関節リウマチでは、関節の変形を防ぐために、関節保護の考え方を知識として学び、実践することが大切になります。今回、関節リウマチと関節保護の関係や、ADL(日常生活)指導と注意点についてまとめていきたいと思います。

関節リウマチと関節保護!ADL(日常生活)指導と注意点!

関節リウマチと関節保護

関節リウマチでは、対象者の関節はもろく破壊されやすい状況にあります。

そのため、変形を防ぐための関節保護という考え方を身につける必要があります。

一般的に健康な方が行っている方法を行っていると、関節を支える組織にストレスをかけてしまい、変形を助長してしまう恐れがあります。

日常生活の中の動作において、関節を保護することを考えていくことがポイントになります。

関節リウマチと関節保護の基本的な考え方

主な注意点は、以下のようなことになります。

・固い(力強い)握りは避ける
・蛇口などの回す(手首をひねる)動作は親指→小指方向の運動は避ける
・手の甲へ力がかかるのを避ける(顎を手の甲で支える、手の甲を支持にして立ち上がる)
・同じ姿勢を長い時間とらないようにする
・大きな関節を使うようにする
・物を運ぶ時には台車やワゴンに乗せる

これらのことからわかることは、

・無理な力をかけない
・小さな関節よりも大きな関節を使う
・悪い方向へ動かさない
・道具を工夫する
・仕事の量を減らす
・環境を変える(収納場所を変えるなど)

ということです。

悪い方向というのは、関節リウマチでは、例えば手指や手首は小指方向に変形しやすくなっています。

そのため、力を入れる際には親指側に力をいれるようにしなければなりません。

道具の工夫では、固い握りを避けるために、柄の太さの調節などを行い、関節に無理な力がかかりすぎない太さにすることが求められます。

写真で見る関節リウマチの関節保護の良い例と悪い例

では、実際に写真を交えながら関節リウマチの関節保護について考えていきます。

食事動作と関節保護

食事動作では、茶碗やコップのもち方が悪いと、関節に負担をかけることにつながります。

悪い例では、茶碗を持つのが指先の力が中心になっています。指先を使用すると、手首も中間位とならずに変形を助長してしまう可能性があります。

良い例では、茶碗を持つのが手のひら全体になっています。

コップを握る時には、悪い例では指先の力だけで支えています。これでは重みに負けて手首が小指側に偏位してしまう恐れがあります。

良い例では、コップを両手により支えています。これにより力を分散することが可能です。

 

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蛇口の操作と関節保護

蛇口の操作は、きつく閉まっていると、指先にかなりの力がいるばかりでなく、手首の変形も助長してしまいます。

そのため、図のようなものを使用することで、指や手首への負担軽減を図ります。

 

整容動作と関節保護

水に濡れたタオルを絞る際には、両手を用いると指先や手首にかなりの負担がかかります。

そのため、蛇口のところにタオルをかけて、タオルをねじっていくことにより絞っていきます。
この時、親指の方向にねじっていくようにしてください。

筋力的なことや痛みにより絞れない場合には、上からタオルを押すことでしぼる方法もあります。



更衣動作と関節保護

更衣動作では、上衣では腕を机の上において、重みを支えながら行う方法が推奨されます。

また、チャックにリングをつけたり、ベルクロを使用して前開きシャツの止め外しを行いやすくします。

靴下は足を台の上に置くか、ソックスエイドを使用します。

基本的には、股関節や膝関節に負担をかけないために椅子やベッドに腰掛けて行うようにします。

基本動作と関節保護

椅子座位では、足底が床につくようにしなければなりません。

椅子の高さを調節したり、足台を置くなどして調節します。

家事動作では、椅子座位姿勢で行うことで負担が軽減できます。

立ち上がり動作では、悪い例では力に任せて立ち上がったり、体をねじりながら行ってはいけません。

机の上に腕を預けて、腕の力を利用しながら立ち上がるようにしていきます。

畳の上の動作では、机の上に腕を乗せて立ち上がるようにします。

また、肘掛けつきの椅子を使用することで、立ち上がりが行いやすくなります。

入浴動作と関節保護

浴室での洗体動作は、床座って行わずに椅子に座って行う方が関節への負担は軽減されます。

浴槽内椅子やシャワー椅子を用いるとよいでしょう。

洗体に使うタオルは、握り込みすぎると指の関節への負担が大きくなります。

自助具を用いるなどして指の負担を減らすようにします。

浴用手袋などや、関節可動域制限により手の届く範囲が限られている場合には、長柄のブラシを使用するようにします。

 

家事動作やその他の動作と関節保護

食器などの運搬は、ワゴンなどに乗せて転がして運ぶのが理想になります。

食事動作の項でも述べましたが、食器は指先ではなく、手のひら全体を使って、手首も中間位をとれるようにしながら運びます。

食器を洗う際には食器洗い機やシンクに食器を置いた状態で行うことで関節への負担を減らすことができます。

鍋を持つときには、指先力を入れすぎてはいけません。

ミトンを利用することで、取っ手全体を支えながら安全に鍋を持つことができます。

フライパンは片手で操作すると、手首は小指方向に偏位してしまいます。重みに負けないように両手で持つことが大切です。

また、できるだけ軽いフライパンを用意してください。

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ボウルのなかのものを泡立て器で混ぜるような場合には、手全体を用いて混ぜるようにします。

びんの蓋を開けるときには、蓋の上に手のひらを乗せて行うようにします。また、このとき小指側に手首を回さないように左右の手を使い分けるようにしましょう。

容器から水などを注ぐ場合、持った取っ手を手首を中心に動かしてはいけません。両手で支えながら手首の運動が大きくなりすぎないようにします。

缶切りや缶の蓋を開ける動作はかなりの負担がかかります。できれば電動式のオープナーを使用してください。

雑巾掛けでは、親指側に動かすようにします。

窓拭きも同様に、親指側へ動かすようにします。

買い物袋を持つときには、指で持つのではなく、前腕に袋をかけるようにすることで、関節への負担を軽減します。

重い荷物を持つときには、買い物カートやシルバーカーを利用することもあります。

カバンはショルダーバックやリュックサックを用いることで指先への負担を軽減することができます。

はさみは、一般的な指先を用いるものではなく、手のひら全体で押すタイプのものを使用できることが望ましいです。

 

本や新聞は机の上において読むようにしましょう。

鉛筆は細すぎて握り込んでしまうため、太柄にするなどして最適な力加減になるように調節します。

 

携帯電話ですが、ガラケーと呼ばれる従来型のタイプではボタン操作において指先に力を使います。スマートフォンでは、指先の力は必要なく操作を行うことができます。

引き出しを引くときには、指先ではなく手のひらを差し込んで操作を行うようにしてください。