胸郭出口症候群というと、なで肩の女性に多くて、、、というようなイメージはあると思います。胸郭出口症候群に対しては、その病態の原因を考えていくことで、評価項目が上がりやすくなります。今回、胸郭出口症候群に対する理学、作業療法評価項目について、まとめていきたいと思います。



目次

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胸郭出口症候群に対する理学・作業療法評価項目、リハビリテーション!

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胸郭出口症候群とはどのような病気か

腕神経叢(神経線維が集合した部分)が圧迫、牽引されることで生じる上肢の神経、循環障害をいいます。

こうした神経、循環障害により上肢のしびれ感などの感覚障害、筋力低下などの運動障害が起こります。

そのためデスクワーク中の肩こりや腕のだる重さ、パソコン操作での手指のしびれ感などの原因となることがあります。

胸郭出口症候群はなで肩の女性、いかり肩の男性に多くみられ、頭部前方変位姿勢とも関係しています。

胸郭出口症候群の症状として、

つり革につかまる時や、物干しの時のように腕を挙げる動作で上肢のしびれや肩や腕、肩甲骨周囲の痛みが生じます。

また、前腕尺側と手の小指側に沿ってうずくような、ときには刺すような痛みと、しびれ感、ビリビリ感などの感覚障害に加え、手の握力低下と細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状があります。

手指の運動障害や握力低下のある例では、手内筋の萎縮(いしゅく)により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがり(小指球筋)がやせてきます。

鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_outlet_syndrome.html

とあります。

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胸郭出口症候群が起こるメカニズム

腕神経叢(神経線維が集合した部分)が圧迫、牽引されることで生じます。

そして、その圧迫または牽引部分は3つあります。

神経絞扼の3部位:斜角筋三角

C5〜T1の神経根は頚椎の椎間孔を出て、腕神経叢が形成され、上肢末梢まで神経線維が続きます。椎間孔を出てすぐの所に斜角筋三角という部分があります。

斜角三角部のトンネルは前方を前斜角筋、後方を中斜角筋、下方を第一肋骨の壁により覆われた空間となっており、この空間が狭くなると腕神経叢の圧迫障害が起こり、神経症状が出現すると考えられています。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P152

頚椎が固定された状態になると、前斜角筋や中斜角筋は第一肋骨を挙上する方向に力が働きます。

デスクワークの際によくみられる頭部前方変位姿勢では前斜角筋や中斜角筋が過緊張状態となり、神経の圧迫が起こります。

またこの状態は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の状態でも起こる可能性があります。

強制吸気での胸郭の上方への移動と、斜角筋群(強制吸気の作用)の過緊張が生じやすいためです。

神経絞扼の部位:肋鎖間隙

肋鎖間隙は上に鎖骨や鎖骨下筋、下に第一肋骨で構成される骨性のトンネルです。

このトンネルには、鎖骨下動脈、静脈が神経線維とともに通過します。そのためこの部分で圧迫がある場合、上肢の神経障害、循環障害も生じる可能性があります。

この部分の圧迫は鎖骨の下制により起こるため、腕神経叢の圧迫はなで肩の女性に多くみられます。

また、野球やバレーボールなどで頭上に腕を上げるスポーツにおいても症状が出ることがあります。

上肢を挙上する場合、鎖骨近位部の挙上と後退、後方回旋が併せて起こり、肋鎖靭帯と呼ばれる第一肋骨と鎖骨間に存在する靭帯や鎖骨下筋が緊張します。

さらに、繰り返し行われる挙上動作は斜角筋群を過緊張状態とするため、オーバーヘッドスポーツ利用者の肋鎖間隙部分で腕神経叢が圧迫されます。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P154

このような場合、肩甲骨の下方変位や下方回旋がみられることが多いようです。

神経絞扼の部位:小胸筋下間隙

小胸筋下間隙は、小胸筋と胸壁との間に構成されるトンネルです。この部分には腕神経叢の神経、鎖骨下動脈、静脈が通過します。

この部分の圧迫は肩外転動作出現しやすくなります。

肩関節を外転すると、烏口突起の下方を走行している神経線維と鎖骨下動・静脈が烏口突起を支点として上向する方向に走行が変わりその結果として腕神経叢と鎖骨下動・静脈に負担がかかる機序が考えられています。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P156

円背姿勢では肩甲骨の外転、下方回旋、前傾により小胸筋が過緊張状態になり、上腕骨の内旋もみられ肩甲下筋も過緊張となります。

こうした姿勢から肩外転を行うと、通常は肩甲骨挙上、後退、上方回旋が生じますが、可動域制限により肩甲上腕関節のみ外転するようになります。

すると烏口突起下方部分を支点とした神経、血管にストレスがかかりやすくなります。

胸郭出口症候群と循環障害の関係

冷感や浮腫などの循環障害は鎖骨下動・静脈の圧迫が原因とは言えないことが指摘されています。

胸郭出口症候群における循環障害の機序として交感神経との関連が言われています。

上肢の末梢血管を支配する交感神経は、下頸神経節、中頸神経節を形成した後に頸神経と合流し、腕神経叢と吻合し斜角間隙を通過します。

交感神経の興奮は末梢血管の拡張作用がありますが、腕神経叢の圧迫により交感神経の興奮が伝わらず末梢血管が拡張しない状態となり、結果として冷感や浮腫などの循環障害が起こると考えます。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P158

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胸郭出口症候群の評価:なで肩の評価項目

先ほど、なで肩の女性に多いということが特徴として挙げられました。

では、なで肩の評価項目にはどのようなものがあるでしょうか。

評価項目検査、観察のポイント
鎖骨の位置下制している
肋骨の位置下制している
肩甲骨の位置外転、下方回旋、前傾している
上腕骨の位置内旋している
姿勢円背姿勢(胸椎屈曲)
筋肉の状態・僧帽筋上部繊維は延長(緩む)

・前斜角筋や中斜角筋は延長(緩む)
・肩甲挙筋、小菱形筋は過剰収縮(短縮)
・肩甲下筋、小胸筋過緊張
・僧帽筋上・中・下部、菱形筋の筋力低下

肩外転動作での肩甲骨の動き肩甲骨挙上、後退、上方回旋が起こらない(肩甲上腕関節のみ外転)

 

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胸郭出口症候群の評価:いかり肩の評価項目

先ほど、いかり肩の男性に多いということが特徴として挙げられました。

では、いかり肩の評価項目にはどのようなものがあるでしょうか。

評価項目検査・観察のポイント
鎖骨の位置挙上している
肋骨の位置挙上している
肩甲骨の位置上方回旋、内転、後傾している
姿勢胸椎伸展
筋肉僧帽筋上部繊維と肩甲挙筋が短縮位(過緊張状態)
斜角筋、胸鎖乳突筋過緊張
僧帽筋下部繊維が延長位

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胸郭出口症候群の評価:診断的評価

アドソンテスト(斜角筋三角における腕神経叢の圧迫をみるテスト)

①座位で患側側(痛みや痺れのある側)に顔を向けて首を反らせる
②深呼吸により鎖骨下動脈の圧迫による橈骨動脈の拍動をみる
*拍動が弱くなる、または触れなくなると陽性

ライトテスト(肋鎖間隙、または小胸筋下間隙における腕神経叢の圧迫をみるテスト)

①座位で両肩関節外転90°、外旋90°、肘屈曲90°(2nd外旋ポジション)をとる
②橈骨動脈の拍動をみる
*拍動が弱くなる、または触れなくなると陽性

ルーステスト(肋鎖間隙、または小胸筋下間隙における腕神経叢の圧迫をみるテスト)

①座位で両肩関節外転90°、外旋90°、肘屈曲90°(2nd外旋ポジション)をとる
②手指曲げ伸ばしを3分間行う
*しびれやだる重さにより持続して運動できなければ陽性

エデンテスト(肋鎖間隙における腕神経叢の圧迫をみるテスト)

①座位で両肩甲骨内転、肩関節伸展(胸を張り手を後ろへ)させる
②橈骨動脈の拍動をみる
*拍動が弱くなる、または触れなくなると陽性

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胸郭出口症候群に対するリハビリテーション

基本方針

基本方針は、腕神経叢を圧迫している部分を圧迫しないようにすることです。

そのために、過緊張状態の筋肉は緩ませ、うまく働いていない筋肉に対してはトレーニングを行います。

胸郭出口症候群と姿勢の関係性

女性に多いなで肩では鎖骨の下制がみられ、そのため鎖骨間隙を狭くします。

また背中が丸みをおびる円背姿勢では肋骨を下制させ、それに連動して第一肋骨も下制します。

そこに付いている前斜角筋や中斜角筋は伸張位となるため、斜角間隙も狭まります。

肩甲骨は外転、下方回旋、前傾するため、小胸筋下間隙が狭くなります。

この肩甲骨の位置は僧帽筋や菱形筋の筋力低下を引き起こすことがあり、それにより上肢は重力に抗せず下制することになります。

男性に多いいかり肩の場合、鎖骨の挙上、肩甲骨上方回旋、内転、後傾位をとりやすくなります。

また胸椎は伸展位となり、肋骨は全体的に挙上位となります。

この姿勢は重力による上肢の下方への牽引力に抵抗する状態であり、胸郭を上に上げる斜角筋群は過緊張を強いられます。

そのため斜角間隙は狭まり、腕神経叢を圧迫する原因となります。

胸郭出口症候群の姿勢障害に対するリハビリテーション

胸郭出口症候群と姿勢との関連から、姿勢障害を改善することが、症状を軽快させる要因になることが考えられます。

鎖骨の下制に関しては、鎖骨の挙上、後退運動により前胸鎖靭帯や肋鎖靭帯、鎖骨下筋の伸張性を改善していきます。

肩甲骨下方回旋位に関しては小胸筋のストレッチを行います。

小胸筋は第2(3)〜5肋骨から烏口突起に付着するといわれ、肋骨から後外方に向かい走行しています。

扇状の形状をしており、上部と下部繊維は走行する角度が異なります。

第5肋骨に付着する繊維は烏口突起の最外側に付着し、筋長も長いことから、強い下方回旋に関与すると考えられ、小胸筋の外側繊維は治療部位として重要です。

また、弱化しやすい僧帽筋中部、下部繊維や菱形筋に対する筋力トレーニングも重要です。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P162

いかり肩では、過緊張状態の斜角筋がリラクゼーションされる必要があります。

なで肩に対してのアプローチ

なで肩では、筋肉の状態としては

・僧帽筋上部繊維は延長(緩む)
・前斜角筋や中斜角筋は延長(緩む)
・肩甲挙筋、小菱形筋は過剰収縮(短縮)
・肩甲下筋、小胸筋過緊張
・僧帽筋、菱形筋の筋力低下

が特徴として挙げられます。

そのため、まず過緊張状態である肩甲挙筋、小菱形筋、肩甲下筋、小胸筋のストレッチを行う必要があります。

肩甲挙筋のストレッチ

①右手は椅子の斜め後方をつかんでおきます。
②首を左に倒し、左に回す(鼻を肩に近づける)ことで肩甲挙筋をストレッチします。
1分程度ストレッチを行い、15秒休憩するサイクルを3セット程度行います。
*左手を頭部に乗せるとストレッチ効果が高まりますが、強く押さえすぎると首を痛める危険があるため注意が必要です。
*体が左に倒れないように右手でしっかりとバランスをとる必要があります。

肩甲下筋のストレッチ

①左腕を90度程度前方に挙げ、突き出します。すると、脇の後ろと肩甲骨の間のスペースが空くので、そこに左手の指先を差し入れます

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②そのまま脇を締めます。これがスタート姿勢です。

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③そこから左腕を左斜め上方に挙げていきます。

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小胸筋のストレッチ

①左脇の下に右手を入れます。そこから前方にたどっていくと、胸の筋肉をつかむことができます。その位置から、人差し指〜小指を体の中心に押し込みます。
一番下の手は名前を隠すための手なので関係ありません。

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②左腕を内側にし、脇をしめます。

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③左腕を斜め右上に挙げていきます。

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僧帽筋上部繊維のトレーニング

肩甲骨は上方回旋位とし、肩甲挙筋を延長位にすることでその働きを抑制します。
①両上肢を挙上(肩外転、外旋90°)します。
②両肩甲骨、上肢を同時に挙上し、僧帽筋上部繊維の収縮を促します。
*挙上した位置で5秒程度保持し、10回行います。余裕が出て来れば回数を増やしていきます。
*トレーニングの際は肩甲骨と上肢の連動した動きを意識し、腹部は力を入れて行います。

いかり肩に対してのアプローチ

いかり肩では、筋肉の状態は以下のようになっています。

・僧帽筋上部繊維と肩甲挙筋が短縮位(過緊張状態)
・斜角筋、胸鎖乳突筋過緊張
・僧帽筋下部繊維が延長位

そのため、僧帽筋上部繊維、肩甲挙筋、斜角筋、胸鎖乳突筋に対してはストレッチを行う必要があります。

また、僧帽筋下部繊維はトレーニングを行う必要があります。

僧帽筋上部繊維のストレッチ

①首を右に真横に倒します。
②首の付け根の上部僧帽筋を左の人差し指~薬指あたりの指の腹で上から押さえ、肩の
端へ寄せます
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③首を左側に倒します。

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④抑える個所を外側にし、①~③を繰り返していきます。

肩甲挙筋のストレッチ

①右手は椅子の斜め後方をつかんでおきます。
②首を左に倒し、左に回す(鼻を肩に近づける)ことで肩甲挙筋をストレッチします。
1分程度ストレッチを行い、15秒休憩するサイクルを3セット程度行います。
*左手を頭部に乗せるとストレッチ効果が高まりますが、強く押さえすぎると首を痛める危険があるため注意が必要です。
*体が左に倒れないように右手でしっかりとバランスをとる必要があります。

胸鎖乳突筋のストレッチ

①首を右横に倒し、そのまま頭を左へ回します。すると胸鎖乳突筋が浮かび上がってきます。

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②左手で胸鎖乳突筋に対し圧を加え、鎖骨方向に引っ張り、首を反対側に倒します。

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斜角筋のストレッチ

①首を右に倒します。
②斜角筋に押圧を加え、第1、2肋骨の外下方に向け引き寄せます。

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③首を左に倒します。

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僧帽筋下部繊維のトレーニング

①両上肢を挙上(肩外転、外旋90°)します。
②肩甲骨の下制・挙上を行い、僧帽筋下部の収縮を促します。
下制位で5秒程度保持し、10回行います。余裕が出て来れば回数を増やしていきます。
*このトレーニングでは、僧帽筋下部繊維の働きにより肩甲骨下制・内転・後傾させ、大胸筋・小胸筋・広背筋のストレッチも行えます。

立位での僧帽筋下部トレーニング

肩関節屈曲の最終域では僧帽筋下部繊維が作用して肩甲骨の下制・内転・後傾がわずかに確認できます。
大胸筋・小胸筋・広背筋が短縮(過緊張)状態だと、肩甲骨の動きが制限されます。

①上肢挙上160°程度で外旋位にて手の甲を壁に接触させます。
②そこから手の甲を壁から離します。
*離した位置で5秒程度保持し、10回行います。余裕が出て来れば回数を増やしていきます。
*トレーニングの際は肩甲骨と上肢の連動した動きを意識し、腹部は力を入れて行います。
*このトレーニングでは、僧帽筋下部繊維の働きにより肩甲骨下制・内転・後傾させ、大胸筋・小胸筋・広背筋のストレッチも行えます。

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頭部前方変位姿勢に対するアプローチ

筋力低下している筋に対するトレーニング:椎前筋

椎前筋は首を屈曲させる作用がありますが、弱化してしまうと肩こりの原因となるだけでなく、頚椎を安定して支える力も低下し不安定な状態となってしまいます。

①仰向けで寝て首の下に巻いたタオルを敷き、深呼吸することで頚部後面の筋肉をリラックスさせます。
②顎を引き、椎前筋を収縮させます。顎を引くことで敷いてあるタオルに圧がかかるのを首から感じるように心がけます。60秒を3セット行います。

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頭部前方突出姿勢と猫背に対するトレーニング

頭部前方突出姿勢が見られる方は猫背(胸椎後彎)も見られます。猫背に対するトレーニングも併用することで、姿勢矯正の効果を高めていきます。

◯仰向け胸椎伸展

①仰向けで背中の下(一番丸まっている骨の部分)に丸めたタオルを置きます。
②顎を引き両手を挙げ、60秒キープを3セット行います。その際腰が浮かないように腹筋に軽く力を入れます。
*胸を突き出すようにすると脊柱起立筋へのトレーニングにもなります。

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◯四つ這いからの胸そらし(大胸筋、小胸筋のストレッチを兼ねる)

①四つ這いになり、顎を引きます。
②手で床を押しながらお尻を踵に近づけます。この際腰を丸めながら、胸はそらします。60秒を3セット行います。
*腰も曲がっている人は腰椎も伸ばすようにします。

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◯広背筋ストレッチ

①左右の腕を体の前で接し、両肘が離れないように挙げていきます。その際に両肘を伸ばし腕が壁と平行になるようにします。
腰は常に壁と接するようにお腹に力を入れておきます。

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◯顎引き胸そらし

①背もたれなしの椅子に座り、後頭部の下にあるくぼみの部分で両手を組み、その手を上に持ち上げ顎を引くのを促します。
②両肘を後ろに引き胸を張り出し、一方腰は反らないようにお腹に力を入れておきます。60秒を3セット行います。
*腰をそらしてしまう場合には膝が股関節より高い位置にすると良いです。

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◯顎引き胸そらし2

顎引き胸そらしエクササイズで、両手の助けをなしに行います。
このとき両方の肩甲骨の間を近づけるように胸を張り出すことで胸椎の脊柱起立筋、僧帽筋中部、下部線維の筋力を強化していきます。

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◯肩甲骨エクササイズ

①背もたれのない椅子に座り、両腕を挙げ人差し指同士をくっつけ菱形を作ります。

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②顎を引き、手のひらが前を向くように動かします。この際腰が反らないように腹筋に力をいれておきます。60秒3セット行いましょう。

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このエクササイズでは僧帽筋下部線維の強化と大胸筋、小胸筋のストレッチになります。

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