片頭痛をもっている方は、光や音、においの強い場所、人ごみ、酸素の薄い場所が頭痛を誘発しやすい要因となります。そこで今回、頭痛を誘発しやすい場所と環境について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

頭痛を誘発する場所と環境

映画館

映画館は真っ暗な状況下での光や音の刺激が満載です。このような環境では脳を刺激しやすく、またシアター空間内では人も多く酸素が薄くなりがちです。酸素が薄い状態では、脳血管は拡張しやすくなり、血管周囲に存在する三叉神経を刺激し、頭痛を誘発することになります。
頭痛持ちの方が映画館で映画を見るのであれば、コーヒーや紅茶、濃い緑茶など、血管を収縮させる物質を含むものを多く取るようにするとよいでしょう。

パチンコ店、ゲームセンター、カラオケボックス

パチンコ店も音や光刺激が強く、タバコのにおいも充満しており、片頭痛を誘発しやすい要因がたくさんあります。
カラオケボックスで、つまみとしてチョコレートやナッツ類を食べることもあると思いますが、ナッツ類はチラミンという血管拡張作用がある物質が多く含まれており、注意が必要です。

夏の海辺

夏の海辺では、太陽の光が波間に乱反射され、その光刺激が目に入ると、脳の後方にある後頭葉が刺激され興奮し、片頭痛を誘発することがあります。夏の炎天下では通常でも脳血管は拡張されやすくなっているため注意が必要です。

花火大会

花火大会は暗い夜空に広がる花火の光と打ち上げた際の音、人混みなど、片頭痛を誘発する要因が多くあります。また、花火大会が始まる前までに食事をとっていないと、空腹のために血糖値が低下するのですが、その状態では脳血管も拡張されやすくなっています。そのため、花火大会が始まる前までには軽食をとっておくことも大切です。

スキー場(と温泉)

スキー場は雪の照り返しの太陽光が、目の中に入ると脳の後頭葉が刺激され、片頭痛を誘発しやすくなります。
太陽の出ていない日でも、雪の降る日は雨の日と同じで低気圧が近づく日で、体はむくみがちで脳血管も拡張されやすくなっています。
寒いゲレンデから暖かい室内に戻ると脳血管は拡張されますが、そこでさらに温泉に入ると体温の急激な上昇とともに脳血管はさらに広がってしまいます。スキーとのセットでなくても温泉は片頭痛の方にはあまり好ましくない可能性があります。
夕食前の温泉は空腹状態のため脳血管は拡張しがちです。そこで、入浴前には甘いジュースを飲むか、ビスケットを食べる、飴玉をなめるなどして、少し血糖値を上げておくことが必要です。

山登り

標高の高い山は酸素が濃度が低下するので、脳血管を緩めて片頭痛を引き起こしやすくなります。
よく高山病ということばを聞きますが、同じように山に登っていても高山病になる人とならない人がいます。高山病になりやすいのは、脳血管が拡張され三叉神経が過敏になるような、片頭痛の要素を持っている人です。
群発性頭痛をもっている方も、季節の変わり目に山登りをするのは避けるべきです。

花見や紅葉狩り

片頭痛は、脳内物質のセロトニンも関係しています。セロトニンは、大部分が小腸にあり、小腸内で合成され、血液中の血小板(止血作用のある物質)に蓄えられて、脳内に運ばれます。
セロトニンの合成には太陽光が必要ですが、気候の定まらない春先ではセロトニンの合成が不安定で変動が大きくなります。セロトニンの変動に敏感な片頭痛をもつ方は、心身ともに不安定になっています。
この時期は片頭痛持ちの方は、マイナス思考になりがちですが、さらには環境の変化も大きい時期であり、一気にうつ傾向が進んでしまうこともあるため注意が必要です。
秋口には春先ほど環境の変化は少ないため、春先ほどの危険性はありませんが、セロトニンの合成は不安定であることから注意は必要です。

参考文献