筋トレは筋肉を大きくし、パワーをつけるために重要ですが、その源であるタンパク質の補給も大切な要素になります。今回、筋トレとタンパク質補給の原理原則について、まとめていきたいと思います。

筋トレとタンパク質補給の原理原則

筋肉の生まれ変わり

筋肉は1日1%のペースで生まれ変わって(リモデリング)います。
2〜3ヶ月でリモデリングされるということになります。
筋肉のリモデリングは、ミクロのレベルで行われます。
筋繊維束は筋原繊維という細胞により構成されていますが、筋原繊維はアクチンとミオシンの2つのフィラメントが交互に重なるように連なっています。
アクチンとミオシンの1セットを筋節(サルコメア)と呼び、筋原繊維には数万個筋節が並ぶことによりできています。
筋節を構成するタンパク質が1日1%のペースでランダムに生まれ変わっていきます。

筋トレの前後ではどちらにタンパク質をとるか

筋トレの前か後、どちらがタンパク質を摂取するのに適切なのでしょうか。
報告は様々ですが、アミノ酸の摂取では運動後に補給した方が筋タンパク合成が高まったとの報告があります。
これは、運動前のアミノ酸摂取ではその一部がエネルギーとして使われてしまうからではないかとされています。
プロテインを使用した実験では、運動の前後では有意差がないとの報告もあります。
プロテインはアミノ酸と比べると吸収がゆっくりであり、エネルギーとして使われにくいことが理由として考えられています。

運動の前後どちらが良いかという問いの答えは明確にはありませんが、運動とセットでタンパク質を摂取することが重要です。
運動前は実施の40〜1時間前に食事を終えているようにします。
運動後はなるべくはやく吸収のよいタンパク質の補給が重要です。

タンパク質+糖質の同時摂取

運動の際の栄養補給では、タンパク質+糖質を摂ることが必要になります。
これはグリコーゲンを補充するためです。
筋トレを行うと、筋肉にあるグリコーゲンが失われている状態です。
そのような状況で糖質を摂ると、運動直後はインスリンの感受性が高く、血糖値の上昇によりインスリンの作用で糖質を筋肉にすばやく運ぶようになります。

筋肉のエネルギー源が補充されることで異化(体の組織が分解されること)を防ぐことができます。
現在の研究では同時摂取または糖質のみでよいとの見解どちらもあるようですが、同時に摂取していれば間違いなく異化は防ぐことができます。

必須アミノ酸の重要性

必須アミノ酸とは、人間が自ら創り出すことができないアミノ酸のことをさします。
食品の中に含まれる必須アミノ酸の約半分を占める分岐鎖アミノ酸(BCCA)には、バリン、ロイシン、イソロイシンがあります。
筋合成の中で重要なのはロイシンで、これは筋合成を促すエムトールという物質の働きを活性化させます。
エムトールは運動により数が増えて活性化し、また栄養補給によっても活性化します。
高齢者では、ロイシンが摂れいないと筋肉量が減る傾向にあるとの報告があります。
ロイシンは肉や魚、乳製品に多く含まれています。

ビタミンD摂取の重要性

ビタミンDは代謝調節の役割があり、筋肥大にも関わっています。
高齢者ではビタミンDの血中濃度が低いほど筋肉量が少ないとの報告があります。
ビタミンDの慢性的な不足は、筋肉量を減らすことが考えられます(ビタミンDが筋肥大を促すというエビデンスではない)。
ビタミンDは魚介類、卵、きのこ類に多く含まれます。
また日光に当たることで活性化します。

アミノ酸の吸収速度を高めることが大切

摂取したタンパク質を効率的に筋合成に利用するには、アミノ酸の吸収速度を高めることが必要です。
胃の滞在時間を短くするには、胃に送る前にできるだけ消化しやすい状態(液体)にする必要があります。
ステーキとミンチでは、ミンチの方が血中アミノ酸濃度が高まりやすく、筋合成比率も向上します。
よく噛んで食べることも工夫の一つになります。
脂質は消化に時間がかかるためアミノ酸の血中濃度は高まりにくいといえます。
そのため、筋トレの際には低脂質のものを選ぶことも重要です。

筋トレをしない日のタンパク質摂取

筋肉は、運動中は分解され(異化)る方向にあります。
運動後にタンパク質や糖質の摂取をすることで強く、太くなります(超回復)。
超回復は運動後24時間から72時間かけておこるとされています(個人差あり)。
このことから、筋トレをしない日でもタンパク質摂取を減らさないことが大切です。
1食につき最低20gのタンパク質摂取を心がけるようにし、空腹を感じないように摂取のタイミングにも気をつける必要があります。

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