半側空間無視があると、日常生活上において困難さが生じることは知られています。ことさら自動車運転となると、半側空間無視を有していると危険が生じるのは言うまでもりません。今回、半側空間無視がある方と自動車運転に関して、まとめていきたいと思います。

半側空間無視がある方と自動車運転!本人が納得できるかどうか!

自動車運転再開と認知機能検査

脳卒中片麻痺の方が、自動車運転を再開したいということになると、我々療法士はまず対象者本人の認知機能に問題がないかを把握しようと検査を行い、評価することになります。
現行の道路交通法では、脳卒中は運転に支障を及ぼす危険性がある疾患であり、運転再開には公安委員会の許可が必要とされているからです。

たいていの場合、家の近所の交通センターに相談に行くと、医師の診断書を要求されると思うのですが、その際に医師は我々の評価を参考にする場合があります。
そのため、対象者の方には、評価の必要性も含めて十分に説明を行うことが大切になるのです。
もちろん、評価を受けてもらったからといって、運転再開が必ずしもできるわけではないことも伝える必要はあります。

半側空間無視と机上検査

半側空間無視の検査には、BIT(行動性無視検査)という代表的なものがあります。
この検査は通常検査と行動検査があります。

通常検査はスクリーニング的な要素が強く、ここで引っかかるようであれば、行動検査を実施して詳しく半側空間無視の存在を確かめていきます。

机上検査はあくまで机上検査であり、日常生活動作の観察を通じて半側空間無視の存在がどう影響しているかを評価していくことも重要になります。

基本的に、通常検査、行動検査ともクリアできることが運転再開には必要だと考えられます。
半側空間無視の存在は自動車運転において非常にリスクを伴います。
それは事故により自分だけでなく他人を巻き込む可能性があるということです。

また、半側空間無視の他の検査と並行して、対座法という視野検査を実施し、視野欠損がないか、また半側空間無視と視野欠損が同時に存在しないかということも確認をしていきます。

半側空間無視とドライブシミュレーター

より自動車運転に近い検査、評価として、ドライブシュミレーターによる評価があります。
ドライブシュミレーターにも様々なものがあります。

ドライブシィミュレーターは病院によりある場合、ない場合があると思います。
そのため、現状ではなかなか行いにくい評価ではあると思います。

ちなみにホンダのドライブシュミレーターでは、軽度の半側空間無視を検出できるソフトウェアが搭載されているとのことです。
ホンダのドライブシュミレーターは3画面を用いており、より実車に近い感覚での評価になると思います。
画面に酔ってしまいそうになることもありますが(あくまで筆者自身の感想です)。

半側空間無視と路上教習

机上検査やドライブシュミレーターの結果だけを聞いて、不合格(運転再開の適性がない)の烙印を押されても、なかなK納得できるものではないでしょう。

やはりみなさん、「実際に乗ってみないとわからんやろ!!」というような感じになると思います。
一番良いのは、教習所ととの連携により、路上教習(教習所内での実車評価含む)が行えることです。

これは自動車運転再開に熱心に取り組んでいる地域では行えるようですが、まだまだ全ての都道府県でそのような取り組みは行えていないようです。

和歌山県においても、作業療法士の鍵野将平さんが地道な活動を行ってくれているようです!
すごいです、その行動力!!
http://drivingsienwakayama.hatenadiary.jp/entry/2018/04/19/184254

半側空間無視と自動車運転再開

半側空間無視があると、基本的には自動車運転再開はなかな難しいかもしれません。
それは、これまでも述べてきたように、自他共にかなりのリスクが生じるからです。

事故を起こしてしまうと本人だけでなく、家族にも迷惑がかかります。
一生を棒に振ってしまうかもしれません。

そのためにもしっかりと評価を行い、自動車運転が再開できないようになっても、本人に納得してもらう形をとれることが大切になります。
そのための机上検査、ドライブシミュレーターによる評価、教習所との連携による評価になります。

自動車運転再開に向けた様々な評価が、早く一律に行える世の中になればと思います。