脳血管障害におけるリハビリテーションでは、予後予測がリハビリテーション計画を立てる上でも重要になります。今回、失語症の予後予測について、損傷部位から見た視点についてまとめていきたいと思います。

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失語症の予後予測!損傷部位から見た視点!

前頭葉を中心とした失語症と予後予測

前頭葉を中心とした失語症に関しては、予後予測としては良好な経過をたどりやすいとされています。

失語症状はしっかりと訓練を行うことで改善することが言われています。
しかし、構音障害に関しては残存する可能性があり、早期から構音障害に対するリハビリテーションを継続的に行っていくことが大切になります。

構音障害は運動機能障害でもあるので、訓練は継続的に行っていくことが大切です。
常に誰かとしゃべる機会があれば別ですが、やはりコミュニケーションをとる機会が減ればそれだけ運動機能も低下してしまいます。
そのため、自ら積極的に構音障害に対するトレーニングを行っていくことが大切になります。
これは、対象者本人だけでなく、周りの家族や療法士も継続的に励ましながらサポートし続けることが重要です。

側頭葉、頭頂葉、後頭葉を中心とした失語症と予後予測

側頭葉、頭頂葉、後頭葉を中心とした失語症は、様々な経過をたどることが多い様です。
画像所見から、どの部分の損傷があるかを確認していくことが大切なポイントになります。

まず、上側頭回や縁上回の損傷がみられる場合、機能的予後は良好な場合が多い様です。
この部分の損傷では、「伝導失語」がみられます。
伝導失語については、

言葉の理解も表出も比較的良好だが、音韻(字)性錯語(「りんご」→「でんご」のように言葉の音を間違える)と聴覚的把持力の低下(聞いた言葉を短期間覚えておく力の低下、言語性短期記憶の低下)を特徴とする障害。
特に復唱にて誤りが出現する。
自らの誤りに気づき自己修正を行う(接近行為)が、聴覚的把持力の低下のために発語すべきことばを忘れてしまい、正しい発語に至らないことも多い。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E8%AA%9E%E7%97%87#%E4%BC%9D%E5%B0%8E%E5%A4%B1%E8%AA%9E

とあります。

下側頭回、後頭葉などに損傷がある場合、予後不良となる場合がお多いようです。
また、島の損傷がみられる場合も予後不良となる場合が多いようです。

中大脳動脈損傷による広範囲に渡る病巣の失語症と予後予測

広範囲に渡る病巣があると、基本的には機能的予後は不良になります。
しかし、発症からの経過により少しずつ回復がみられたり、急速に下回復する例が多少ならずともあるようなので、積極的にリハビリテーションを継続して行っていくことも大切になります。

被殻(基底核)損傷による失語症と予後予測

被殻出血などによる基底核損傷の失語症では、基底核のみの小さな出血であれば、機能的予後は良好になります。

出血により脳室拡大がみられる場合や、皮質にまで影響を与えている場合には、回復はみられるものの失語症状は残存すると言われています。
回復は基本的には急速にみられるとされています。

視床出血においては、損傷が視床のみのような場合では、機能的予後も良好で、回復も急速にみられることが多いようです。
視床損傷例では、失語に関することだけではなく、注意障害などの他の高次脳機能障害についても考慮する必要があります。