肩甲下筋は、肩関節外旋の制限因子として知られていますが、肩関節内旋、肩関節水平内転の制限因子になることもあります。今回、肩甲下筋が肩関節外旋、内旋、水平内転を制限するメカニズムについて、まとめていきたいと思います。

肩甲下筋は内旋、外旋、水平内転の制限因子になる?!

肩関節の事についてもっと勉強したい場合は

 

肩関節外旋の制限因子としての肩甲下筋

肩関節外旋の制限因子として肩甲下筋はポピュラーです。
しかしながら、1st肢位における肩関節外旋制限には、烏口上腕靭帯が最も関与しているともされています。
詳しくは、以下の記事を参照してください。
烏口上腕靭帯と肩関節外旋制限

ちなみに、肩甲下筋の走行から、1st肢位では肩甲下筋上部が、2nd肢位においては肩甲下筋下部線維が制限因子となります。

 

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肩関節水平内転の制限因子としての肩甲下筋

まず、肩関節水平内転の制限因子として考えられるものを挙げていきます。
主なものとして、
・後方関節包
・棘上筋後部
・小円筋(水平内転+内旋)
・肩甲下筋
があります。

ここで、肩甲下筋が水平内転の制限因子になるメカニズムを考えていきたいと思います。
肩関節水平内転では、骨頭を後方に押し込む必要があります。そのため、後方関節包に硬さがあるとうまく水平内転が行えなくなります。
肩関節水平内転で骨頭を後方に押しこむときに、小結節は臼蓋に入り込みます。その際、肩甲下筋は反転しないと入り込めなくなってしまいます。
肩甲下筋の緊張が高いと、うまく折れ曲がることができないので、反転することができなくなります。
言葉で説明するのは難しく、イメージで考えるのも難しいかもしれません。
知識として、肩甲下筋が水平内転の制限因子となるということを知っておいて損はないと思います。

 

肩関節内旋の制限因子としての肩甲下筋

タイトル的に考えると、嘘つけ!と言いたくなるような感じだと思います。
肩関節内旋を制限するのは、筋であれば通常は棘下筋や小円筋をイメージするからです。
ちなみに、一般的に紹介されている肩関節下垂位(1st)での内旋制限の因子としては、
・棘上筋後部線維
・棘下筋上部線維
・後上方関節包
などがあります。

肩関節90°外転位(2nd)では、
・棘下筋下部線維
・後下方関節包
などがあります。

肩関節90°屈曲位(3rd)では、
・小円筋
・後下方関節包
・後関節上腕靭帯
などがあります。

 

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一般的には肩甲下筋の名前は全く出てきません。
肩甲下筋が肩関節内旋における制限因子となるメカニズムは、前途した肩関節水平内転における肩甲下筋の動きと同じだと考えられます。
肩関節内旋を行う際に、上腕骨頭を後方に押し込む必要があり、そのとき小結節は臼蓋に入り込みます。その際、肩甲下筋は反転しないと入り込めなくなってしまいます。
肩甲下筋の緊張が高い状態では、うまく折り曲がることができないため、肩関節内旋に制限が起こってしまうと考えられます。

肩甲下筋と他の制限因子を比較した際に、どちらの影響が強いかを考える際には、この事を利用することができます。
肩甲下筋は内旋位、外旋位ともに制限する可能性があります。
両方の肢位にて制限が強い場合は、肩甲下筋の影響が強いのではないかと考えてアプローチしていくことも必要になるのではないでしょうか。

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