テニス肘は上腕骨外側上顆炎とも言われ、肘関節の外側に痛みが生じる状態です。今回、テニス肘だった場合の症状やその評価についてまとめていきたいと思います。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)かも!肘の外側が痛い場合の症状と評価!

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テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは

ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。

http://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html

とあります。テニスをする方に多い病態でもあるため、「テニス肘」という名がついているようです。

また、その原因については、

一般的には、年齢とともに肘の腱がいたんで起こります。病態や原因については十分にはわかっていませんが、主に短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。 この短橈側手根伸筋は手首(手関節)を伸ばす働きをしています。

http://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lateral_epicondylitis.html

とあります。

しかし、短橈側手根伸筋だけでなく、長橈側手根伸筋にも問題がある場合もあり、両方の筋肉に対して評価を行っていくことが重要になります。
握力では、肘を伸ばしているときの力の入りにくさが目立つとされています。

短橈側手根伸筋と長橈側手根伸筋

長橈側手根伸筋は上腕骨外側上顆までの外側上顆稜からはじまり、人差し指の中手骨についています。
長橈側手根伸筋は手首の背屈(反る動き)、橈屈(手首を親指側に横に倒す)に作用し、肘関節を曲げる作用もあります。

短橈側手根伸筋は上腕骨外側上顆、外側側副靭帯、橈骨輪状靭帯からはじまり、中指の中手骨についています。
短橈側手根伸筋は手首の背屈(反る動き)、橈屈(手首を親指側に横に倒す)に作用しますが、長橈側手根伸筋に比べると橈屈力は弱くなっています(長橈側手根伸筋の方が人差し指側に筋肉がついているため)。

長橈側手根伸筋の触診としては、
①前腕回内位(手のひらを下を向いた状態)で腕をテーブルの上に乗せます。人差し指が上腕骨の外側上顆稜(小指側の肘)にむけてまっすぐ近づくように手首をそらします。その時に人差し指側の前腕に長橈側手根伸筋腱の収縮をたどっていきます。

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短橈側手根伸筋
②前腕回内位(手のひらを下を向いた状態)で腕をテーブルの上に乗せます。中指が上腕骨の外側上顆(小指側の肘)にむけてまっすぐ近づくように手首をそらします。その時に中指側の前腕に短橈側手根伸筋腱の収縮をたどっていきます。
一人で確認する際には短橈側手根伸筋は判別困難かもしれません。
パートナーがいる場合には、長橈側手根伸筋であれば人差し指の中手骨に抵抗をかけながら触知し、短橈側手根伸筋であれば中指の中手骨に抵抗をかけながら触知するとわかりやすくなると思います。

改めて解剖・運動学的にテニス肘を分析する

肘の外側に痛みが生じる場合、多く見られるのが
・前腕回内
・肘関節伸展
・手関節伸展
が組み合わされた場合です。
このような肢位で物を握ったり物品操作を行うと痛みが増強する傾向にあります。

これらの肢位では、前腕回内に関する筋や手関節伸展に関与する筋が普段から使われすぎています。
また、前腕回外位で活動する上腕二頭筋は普段から働きにくくなっていると考えられます。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)における評価

疼痛誘発検査

・前腕回内
・肘伸展
・手関節屈曲
を行い、肘関節外側に疼痛が再現されるかを確認。

手関節伸筋群に短縮や筋緊張亢進がないか

・前腕回内
・手関節屈曲
で肘を伸展させる。
*手関節伸筋群に短縮や筋筋緊張亢進があると上腕骨内旋が見られやすい。

長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋のどちらに原因があるかを見極めるには

長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋のどちらに原因があるかを見極めるには、肘関節の肢位に注意して検査を行います。
長橈側手根伸筋は肘関節屈曲にも作用するため、肘関節屈曲位と肘関節伸展位で検査を行うことで鑑別が可能です。

長橈側手根伸筋の場合

肘関節屈曲位(90°程度)、前腕回内位で手関節伸展に抵抗をかけ、痛みが生じるかを確認。

短橈側手根伸筋の場合

肘関節伸展位、前腕回内位で手関節伸展に抵抗をかけ、痛みが生じるかを確認。