認知症に対するリハビリテーションアプローチとして、メモリーブックを用いた介入方法があります。今回、メモリーブック作成における注意点とその効果について、まとめていきたいと思います。

認知症に対するリハビリテーション!メモリーブックの作成と効果!

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メモリーブックとは

メモリーブックは、記憶障害や認知者とのコミュニケーションツールとして、Bourgeoisにより提唱されたものです。

本人から、時系列で聞き取った自伝的記憶を、本人の言語機能に合わせて、 写真やイラストと共にアルバムにまとめたものになります。

回想法を利用している点に特徴があります。

メモリーブックの作成

メモリーブックは、一般的にノートに写真や地図を添付し、そこに対象者のこれまでの生活と今現在の生活状況がわかるように文章を添えるものとなっています。

例えば、これまでの生活を例に例えると、下図のようになります。

今現在の生活については、例えば、

・私は今◯◯病院にいます。
・私は今◯県◯市◯町に住んでいます。
・週に一回◯◯の診察で◯◯病院に通っています。

などと記載されることがあります。

ページ数については特に決まっているわけではありません。

さらに、今現在の生活として、1日のパターン化されているスケジュールを大まかに記載し、対象者が見える位置に設定しておくことで、対象者の行動が誘発される場合もあります。

 

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対象者の生活史を知る方法

対象者の生活史を知るには、

・対象者へのインタビュー
・主たる介護者や家族へのインタビュー

を行うことで把握できます。

生活史を知るための項目としては以下のものが挙げられます(あくまで例なので、対象者に合わせてください)。

・出生地、住んでいる場所、親・兄弟、家族の人柄・性格、地域の特徴
・学校、好きな科目、最終学歴、学校の友達、どんな遊びをしたか
・いつから働いたのか、何の仕事か、どのような仕事が好きか
・配偶者、いつ結婚したか、子供は何人、子供は何をしているか
・趣味・興味、今の趣味・興味、休みの日の過ごし方
・印象に残っていること、頑張った・苦労した事、楽しみだった事、嬉しかったこと、好きだったこと
 ・節目(就学、就職、転居、結婚、戦争、家族の変化など)

また、この時写真などを見せることで自伝的記憶が想起されやすくなることがあります。

対象者に見せる写真や実物の例として、

・お手玉、おはじき、めんこ、かるた、竹とんぼ、こま、かるた
・教科書、ランドセル
・結婚式の写真、着物、嫁入り道具
・そろばん、ミシン、織り機
・草花、蚊帳、風鈴、うちわ、火鉢
・正月、節分、ひな祭り、お盆、月見、お祭り
・レコード、歌詞、ハーモニカ
・ラムネ、芋ご飯、すいとん、かき氷

などがあります。

これらの項目をヒントにしながら、対象者から自発的な会話があれば、それを広げていくことでかなりの情報が得られるのではないでしょうか。

 

メモリーブックと似ているメモリーウォレット

メモリーブックがノートを使用しているのに対し、メモリーウォレットは小型のものになります。

メモリーブックの効果

メモリーブックは、認知症者の会話の状況や心理・行動的症状( BPSD )に対する効果があるとの報告があります。

メモリーブックでは、書字・音読・読解などの言語機能を活用し、言語機能面で呼称、漢字書字、 仮名書字が改善する可能性があります。

また音読により、特に呼称機能が賦活される可能性があります。これは、残存していた言語機能を選択的に賦活した効果であるとも言われています。

効果は対象者ばかりではありません。介護者を例にとると、

対象者の生活史や今現在の生活について把握できることは、対象者との円滑なコミュケーションにもつながることが期待されるでしょう。

 

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メモリーブックの効果を測定するには

リハビリテーションである以上、介入したからには効果を測定する必要があります。

文献などでよく利用されている評価としては、

・GDS-15
・ADL-20
・NMスケール
・Vitality Index

などがあります。

GDS-15は対象者のうつ状態を把握するのに優れている評価方法です。

ADL-20は高齢者総合的機能評価の精神身体機能評価で用いられている評価方法です。

NMスケール(N式老年者用精神状態尺度)は高齢者や認知症者の日常生活での実際的な精神機能面から捉えた行動観察方式の評価法です。

Vitality Indexは行動観察により意欲を測定するもので、進行した認知症や要介護者の意欲の測定に有効であるとされています。
意欲の指標(Vitality Index)の概要と評価方法、結果の解釈

効果を測定する指標には様々なものがあります。

自分が行う介入が、対象者のどの面を向上させたいのかにより、評価に用いる内容も適宜変更が必要になるでしょう。

以下には、認知症で用いられる評価が網羅されていますので参考にしてみてください。

作業療法としての認知症のBPSD(心理・行動症状)に対する評価とアプローチ、対応例など

認知症の評価!作業・理学療法のリハビリに活かす評価方法(バッテリーから観察評価まで)!

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