脳血管障害、整形疾患などリハビリテーションで出会う対象者は、糖尿病を合併症として持っていることが多々あります。糖尿病では、運動や食事、薬物療法が中心となり、リハビリテーションでは運動プログラムの立案が求められます。また、糖尿病では低血糖症状に対するリスク管理も必要です。今回、糖尿病に対するリハビリテーションについてまとめていきたいと思います。

糖尿病とリハビリテーション!運動プログラムや低血糖にはどう対応するのか!

糖尿病について

糖尿病について、詳しいことは成書を参照して欲しいのですが、糖尿病と診断される方の基準について説明していきたいと思います。

糖尿病の診断としては、血糖値とHbA1cの検査結果をもとに診断がなされていきます。

そのため、セラピストとしては、その基準値を把握しておくことが望ましいと言えます。

詳しくは、以下のページを参照してください。
http://dmic.ncgm.go.jp/general/infomation/030/info_06.html

リハビリテーションで注意するべき、糖尿病の合併症

糖尿病では、リスク管理において注意すべき合併症があります。

有名な合併症としては、

・糖尿病性網膜症
・糖尿病性腎症
・糖尿病性神経障害

でしょう。

糖尿病性網膜症がある方では、急激な運動を行ってはいけない可能性もあるため、主治医と相談しながら運動プログラムを立案する必要があります。

糖尿病性神経障害では、よく「手袋足袋型」の感覚障害があると言われています。

末梢神経障害があると、ふとした時に足に傷を作ってしまうようなこともあるため、対象者への注意喚起を促したり、フットケアなどの必要性について教育をしていく必要もあります。

また、神経障害としては自律神経症状もみられることがあり、対象者の不定愁訴の原因となることがあります。

 

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リハビリテーション中に注意したいこととして、狭心症や心筋梗塞の発症があります。

これらは、激しい胸痛を伴うものですが、糖尿病者の場合には、はっきりとした症状として現れないことがあります。

そのため、不整脈、冷や汗、体のむくみなどのサインがあれば訓練を一旦中止し、看護師または医師に連絡をする必要があります。

低血糖に対してはどう対応すればよいのか

まず、低血糖の基準について理解をすすめていきます。

低血糖とは、血糖値が60mg/dl以下のことをさします。

低血糖が起こるパターンとしては、

・インスリンが効きすぎている(もしくはインスリンの量が多い)
・インスリンの量に変化はないが、食事量が少ない、運動量が多すぎる

などが挙げられます。

また、糖尿病の方が他の病気にかかったときに、その治療薬の影響で血糖値に影響を与えることもあるため注意が必要になります。

低血糖症状については、

自律神経症状:空腹感、脱力感(軽い)、発汗、指の震え、動悸、不安感、悪心など

中枢神経症状:脱力感(強い)、疲労感、めまい、集中できない、言葉がでないなど

大脳機能低下:痙攣、意識消失、昏睡

が挙げられます。

 

では、低血糖症状が見られた場合にどう対応するのかを把握していきます。

まず、上記低血糖症状がみられた場合には、

ブドウ糖または砂糖を10〜20g摂取することが推奨されています。

飴またはチョコレートは効果が出るまで時間がかかることもあり、緊急時には向いていない面があります。

ブドウ糖摂取後、15分程度で症状は改善されますが、もし改善がみられない場合には再度ブドウ糖を摂取します。

詳しくは以下のページを参照してください。
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/050/05.html

糖尿病と食事療法!セラピストはどのように関わることができるのか

糖尿病における食事療法では、セラピストはどのように関わることができるのでしょうか。

食事のことは、管理栄養士の範疇なのでしょうが、我々セラピストは対象者の方と関わる時間も多く、患者教育という視点で食事療法にも関わることができると考え、その知識を有しておくことが大切になります。

食事療法の注意点としては、

・食事の過剰摂取には気をつける(総カロリーが高すぎない)
・食物繊維の多いものは血糖値の上昇を抑えることができる
・塩分控えめの食事を心がける
・総カロリーを計算しながら調理活動をする

ことなどが挙げられます。

カロリー計算や、献立例に関しては、わかりやすい書籍もたくさん出ていますので、参考にしてみてください。

 

 

 

糖尿病と運動療法!運動プログラムはどのように考えて立案するのか

運動を行う意義についてですが、

・インスリンの作用を高め、血糖値を下げることができる
・筋肉内でのブドウ糖や脂肪の利用を促進し、食後血糖値をおさえることができる
・運動を続けることでインスリン感受性を高めて血糖値のコントロールを改善することができる

などが挙げられます。

そのため、このような効果を対象者に説明しながら、運動を実際に行ってもらう中での効果を体感してもらうことが、運動の継続につながることが期待できます。

糖尿病の運動療法として、エネルギー量を算出することで、より具体的な数値をもとに運動を進めていくことが可能です。

 

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エネルギー量(kcal)は、

”エネルギー消費量×体重(kg)×時間(分)×補正係数”で求めることが可能です。

エネルギー消費量は、

活動項目

エネルギー消費量

睡眠

0.0170

食事

0.0269

身の回り(身支度、洗面、便所)

0.0287

休息・談話

0.0233

入浴

0.0606

炊事(料理・かたづけ)

0.0481

洗濯(手洗い)

0.0587

洗濯(洗濯機)

0.0410

洗濯(干す・とり込む)

0.0587

洗濯(アイロンかけ)

0.0464

布団あげおろし

0.0818

掃除(はく・ふく)

0.0676

掃除(電気掃除機)

0.0499

趣味・娯楽(生花、茶の湯、楽器演奏など)

0.0287

教養(読む、書く、見る)

0.0233

裁縫(縫い、ミシンかけ)

0.0287

買い物

0.0481

家庭菜園、草むしり

0.0552

机上事務(記帳、パソコンの使用等)

0.0304

階段(のぼる)

0.1349

階段(降りる)

0.0658

階段昇降

0.1004

乗物(電車・バス)

0.0375

自動車運転

0.0287

歩行(普通)

0.0570

散歩

0.0464

歩行/分速60m

0.0534

歩行/分速70m

0.0623

歩行/分速80m

0.0747

歩行/分速90m

0.0906

歩行/分速100m

0.1083

自転車(普通)

0.0658

自転車(平地)時速10km

0.0800

自転車(平地)時速15km

0.1207

自転車(登り)時速10km

0.1472

自転車(登り)時速15km

0.2602

自転車(降り)

0.0269

 

ジョキング(軽い)

0.1384

ジョキング(強め)

0.1561

剣道

0.1968

バスケット

0.2588

サッカー

0.1419

ゴルフ

0.0835

テニス

0.1437

バトミントン

0.1508

スカッシュ

0.1615

卓球

0.1490

バット素振り

0.2641

水泳(クロール)

0.3738

水泳(平泳)

0.1968

リズム体操

0.1472

体操(軽め)

0.0552

体操(強め)

0.0906

スケート練習

0.1437

となっています(http://www.geocities.jp/ooharamj/enagi.htmlを参照)。

補正係数は、

30歳代女性0.909 30歳代男性0.955

40歳代女性0.872 40歳代男性0.930

50歳代女性0.864 50歳代男性0.926

60歳代女性0.864 60歳代男性0.909

70歳代女性0.860 70歳代男性0.893

80歳代女性0.860 80歳代男性0.864

となっています。

私の場合、30代男性で体重64kgなので、例えばサッカーを60分行ったとすると、

0.1419×64×60×0.955=約520kcal

という消費カロリーになります。

このような計算式を用いながら、体重のコントロールとともに、糖尿病の検査値を確認しながら、血糖コントロールが良好かを対象者とセラピストで確認していくことが運動療法では大切になります。

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