タンパク質の過剰摂取が健康にどのように影響するのでしょうか。

タンパク質の過剰摂取と健康への影響

タンパク質摂取の必要性

タンパク質は重要な栄養素で、体づくりを行う上では欠かせないものです。
運動をしていない人でも、体重1kgに対して1日0.8〜1g、運動をしている人であれば1.2〜2gは必要とされています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、タンパク質の耐容上限量(これ以上継続して摂取すると健康に害を及ぼす可能性があるリスクを示したもの)が設定されていません。
ただし、この数値が設定されていないことが安全を保障するということではありません。
適切な量以上のタンパク質を摂取しても、その分筋肉が大きくなるわけでもありません。
タンパク質が必要以上に摂取されても、エネルギーに使われたり、脂肪に変わる可能性が高いとされています。
筋タンパク分解を進行させないようにするのに意味のある量は、1回の摂取で70gまでとの報告もあります。

タンパク質と肝臓・腎臓機能

タンパク質には窒素が含まれており、タンパク質をアミノ酸に分解する際に生じる窒素はアンモニアに変化します。
肝臓はアンモニアを尿素に変える働きがあります。
尿素は腎臓に送られ、尿に混じり体外へ排出されます。
タンパク質の過剰摂取は窒素を処理するために肝臓、腎臓を過剰に働かせることにつがる可能性はあります。
しかし、それによって健康被害が起こるリスクは少ないとされています。

過剰な運動により内臓にストレスをかけることは避ける必要があり、それが肝臓や腎臓に負担をかける可能性はあります。
もともと肝臓や腎臓の機能低下がある場合、タンパク質の過剰摂取や激しい運動には注意する必要があります。

アミノ酸と脂肪蓄積の関係性

タンパク質はアミノ酸に分解後、吸収され、筋肉や皮膚、髪の毛、血管などの組織の材料になります。
アミノ酸は多く摂取してもその状態で体に蓄えておくことはできません。
使用されなかったアミノ酸は脂肪になってしまいます。
タンパク質はエネルギー源にも利用され、摂取カロリー不足があれば、エネルギーとしても使われます。
逆にエネルギーが余れば脂肪に変わります。
高タンパク低脂肪の食材でも場合によっては脂肪を蓄えてしまうことになるため注意が必要です。

タンパク質摂取と骨粗鬆症

タンパク質の過剰摂取では体内が酸性になります。
酸性を中和するために骨のカルシウムが利用され、尿とともに排出され、骨粗鬆症を発症するリスクが高まる可能性はあります(明確な根拠はありません)。
骨粗鬆症予防には、適度な運動とカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素をしっかりと摂取すること、日光浴を行うことが大切になります。

タンパク質摂取と尿路結石

尿路結石は、尿路(腎臓や尿管、膀胱、尿道)にできるシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムです。
シュウ酸カルシウム結石は尿中に排出されたカルシウムとシュウ酸(コーヒーやほうれん草に含まれる)が結合し結晶となったものです。
結晶化や成長を抑える働きがあるのがクエン酸やマグネシウムです。
動物性タンパク質はクエン酸を減少させる可能性があり、尿中のカルシウムやシュウ酸を増やすことが考えられます。
あくまでリスクを高めることが考えられるという程度で、明確な根拠はありません。