、痛みが発生します。
この軟骨のすり減りは改善することができません。変形性膝関節症の方は肥満、筋力低下があり、それに伴い運動量も減ることでさらなる筋力低下をもたらしてしまう状況に陥りいりやすいです。しかし、筋トレ等の運動を行うことで膝関節の負担を減らすことができれば、膝の痛みは軽減することができます。
筋トレで筋肉量を増やすには時間がかかります。時間はかかるのですが、これが一番の改善の近道ですので、地道に継続して行うことをお勧めします。

膝を保護するための筋肉たち

大腿四頭筋

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(出典:9割のひざの痛みは自分で治せる)

大腿四頭筋は太ももの前面にある膝を伸ばす筋肉です。
4つの種類があり、それぞれ内側広筋、外側広筋、大腿直筋、縫工筋となっています。

大腿四頭筋を鍛える理由として、

歩いているときにひざに一番衝撃が加わるのは、かかとが地面についた瞬間です。
大腿四頭筋を鍛えていると、かかとがつく瞬間に大腿四頭筋が強く収縮するので、ひざがピーンと伸び、ひざにかかる力が減るのです。

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とあります。膝が伸びずに曲がったままの状態でかかとが地面につくと膝への負担が大きくなってしまうのです。
大腿四頭筋はとても大きな筋肉なので、運動して筋肉が収縮することにより全身の血液循環もよくなる効果が期待できます。

膝屈筋群

膝屈筋群はハムストリングとも呼ばれ、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つからなり、膝の関節を曲げる働きがあります。
膝屈筋群が緊張、硬さがあり伸びにくくなってしまうと、膝を伸ばす動きに制限が出てしまいます。
また膝屈筋群の硬さは慢性腰痛の原因にもなってしまいます。骨盤が後方に傾き、腰の骨も曲がる方向に働いてしまい、背中、お尻の筋肉に負担がかかってしまいます。

下腿三頭筋

下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋からなります。この筋肉群の主な働きは足首を下ろす作用です。また膝を曲げる働きがあり、この筋群の硬さで伸びににくなってしまうと、膝を伸ばす動きに制限が出てしまいます。高く階段を上ったり、階段や坂道をコントロールしながら降りる際に積極的に働きます。
ヒラメ筋は「第2の心臓」とも呼ばれており、ヒラメ筋の活動性が高いと、筋肉のポンプ作用により効率的に血液を押し上げてくれる働きがあります。

前脛骨筋

前脛骨筋の主な働きは足首を上に曲げる作用です。膝の関節を動かす直接的な作用はありませんが、歩く、階段を上る、走る等でこの筋に大きな負担がかかることがあります。

内転筋群

太ももの内側にある筋肉群です。恥骨筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋からなります。大内転筋は膝のすぐ上部に、薄筋は膝のすぐ下部についています。

外転筋群

太ももの外側にある筋群です。中殿筋、小殿筋からなります。

筋トレのポイント

どの程度の負荷で行うのか

①鍛えている筋肉はどこなのかを意識して行う

②負荷の強さは少しだるい、少し重く感じる程度で行う

どの程度の速さで動かすか

①筋肉に急に負担をかけないようにゆっくりと動かします

②ゆっくり戻すことで、鍛える筋肉がブレーキをかけるようにしながら働いてくれるのでさらに効果が高まります

どのくらいの頻度、時間帯が良いか

①筋肉をつくる働きを助ける成長ホルモンは運動後、寝ている時に増えるため、寝る前が良いです

②筋トレ後、筋繊維が修復して肥大するのに約2日かかるため、2日に1回が良いです。

ひざの痛みに効く6つの筋トレ法

大腿四頭筋の筋トレ法

①タオルを用意します。椅子に座り背筋を伸ばし、タオルを太ももの内側に挟みます。

②タオルが下に落ちないようにしっかり挟んだまま、両膝をゆっくりと伸ばしていきます。

③ゆっくりと膝を元の位置に戻していきます。

20回行います。膝を伸ばそうとして、姿勢が後ろに傾かないように注意してください。

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膝屈筋群の筋トレ方法

①重りを用意します。重りを足首につけ、壁に向かい手をつき、膝をゆっくりと曲げていきます。

②膝を90度曲げた位置で10秒キープします。

③ゆっくりと膝を元の位置に戻していきます。

20回行います。

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下腿三頭筋の筋トレ法

①テーブルなどの台に手をつき、体を支えます。

②ゆっくりとつま先立ちになり10秒キープします。

③ゆっくりと戻していくのですが、かかとがつかない程度の所で止めて再びつま先だちになっていきます。

20回行います。

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前脛骨筋の筋トレ法

①椅子に座り、足の甲に重りをつけます。かかとは床につけたままで、ゆっくりと足首を上にあげ、10秒キープします。

②ゆっくりと足首を元の位置にもどしていきます。

20回行います。

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内転筋群の筋トレ法

①柔らかめ(手で圧をかけると少し凹む)のボールを用意します。なければバスタオルを巻いて代用してください。

②仰向けで寝て、膝のやや下でボール(タオル)を挟み、10秒キープします。

20回行います。膝を伸ばしにくい人は膝を立てて行っても構いません。

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外転筋群の筋トレ法

①トレーニング用のゴム、またはズボン用のゴム紐を3〜4重にして、膝のやや下に巻きます。

②足を外側に開き、10秒キープします。

20回行います。

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まとめ

膝の痛みの軽減には運動は必須になります。
膝を支える筋肉を鍛えることで、膝関節を保護することができます。
大腿四頭筋、膝屈筋群、下腿三頭筋、前脛骨筋、内転筋群、外転筋群の筋トレが有効です。
筋トレのポイントは、鍛えている筋肉を意識し、ゆっくりと動かします。負荷は少し重だるいと感じる程度です。夜寝る前、2日に1回程度の頻度が良いです。