褥瘡の発生因子には、圧迫によるものが大きな割合を占めますが、栄養状態も褥瘡発生のリスクを高める要因の一つとなりえます。今回、リハビリテーション栄養における褥瘡評価・治療の考え方を、褥瘡ガイドラインを参考にしてまとめていきたいと思います。

リハビリテーション栄養における褥瘡評価・治療の考え方〜褥瘡ガイドラインを参考にして〜

参考文献

褥瘡発生の危険因子

褥瘡発生の危険因子には様々なものがあります。
活動性の低下や関節の可動性低下、知覚障害があると、同じ身体部位や長時間の圧迫につながり、褥瘡発生を高めてしまいます。
外的な要因として、摩擦によるせん断力の発生や、過度の湿潤は組織の耐久性に関与します。また内的な要因として、栄養不良、加齢、低血圧、低酸素分圧、各臓器の障害なども、組織の耐久性に関与し、褥瘡発生の危険を高めます。
栄養不良との関連では、骨突出は筋萎縮に加えて栄養不良での皮下脂肪の減少にも原因があると言われています。

 

リハビリテーション栄養における褥瘡評価

褥瘡発生の危険因子である低栄養状態の評価としては、
①炎症、脱水がなければアルブミン値を用いてもよい
②体重減少率を用いてもよい
③喫食率(食事摂取量)を用いてもよい
④主観的包括的栄養評価(SGA)を用いてもよい
高齢者にはNMA®を用いてもよい
とされており、推奨度はいずれもC1となっています。
栄養補給に対する評価では、浮腫、脱水がなければ体重増加量を用いることが勧められます(推奨度B)。体重が減少した場合、エネルギー摂取量を増やす必要がありますが、体重は浮腫や脱水により変化するため、それらがないことを確認してから評価に用いるようにします。

 

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褥瘡治療における栄養

蛋白質・エネルギー低栄養状態(PEM)の患者には、疾患を考慮したうえで高エネルギー・タンパクのサプリメントを追加することが推奨されています(推奨度B)。
経口摂取が不可能な患者であれば、経腸栄養を行いますが、それも不可能な場合は静脈栄養を行います。
褥瘡治療に必要なエネルギー摂取量としては、基礎エネルギー消費量(BEE)の1.5倍以上を補給することが勧められています(推奨度B)。数値としては、NPUAP/EPUAPガイドラインでは30〜35kcal/kgとされています。

エネルギー消費量・摂取量の視点からリハ訓練内容を考える – 自分でできる体健やかブログ

必要量に見合った蛋白質の摂取が勧められますが、具体的な数値でのエビデンスはありません(NPUAP/EPUAPガイドラインでは疾患に考慮しながら1.25〜1.5g/kg/日とされています)。
亜鉛、アルギニン、アスコルビン酸などが欠乏しないように栄養補給をしてもよい(推奨度C)とあります。
亜鉛と褥瘡の関係では、PEM患者では亜鉛が欠乏していることが多いとの報告があります。