立ち上がり動作において、臀部を離床するために手をついて立ち上がるようなシーンをみかけることが多くあると思います。手をついてしか立ち上がれない理由は様々なものが考えられます。今回、立ち上がり動作で手をついてしまう理由についてまとめていきたいと思います。

立ち上がり動作で手をついてしまう理由を考える

立ち上がり動作で手をついて動作を行うメリット

立ち上がり動作で、手をつくことのメリットは何でしょうか。

患者さんでは、ベッドに手をついたり、肘掛け椅子や車椅子の肘掛(アームレスト)に手をついて立ち上がることがよく観察されます。

メリットとして、

・手をつくことで下肢(股関節や膝関節)にかかる力を軽減できる
・手をつくことでバランスの不安定さ(足関節でのバランス調節)を補うことができる

ことが挙げられます。

 

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立ち上がり動作で手をついて動作を行うデメリット

立ち上がり動作で手をついて動作を行うデメリットは何でしょうか。

これには、正常な立ち上がり動作を考えていく必要があります。

正常な立ち上がり動作では、

①骨盤前傾位へ(腰椎の前腕に伴い骨盤前傾位となる)
②体幹前傾位(股関節屈曲に伴い体幹前傾となる)となり重心が前下方へ

という動作が屈曲相ではみられます。

手をつくということは、②の体幹前傾の動きを途中で止めてしまうことになっています。

正常な立ち上がり動作では、目線が足のラインを越えたあたりで臀部離床が始まるのですが、手をついているとその動きを阻害してしまっていることになります。

そのような犠牲を払ってでも、患者さんには手をついて立ち上がる必要性があるということになります。

立ち上がり動作で手をついてしまう理由

通常であれば、手をついている状態で立ち上がろうとすると、体重が前方に移動することに伴い通常は手は支持面から離れます。

それが自然な反応です。

しかし、それができない理由は、先ほど説明した屈曲相が作れないためです。

屈曲相がつくれないために、手で重心を上方へ押し上げることにより代償しようとしていることになります。

屈曲相が作れない理由として、

骨盤後傾位での動作

が挙げられます。

通常の立ち上がり動作では、腰椎の前彎に伴い骨盤が前傾していきますが、患者さんの多くでは骨盤は後傾したままになっています。

 

骨盤が後傾する理由としては、

・腹直筋の筋緊張亢進or低下
・内腹斜筋の筋緊張低下
・外腹斜筋の筋緊張亢進
・多裂筋の筋緊張低下
・ハムストリングスの筋緊張亢進

などが考えられます。

これらの筋を評価することで、どの筋が骨盤後傾の原因筋になっているかを把握することが必要になります。

その他の理由としては、先ほど、手をつくことで足関節の調節によるバランス反応を補うことができるということを説明しました。

足関節の可動性が低下していたり、足関節の筋力低下、足底の感覚障害が生じている場合でも、バランス反応が崩れてしまうことは考えられます。

それを代償するために手をつくことでバランスをとっている可能性もあるといえます。

 

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まとめ

立ち上がり動作で手をつくメリットとして、

・手をつくことで下肢(股関節や膝関節)にかかる力を軽減できる
・手をつくことでバランスの不安定さ(足関節でのバランス調節)を補うことができる

が挙げられます。

立ち上がり動作で手をつく理由としては、

・骨盤後傾での動作
・足関節でのバランス調節能力の低下

が考えられます。

その機能障害の要因として、

・腹直筋の筋緊張亢進or低下
・内腹斜筋の筋緊張低下
・外腹斜筋の筋緊張亢進
・多裂筋の筋緊張低下
・ハムストリングスの筋緊張亢進

・足関節の可動性の低下
・足関節の筋力低下
・足底の感覚障害

などが考えられます。

これらの要因を検査、評価を通じて確認していくことが大切になります。

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