膝の痛みの軽減には自分で行う運動、ストレッチ、ダイエット(減量)が重要です。どれかひとつを頑張るよりも、これら3つを同時並行的に行うことで膝の痛みは楽にすることができます。
今回は膝の痛みを楽にするためのダイエットの知識を整理したいと思います。

ダイエットが膝の痛みに効く理由

目指すは3〜4kgの減量です

人は歩いていると一方の足で自分の体重を支え、その間にもう一方の足を前に振り出します。この時支えている側の足にはなんと自分の体重の2〜3倍の負荷がかかっているのです。それほどの負荷を支える筋力と筋力を発揮しやすくなる筋の柔軟性が必要になるのです。

階段を下りるときに片方の足で体重を支えている瞬間(1段上にある足が地面から離れている瞬間)には、歩くときよりも落下速度が速いので、ひざには体重の5〜6倍の負担がかかります。
つまり、3kg太ると、階段を下りるときの負担は15〜18kg増えるのです。逆に、3kgやせれば、ひざへの負担が15〜18kgも減ることになります。

9割のひざの痛みは自分で治せる P102

このように体重を管理することで、膝への負担は減らすことができます。膝の柔軟性、筋力もアップし、体重もコントロールできれば膝の痛みも楽になることが期待できます。

最適なダイエットのペース配分

膝の痛みを楽にするダイエットのペース配分とはどのようなものが最適なのでしょうか。よく、ただ単に「ダイエットをしないといけない」と言われることもありますが、きちんとしたデータのもと適切な体重の目標があれば行う本人も意欲的に取り組むことが期待できます。

ひざの痛みをなくすための減量では1ヶ月間に1kgのペースで体重の5%の減量で十分なことがわかっています。
5%は体重60kgの人なら3kg、80kgの人なら4kgです。だから、3〜4ヶ月間かけて3〜4kgの減量を目標としましょう。

9割のひざの痛みは自分で治せる P102−103

このように明確な目標体重が示されているとゴールが見えるので取り組む側にとっても安心感があります。心理学的に人は先が見えないものほど不安になりやすい傾向があります。

大切なのは筋肉量を落とさずに体脂肪を減らすこと

この考え方はとても大切です。体脂肪が減っても、同時に筋肉量が減ってしまうと膝への負担は軽減できません大切なことは筋肉量を落とさず(むしろアップしたい)に体脂肪が減ることです。
いわゆる中年と呼ばれる年齢層になると、体脂肪は増え、筋肉量は減るようになります。そのため、足の筋力も低下し、膝への負担が大きくなってきてしまいます。そこで減量中にオススメなのがウォーキングです。ただし、ウォーキングを始める前はストレッチや筋トレを行う中で膝への負担が軽くなったと感じたところではじめて下さい。
ウォーキングのポイントとして、

連続して4000歩(距離約2㎞)を週3回程度(3日以上あけず)行いましょう。
もしウォーキング中にひざが痛くなったら、無理せず休んでください。〜中略〜
靴は、革靴を避け、ウォーキングシューズやスニーカーを履いてください。特にひざへの衝撃を和らげるため、底に十分なクッッション性があるものを選ぶことが大切です。

9割のひざの痛みは自分で治せる P88

を挙げています。4000歩という数字ですが、運動機能を維持するのに最適な歩数と言われています。
そして歩き方ですが、若者が歩く姿を想像してください。良い姿勢(背中を伸ばし)で膝を伸ばし、すり足にならずにかかとから接地し、大きめの歩幅で腕を大きく振ります。

急激なダイエットの落とし穴

骨粗鬆症をご存知でしょうか。骨密度が低下し、骨折しやすくなってしまう状態のことを言います。急激にダイエットを行うと、この骨密度が低下してしまうのです。
健康な人の骨密度について

健康な人では体重が重いほど脚の骨が丈夫です。なぜなら、重い体重が刺激となって脚の骨にはカルシウムが沈着して骨が強くなるからです。

9割のひざの痛みは自分で治せる P106

とあります。このことから考えられることは、骨密度にとってある程度の体重は必要ということです。
先ほど膝の痛みを楽にするには3〜4kgのダイエットが最適だと説明しましたが、せっかくだから8kg、10kgと無理なダイエットは行わないことが賢明です。

まとめ

膝の痛みを楽にするダイエットの目標は3〜4kgです。
ダイエットのペースは1ヶ月に1kg、体重の5%の減量を目指します。
筋肉量を減らさずに体脂肪を減らすために、ストレッチ、筋トレ、ウォーキングを行います。
急激なダイエットは骨密度の低下を招くので、適切な減量を行うことが大切です。