膝の痛みを軽減するには、膝周辺にある筋肉の強化、膝にかかる負担を減らす体重の減量、そして今回紹介するストレッチが重要になります。
これらの方法はすぐに効果が出るものではありません。地道に積み重ねていくなかで結果が出るものです。

なぜストレッチが重要なのか

変形性膝関節の方は、運動時に膝関節に痛みを伴うのが特徴的ですが、関節の動く範囲(関節可動域)にも制限がでることがあります。

筋肉は、収縮するときに力を発揮しますが、使いすぎたり、反対にあまり使っていないと、収縮したままになります。すると、関節の可動域(動く範囲)が狭くなってきます。〜中略
筋肉はよく伸ばすと柔軟になり、よく縮むので筋力も強くなります。つまり、ストレッチングには、筋力をアップする効果と関節の動く範囲を広げる効果があります。

9割のひざの痛みは自分で治せる P73

膝に痛みがある状態では、どうしても動かす範囲、量ともに減ってしまいます。膝の曲げ伸ばしの運動がされない事が続く事で、膝を伸ばすための筋肉(大腿四頭筋)、膝を曲げるための筋肉(膝屈筋群:ハムストリング)が収縮したままになり、関節の動く範囲がだんだんと狭くなってしまいます。
ストレッチをしっかりと行う事で、関節の可動範囲を広げ、筋力も向上、発揮しやすくなるので、痛みの軽減に役立ちます。

ストレッチに役立つポイントの整理

どの程度伸ばすのか

しっかりとストレッチを行うには、ある程度の痛みが必要です。弱すぎるストレッチでは筋肉の伸縮性は高まらないためです。目安は「心地よい痛み」ですが、人により感じ方は異なります。私の場合、6〜7/10(0が全く痛くない、10が我慢できないほどの痛み)程度の痛みが良いと考えています。

どの筋肉を伸ばしているか意識する

これは筋力トレーニングの時にも重要なポイントです。ストレッチしている筋肉に意識が向く事でより伸びやすくなります。伸ばしている間息をとめることは良くありません。

いつおこなうか

基本的には朝、昼、風呂上がりの3回程度がよいと思います。時間に余裕がある場合は頻度を増やしても構いませんが、長期的に行っていくことを考えると、1日3回程度が無難かもしれません。朝は寝ている間の筋肉の動きが少なくなるので、ストレッチしにくいと思います。逆にお風呂上がりは筋肉が温まり血行も良くなっているので、一番頑張って伸ばしてほしい時になります。

膝の痛みに効く4つのストレッチ

膝屈筋群(ハムストリング)のストレッチ

2種類のストレッチを紹介します。膝屈筋群の柔軟性の高さは腰痛予防にも効果的なのでぜひ行ってもらいたいストレッチです。
10秒3回行います。

1.長座体前屈
①床に座り足を伸ばします。手の指先をできるだけ足先につくように体を前に倒します。息を吐く時に伸ばすようにします。

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*初めに膝を軽く曲げて手で足の指先をつかみ、そこから膝を伸ばしていくと伸ばしやすいです。

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2.立ち上がりストレッチ
①椅子に座り体を前に倒します。手で足首を後ろから持ち、膝を伸ばしながら立ち上がっていきます。

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大腿四頭筋のストレッチ

3種類のストレッチ方法を紹介します。
10秒3回行います。

1.膝が曲がりにくい人向けのストレッチ
①両手を床につき、痛くない方の膝を立てます。
痛みのある側の膝は伸ばして、足の甲が床につくようにします。

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2.膝を曲げることができる人向けのうつ伏せストレッチ
①うつ伏せになり、痛い側の膝を曲げ、同じ側の手で足首をつかみ体に引き寄せます。

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3.膝を曲げることができる人向けの立ちながらストレッチ
①テーブルなどに手をついて立ち、痛い側の膝を曲げ、同じ側の手で足首をつかみ体に引き寄せま
す。

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下腿三頭筋(ふくらはぎ)のストレッチ

アキレス腱のストレッチと言うと馴染みがあると思います。
10秒3回行います。
①壁の前で手をつきます。前側の膝を曲げ、後ろ側の膝は伸ばしかかとを床につけます。ふくらはぎからアキレス腱がしっかりと伸びていることを意識します。

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前脛骨筋(すね)のストレッチ

10秒3回行います。
①壁の前で手をつきます。前側の膝を曲げ、後ろ側の膝は伸ばし、足の甲を床につけてすねの部分を伸ばします。

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まとめ

膝の痛みの軽減にストレッチは有効です。
ストレッチを行うと筋肉の柔軟性が高まり、関節の動く範囲が大きくなりやすくなり、筋力も発揮されやすくなります。

ストレッチを行う際は心地よい痛みを感じる程度で、伸ばしている所を意識しながら、朝、昼、風呂上がりの1日3回程度がオススメです。
膝屈筋群、大腿四頭筋、下腿三頭筋、前脛骨筋の4つのストレッチが膝の痛みの軽減に有効です。