片頭痛をもっている方にとって、車、電車、飛行機などの移動手段における注意点を知っていることは、本人やパートナーにとっても重要です。今回は、片頭痛と各移動手段について、注意点を文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

片頭痛と移動手段における注意点

片頭痛と車

片頭痛をおっている方は乗り物に弱いことが多く、小児期から乗り物酔いをしている方がほとんどです。そのため、遠方への移動手段として車の使用はあまりおすすめできないかもしれません。
乗り心地のよい車、運転は荒くなく、急な車線変更などを行わないことも、大切になります。車高が高めの車は見晴らしがよいのですが、重心が高くなるために揺れ方は独特なものになってしまうので乗り物酔いの傾向にある片頭痛雨を持つ方には注意が必要です。
車内のにおいにも気をつけておく必要があります。特にタバコのにおいは片頭痛をもつ方にとっては避けたい要因となります。
新車の場合、新車独特の内装の香りがしますが、これも片頭痛発作を誘発してしまう原因となることがあります。

車での移動中に頭痛が起こった時の対処

車での移動中に片頭痛が起こった時のために、車には頭痛薬を常備しておくことが必要です。
頭痛をもっている方が処方された薬を飲むことが一番の対処法ですが、市販薬としては複数の成分が混ざっているものよりも単一成分でできている薬が有効となる場合が多いです。
複数成分の薬では、薬に対する依存性ができやすく、だんだんと効果が弱くなることがあります。そうなると用法、用量を超えた薬の使用となり、薬物乱用状態になってしまうことも考えられます。
単一成分の薬としては、アスピリンのものがあります。アスピリンは血液凝固作用がある血液中の血小板の働きを抑える成分でできており、この成分により脳の血流を一定に保つためのセロトニンという脳内物質が、血小板から異常に放出されるのを防ぐ役割があります。
アスピリンは片頭痛を根本から断ち切る作用があります。
少し頭が痛くなり始めた場合には、カフェインを多く含むコーヒーやお茶を飲むことで、血管の拡張を元に戻すことができるかもしれません。

片頭痛、群発性頭痛と電車

片頭痛では直射日光に敏感に反応してしまい、頭痛を誘発することがあります。そのため窓側の席に座ることは避けた方がよいかもしれません。また陽の光が入らないように、カーテンを閉めることも有効です。
電車が走っていると、窓の外には電柱が見えますが、定期的に視野に入る電柱をじっと見ていると、脳の後頭葉(人間のスクリーンの役割)が刺激され、片頭痛を誘発する可能性があります。
新幹線では、電車と電車がすれ違う進行方向に向かって内側の席では、気圧の変動が大きい場所のため避けるようにします。特にトンネル内で電車がすれ違う愛には、進行方向に向かい内側の席では、圧力の急激な変動を受け、群発性頭痛を誘発する可能性があります。ただし、群発性頭痛は季節の変わり目に起こるものなので、その時期に注意しておけば問題ありません。

片頭痛、群発性頭痛と飛行機

飛行機では気圧の変化を受けやすく、血管が拡張しやすい環境です。
飛行機の中では低い気圧のために血管が拡張し、血管内の水分が血管外に漏れ出すことで足がむくむようなことがよくあります。
このような急激な気圧の変動は、群発性頭痛の期間中であれば、必ず機内で発作が起こると考えられます。
そのため機内でのアルコールは必ず避けた方がよいです。
発作が起きた際にはスマトリプタンからなる点鼻薬、皮下注射、錠剤、自己注射があるため、それにより対処するようにします(医師の処方が必要です)。
片頭痛の場合は飛行機での移動中に必ずしも頭痛が起こるわけではありませんが、血管が拡張する要因を2つ以上あると頭痛が起こると言われています。
機内の低い気圧が第一の要因で、第二の要因には月経前後、排卵日、赤ワインやチョコレートなどの血管を拡張させる食材の摂取などがあり、当然避けるべきです。
機内サービスで飲み物を頼む際には、カフェインを含む紅茶やコーヒー、血管収縮物質を含む濃い緑茶を飲むようにするとよいでしょう。
またアスピリンを常備しておくことや、離陸前にアスピリンが用意されているか乗務員に確認しておくことも大切かと思われます。

番外編:デートと片頭痛

男女関係におけるデートでは、はじめてのデートでは頭痛がおきることは少ないようですが、2回目、3回目のデートでは頭痛が起こることが多くなる傾向にあります。
これは、はじめてのデートでは相手を警戒していることもあり、心身は緊張状態にあります。こういう場合、自律神経は交感神経優位となっており、脳血管は収縮している状態です。そのため脳血管周囲に存在する三叉神経を刺激、圧迫することはないため片頭痛を誘発することはありません。
しかし、デート終了後には片頭痛が誘発されることがあります。これはデートが終わり心身がリラックス状態になると、自律神経は副交感神経優位となり、そのため脳血管が拡張し、三叉神経を刺激するためです。またデートの回数を重ねることによって、デート中にも副交感神経が優位になると、三叉神経を刺激し片頭痛を誘発するようになります。

参考文献