ダイエットの方法には様々なものがありますが、今回は「プチ断食」の科学的な効果とリスクを整理しようと思います。
正しい方法と予測されるリスクを知れば、いきすぎた断食を防ぐことができます。
知識が実践のための指針になればと思います。

プチ断食のとは

プチ断食の種類

プチ断食にはその方法により様々な種類が存在します。
朝食を抜く「半日断食」
週末のみ食事を抜く「週末断食」
などがあります。この「プチ断食」は完全に食事を抜く「絶食」ではありません。
ジュースやスープなどは摂取するので「軽い断食」になります。
食事を抜くことで摂取カロリーは必然的に減少するため、ダイエット効果が期待できるのです。

プチ断食の科学!ダイエット&メタボ解消編

プチ断食でケトン体が増える

NHKのためしてガッテン「美やせ&腸までキレイ 出た!プチ断食大解剖」放送分の週末2日間の「プチ断食」を2週間続ける実験では、体重減少、中性脂肪も改善していることがわかりました。
この実験参加者の血液検査を行ったところ、血中の「糖」の代わりに「ケトン体」が増えていることが判明したそうです。

ケトン体の役割と効果

脳は糖をもとに作られるブドウ糖をエネルギー源として利用しています。ブドウ糖は、ご飯やパンなどに含まれる糖質がされて作られています。人は通常時には、このブドウ糖を脳のエネルギー源として利用しているのです。
プチ断食をしたときには、糖質摂取が制限されているため、体内のブドウ糖が不足してしまいます。すると体内に蓄えられている脂肪を利用してケトン体が作られ、それが脳のエネルギー源として利用されるのです。そのために体内の脂肪を減らすことができ、ダイエット効果があるのです。

ケトン体の増えすぎによるリスク

ケトン体による脂肪分解の仕組みは脂肪の減少に役立つのですが、ケトン体の増えすぎにはリスクがあります。
体内でケトン体が増えすぎると、血液が酸性状態になります。酸性状態が続いていると、「ケトアシドーシス」という、意識障害や昏睡を引き起こす危険もあるのです。そのため極端な断食はオススメしません。

プチ断食の科学!便秘改善編

空腹が腸の動きを活発にする

プチ断食は便秘解消に効果的だと言われています。その仕組みは、空腹時には腸の動きが活発になるからなのです。これを「空腹期強収縮」と言います。お腹が空いるときにはグーと音が鳴りますが、これは胃や小腸が活発に収縮することにより食べ物のカス、便を大腸や肛門に送り出しているために起こっているのです。これがプチ断食による便秘改善効果の仕組みです。
しかしこの仕組みはプチ断食だけではなく通常の状態でも起こります。「空腹時強収縮」は食後7時間程度でも起こるため、夕食から朝食まで7時間程度の時間を空ければ同様の効果が期待できます。

プチ断食だけではない!朝食をとる習慣も快便には必須です

便秘解消には「空腹時強収縮」ともうひとつ、「胃・大腸反射」も重要な仕組みになります。これは、胃に食べ物が入ることにより、大腸のぜん動運動がが活発になる反射的な仕組みです。これにより便が直腸へと送り出されやすくなるのです。そのため朝の快便習慣を身につけるためには、規則正しい朝食の摂取が大切になります。

プチ断食の科学!老化防止編!

長寿遺伝子が老化防止の大本命

長寿遺伝子は細胞レベルで老化防止に働いてくれると言われています。

老化の原因は、活性酵素による細胞の機能低下や、免疫細胞の機能低下、新しい細胞を生成する際の遺伝子のコピーミスなど、さまざまです。長寿遺伝子は、こうした多様な老化現象を、抑制する働きをもっています。また、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病も、老化によって発生しやすくなります。実際に、肥満の人や血糖値の高い人は、長寿遺伝子の活性度も低い傾向にあります。
つまり、長寿遺伝子は、肌から血管、脳や内臓にまで全身に働いて、老化が招くさまざまな悪影響を防ぐと考えられるのです。

科学の秘策で食べて、やせる。 P61

空腹が長寿遺伝子を活性化する

長寿遺伝子は通常状態では機能しないのですが、空腹時になると活性化し、細胞レベルに作用し老化防止に働きかけてくれます。そのためプチ断食による空腹効果が、長寿遺伝子の活性化に役立つことがわかります。
この長寿遺伝子の活性化は、プチ断食だけではなく、「腹八分目(摂取カロリーを75%程度に抑える)」にするだけでも活性化することがわかっています。また運動によるカロリー現象でも総摂取カロリーは減らせるので、うまく組み合わせれば1日3食摂取しても問題ありません。

ただし、寿命が延びるかまでは解明されていません。

プチ断食によるリスクを知ろう

筋肉量の減少につながる危険あり

プチ断食の科学と効果を整理してきましたが、極端な断食にはリスクもつきものです。さきほどのケトン体が増えすぎることによる「ケトアシドーシス」もそのうちの一つです。
極端な断食は筋肉量の現象を招いてしまうこともあります。食事を減らしすぎてしまうと、脂肪だけではなく筋肉の構成要素であるタンパク質も分解されてエネルギー源に利用されてしまう恐れがあります。
そのため筋肉量の維持ためのタンパク質の摂取には気を使うことが大切です。

消化機能の低下につながる危険あり

極端な断食をしてしまうと、小腸の消化、吸収能力の低下につながってしまう危険があります。小腸は栄養素の吸収をしてくれる場所なので、その機能が低下してしまうと必要な栄養素が摂取できなくなってしまう可能性も考えられます。この機能の回復には数日を要する場合もあるため注意が必要になります。

まとめ

プチ断食をするとケトン体が増え、脂肪を分解してエネルギー源に変えるためダイエット&メタボ効果が期待できます。
プチ断食をすると「空腹時強収縮」が起こり、便秘改善に効果的です。
プチ断食をすると老化防止に役立つ長寿遺伝子が活性化されます。
極端なプチ断食はケトアシドーシスや筋肉量の減少、消化機能の低下につながることがあります。