手関節伸展の筋力トレーニングにおいて、みなさんはどのように指導しているでしょうか。しっかりと代償運動を見抜き、適切な運動方法を指導することが大切になります。今回、手関節伸展の筋力トレーニングについてまとめていきたいと思います。

手関節伸展の筋力トレーニングで注意したいこと!代償運動を見逃さない!

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手関節伸展運動について

手関節伸展とは、手首を反る運動です。
人は物を握ったり、物を操作するさいには手関節は伸展位をとっていることがほとんです。
手関節伸展位がとれないと、力が入りにくいのみでなく、物品操作も行いにくくなります。
それだけ手関節伸展運動は大切で、手関節伸展筋力が低下している方には筋力トレーニングを行ってもらう必要があります。

 

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手関節伸展に働く筋

手関節伸展に働く主な筋としては
・尺側手根伸筋
・長・短橈側手根伸筋
があります。

また、その走行から手関節伸筋に副次的に働くものとして、
・総指伸筋
があります。

尺側手根伸筋の特徴

尺側手根伸筋は、その走行から手関節伸展・尺屈に作用します。
尺側手根伸筋は、母指を外転させる際に手関節を安定させる役割があります。
そのため、母指運動が不安定な場合、尺側手根伸筋の弱化も考慮する必要があります。

尺側手根伸筋の筋緊張が亢進していたり、筋の短縮がみられる場合には、手関節の肢位は伸展・尺屈位をとりやすくなります。

長・短橈側手根伸筋の特徴

長・短橈側手根伸筋は、その走行から手関節伸展・橈屈に作用します。
中でも、長橈側手根伸筋は疼痛にも関与しやすい筋のため注意が必要です。
日常生活では手関節は伸展・橈屈位をとることが多いので、この筋に弱化があると物品操作に支障が出やすくなります。

長橈側手根伸筋か、短橈側手根伸筋のどちらにより問題があるかを見極めることも重要です。
長橈側手根伸筋は、肘関節の運動にも関与しているため、肘関節の肢位を変化させて抵抗に抗することで筋力評価をすることが可能になります。

長橈側手根伸筋の場合:
肘関節伸展位での手関節伸展への抵抗運動

短橈側手根伸筋の場合:
肘関節屈曲位での手関節伸展への抵抗運動

 

手関節伸展の代償運動

手関節を伸展するとき、正常であれば下図のように手指は屈曲位をとります。

しかし、手関節伸展の主動作筋である尺側手根伸筋や長・短橈側手根伸筋に弱化があれば、手指の伸展による代償運動がみられます。

そのため、代償運動として手指伸展がみられる場合には、尺側手根伸筋や橈側手根伸筋の筋力低下が示唆されます。
さらに、尺側手根伸筋と長・短橈側手根伸筋は共同して手関節伸展に働きますから、どちらかの筋が弱化していると橈側または尺側に傾きながら手関節伸展がみられるかもしれません。

 

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手関節伸展の筋力トレーニング

これまでの解剖・運動学的知識から、手関節伸筋の筋力トレーニングでは、手指伸展の代償運動を起こさないようにしながらトレーニングを行う必要があります。

具体的には、
・手指屈曲位を保ちながら手関節を伸展させる
ようにトレーニングを行います。

なお、筋力強化には原理原則があり、ある程度の負荷をかけないと筋力向上は見込めません。
詳しくは以下の記事を参照してください。
筋力強化の原理原則!負荷の設定、頻度、回数の考え方!
筋力強化のための抵抗運動の方法と注意点