臨床で役立つ小円筋についての知識を紹介していきます。

リハビリで絶対役立つ小円筋の機能解剖と臨床的知識

知識、触診、評価、リハビリについてもっと学びたい場合

 

小円筋の機能解剖

 

小円筋(teres minor muscle

支配神経:腋窩神経(C5、C6)
起始:肩甲骨外側縁上2/3
停止:上腕骨大結節下部面、上腕骨骨幹の最下部面より遠位、臼上腕関節包

大結節下面に付着する。停止部に近づくほど2つの線維に分かれており、上部線維は主に腱性部。下部線維は筋性部で、棘下窩から起こり、上腕骨外科頸に停止する。小円筋は後方関節包のへ付着しており、外旋運動時の関節包の挟み込み防止と肩挙上時の上腕骨頭の後方部分での支点形成の役割がある。

作用:
肩甲上腕関節の安定化
上部繊維は下垂時に、下部繊維は挙上時に張力が高くなる。
第1肢位:筋の長さが短くなるので外旋作用が弱い。
第2肢位:適度な伸張があり、外旋作用が強くなる。     
第3肢位:伸張が大きくなり、外旋運動に作用する。

小円筋の触診

背臥位、第3肢位にて外旋運動を行い、肩甲骨外側縁にて触知する。
内旋運動を行うと大円筋の収縮を触知できるので、その間を探っていく。

小円筋の痛み(圧痛)、トリガーポイント

 

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小円筋の圧痛は全体にわたり確認され、特に大結節に付着する部分によくみられる。

小円筋の圧痛の確認:第3肢位+肩内旋で小円筋が緊張し、確認しやすくなる。

トリガーポイント:
上腕と接触している肩後部の限られた痛み。
小円筋からの痛みは、肩周囲の他の筋の問題が解決するまで気づかれない可能性がある。
第4、5指のしびれと疼きを生じさせる可能性あり。
またこのときのしびれ、疼きは小胸筋のトリガーポイントによる可能性がある。
第4、5指のしびれでなく痛みがある場合には、広背筋のトリガーポイントが原因となっている可能性がある。

小円筋の伸張性

座位
肩屈曲90°、肩内外旋中間位で肩甲骨固定した位置から、内旋>30°で伸張性低下疑う。

小円筋の徒手筋力検査、臨床的機能評価

MMT

検査肢位は腹臥位

段階5、4、3:
5:全範囲にわたり2本指での抵抗に対して位置を保つことができる
4:全範囲に動かせるが、最終位で負ける/力が抜ける
3:全範囲に渡り動かせるが抵抗には打ち勝てない
*筋損傷を起こさないように抵抗はゆっくりと加えること

段階2、1、0
2:除重力肢位で全範囲に動かせる
1:棘下筋、小円筋両方に筋活動、またはどちらかに筋活動あり
0:筋の収縮の触知/目視ができない
*回外による代償運動に注意

臨床的評価

上部の腱性部は3rd内旋位からの外旋で行い、下部の筋性部は1st内旋からの外旋で行う。

機能評価:
sucapular plane上45°挙上、内外旋中間位から肩甲上腕関節を水平外転させた肢位では、後方関節包弛緩するため骨頭の安定性に棘下筋、小円筋の作用が必要 。そのため、この肢位で挙上抵抗運動を行い骨頭の変位を観察し、機能不全を確認する。

臨床との関連

・棘下筋損傷があると、小円筋が代償的に肥大する。
・第3肢位での内旋制限では、小円筋の伸張性低下による可能性がある。
・小円筋の伸張性低下は、結帯動作の困難さの原因となる可能性がある。
・片麻痺者のリーチ動作において、肩内旋位をとる原因となる。
・頭上にリーチするには、小円筋の作用により内旋位をとらないようにする必要がある。
・小円筋などのローテーターカフは、肩挙上時の中間域における安定化に関与している。
・肩甲上腕関節における関節包・靭帯など(静的安定化機構)による安定性が不足している場合、小円筋(他の腱板筋も)が過剰に活動することで代償するため、圧痛が高まり、筋力低下を引き起こす。
・小円筋(他のローテーターカフも)に筋力低下や筋萎縮があると、上腕骨頭が上方偏位し、肩峰下のスペースが狭くなり、インピンジメントを引き起こす。
・小円筋などの腱板筋の機能不全があると、肩の運動時に三角筋の過剰収縮が起き、三角筋に痛みが生じる。
・小円筋は、後方関節包に付着し、肩外旋時の関節包の挟み込みを防いでいる。小円筋のスパズムや伸張性低下により機能低下が起こると、肩外旋時の挟み込みが起こる(インターナルインピンジメント)。
・小円筋の伸張性低下により腱板付着部のストレスが大きくなると、腱板の炎症・損傷・瘢痕化が起き、内側にある後方関節包の拘縮につながる。
・投球動作のフォロースルーでは、肩外旋筋と上腕三頭筋がブレーキをかけるが、腱板筋の筋力低下があると上腕三頭筋が過剰に働き、痛みを引き起こす。
・小円筋はQLS(quadrilateral space)の構成筋で、QLSが機能的に狭くなると、腋窩神経が絞扼され感覚障害や放散痛が生じる。

小円筋のリラクゼーション、ストレッチのポイント

セラピストが行う方法
リラクゼーションは、他動的に伸張位にし、その後自動介助運動にて可動範囲全体に動かす方法があります。
ストレッチは、他動的に伸張位にし、等尺性収縮→自動介助運動にて可動範囲全体に動かす方法があります。

小円筋の伸張位:肩屈曲、内旋
小円筋の収縮位:肩伸展、外旋

自主トレで行う方法

①まず小円筋の場所を探します。右肩を外側に挙げ、内側に回します(内旋)。左手を右肩甲骨の外側縁にあて、右の肩を外に回します(外旋)。このとき膨らむ筋肉が小円筋です。

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②小円筋を探したら、右肩を外側に挙げ、肩を外に回した位置がスタートポジションです。左手の人差し指から薬指で小円筋を押さえ、肩甲骨の下に向かって引き寄せます。

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③左手の圧はそのままで、右の肩を内側に回します(内旋)。

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小円筋の筋力トレーニングのポイント

等尺性収縮では三角筋の収縮量が高まってしまう。
強い負荷ではアウターマッスルで代償することがあるため、負荷を調整し、可動範囲を大きく動かすようにする。
例えば、0,5kg、5秒間かけてゆっくりと行うなどの条件があります。

机の前に座り、肩が90度上がる状態で保てるように箱などをセットします。
肩を外側に回旋します。

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