私自身成人、老年期分野で働いているのですが、視覚や視覚認知とADLの関係性について調べているうちに、「見る力に関するチェックリスト」にたどりつきました。今回、見る力に関するチェックリストの概要と評価方法、結果の解釈について、まとめていきたいと思います。

見る力に関するチェックリストの概要と評価方法、結果の解釈

見る力やそれに伴う運動はどんな要素から構成されるか

視覚機能について

私たちは、視覚をどのように利用して日常生活をおくっているのでしょうか。

目で見た(捉えた)情報は、感覚情報として今までの経験や知識をもとにしてそれが何であるかを認識します。

認識した情報(色、形、距離など)をもとに、自分の体や手による運動と協調しながら動作を遂行します。

このことから、視覚機能を考えるときには、
・目から入る情報を入力する機能
・入力された情報が何であるかを理解する視覚認知機能
・手や体と目の協調機能(出力)
に分けることができます。

これらの要素に問題があると、日常生活上の困難さとして、不器用さや拙劣さなどにつながることがあります。

見る力に関するチェックリストの概要

見る力に関するチェックリストは、「学童期用視覚関連症状チェックリスト」とも呼ばれているものです。

このチェックリストでは、視覚関連の症状(学習、運動、行動面)を、保護者への質問を通して把握できるものとなっっています。

質問項目は45個からなり、それぞれについて、
0:あてはまらない
1:少しだけあてはまる
2:だいたいあてはまる
3:よくあてはまる

の4件法で回答してもらいます。

各質問は、以下のカテゴリーに分けることができます。
A:読み書き関連の視活動→読み書きに関連した、視覚性注意のコントロールや視線移動を行う力
B:手指の操作→手元の空間で、 視覚情報と連動して指や手の動きをコントロールする力
C:空間の認知→空間的な位置、方向、距離感を認識する力
D:注視関連の症状→物を見る際の、目や頭位に関する症状の有無

見る力に関するチェックリストの評価方法

このチェックリストでは、保護者に回答してもらいます。

読み書き関連の視活動:

読んでいるとき,行や列を読み飛ばしたり,繰り返し読んだりする
形がよく似た文字を読み間違えることが多い
文の終わりを省略して読んだり,勝手に読みかえたりする
長い時間,集中して読むことができない
数字,かな文字,漢字の習得にとても時間がかかる
指で文字をたどりながら読む
表の縦や横の列を見誤る(百ます計算など)
近くの物を見る作業や本読みをするととても疲れる
近くの物を見る作業や読むことを避ける
黒板を写すのが苦手または遅い
宿題を終えるのにとても時間がかかる
鏡文字がある

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/45/5/45_360/_pdf

手指の操作:

おりがみが苦手
ハサミを使った作業が苦手 (ビーズなど)
ひもを穴に通すのが難しい
図形や絵を見て同じように書き写すことが苦手
目に見える位置で行う蝶々むすびがうまくできない
文章を書くと,文字が一列にそろわない
定規,分度器,コンパスを上手に使えない
図形の問題が苦手
積木やパズルをしたがらない
箸をうまく使えない
ピアニカやリコーダーがうまく演奏できない
文字を書くと形が崩れる
目に見える位置の衣服のボタンのとめはずしが苦手

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/45/5/45_360/_pdf

空間の認知:

ラケットやバットでボールを打つのが苦手
表やグラフを理解するのが苦手
方向感覚が悪い指さしたり,提示したりした物をすばやく見つけられない
目の前にある物をなかなか見つけられない
距離を判断するのが苦手(自分から壁までの距離など)
ボールを受けるのが苦手
下りの階段や高い遊具への昇り降りを怖がる
つまずいたり,物や人にぶつかったりすることが多い
授業中,課題を時間内に終わらせることができない
地図を見て理解するのが苦手(地図を読みとるのが苦手)
長い / 短い,大きい / 小さいを見比べて判断するのが難しい
定規などの目盛が読みにくい

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/45/5/45_360/_pdf

注視関連の症状:

物を見るとき,必要以上に顔を近づける
物を見るとき,顔を傾ける 物を見るときに,しばしば目をこすったり,まばたきをしたりする
目を細めて物を見る
両方の目が同じ方向を見ていないことがある
晴れた日に外に出ると,とてもまぶしがる 片目をつぶって見る

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/45/5/45_360/_pdf

実際の評価表は以下を参照してください。
https://at-school.jp/knock2/images/check-02.pdf

見る力に関するチェックリストの結果の解釈

各カテゴリーにおいて、これ以上の点数だと「問題が疑われる」という基準値が設定されています。

その際は、眼科受診であったり、認知機能検査などを行うことで、問題の原因を特定していく必要があります。

また、我々がこのような日常生活上の困難さが視覚的、視知覚な問題と関連があることを知っていることは、対象者や保護者に対する提案や指導などにつなげることができます。

このチェックリストは子供用ですが、成人の方の日常生活上の困難さとしても通じるものがあるのではないかと感じています。