脳卒中片麻痺者の上肢機能では、上肢の重みを操作しながらの空間での抗重力活動であり、また協調運動や巧緻運動が要求されることから、下肢・歩行機能よりも回復がされにくいという側面があります。対象者が補助手・実用手になるかの予後予測を行うことは、麻痺側主体のアプローチになるのか、あるいは利き手交換、片手動作訓練主体になるのかを決定していく上で大切な視点になります。今回、脳卒中片麻痺上肢機能の予後予測(Brunnstrom、服部、福井、上田を参考に)について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

脳卒中片麻痺上肢機能の予後予測(Brunnstrom、服部、福井、上田を参考に)

参考文献

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Brunnstromによる予後予測

Brunnstromによると、stageⅥに到達するのは発症後比較的早く回復する症例のみだとしています。また、発症後7週間でstageⅣの運動が終了し、stageⅤに入り、そこからstageⅥに進んだとしています。発症後6ヶ月後で四肢のコントロールはだいたい正常になったが、手のぎこちなさは残存しているとしています。

 

服部による予後予測

服部は、発症後1ヶ月以内に指の総握りが不可、あるいは3ヶ月以内に総開きができない場合、廃用手に終わるとしています。

福井による予後予測

福井は、実用手(stageⅥ)に達するには、発症直後にstageⅢ〜Ⅳレベルが保たれている不全麻痺、もしくは発症後1〜3ヶ月で上肢、手指がともにstageⅤに入ることが必要としています(1-3-5の法則)。
補助手以上のレベルへの到達には、発症後4ヶ月以内に上肢Ⅳ、手指Ⅳ以上に入ることが必要としています(1-3-5の法則)。
発症後4ヶ月経過して上肢、手指ともにstage4に到達しない場合、廃用手に終わるとしています。

実用手になるための必要条件(上肢、手指)としては、N÷(3+3/4m)≧1としています(N:Br-stage、m:発症後月数(0.5≦m≦4))。これが十分条件となるには、知覚障害、不随意運動、小脳生失調がないことを加えます。

廃用手になる十分条件として、N÷(1+m/2)≦1としています(1≦m≦4)。

これらの中間になるものが準実用手、補助手、準補助手となるとしています。

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上田による予後予測

初期回復(脳内血腫吸収、浮腫の消退によるもの)について、1ヶ月以内でほぼ完全回復する例があるとしており、上下肢について、1ヶ月以内で10%内外、2ヶ月以内で12〜15%、手指ではそれぞれ7%、8%としています。

真の回復について、初期回復の良好例を除くと、6ヶ月以内にプラトーに達したのは下肢で58%、上肢で27%、手指で31%となり、残は7 ヶ月以降も改善が見られたとしています。
プラトー到達平均期間は下肢では約8ヶ月、上肢では約10〜11ヶ月、手指では約14ヶ月とし約1%には例外的に発症後2年半以降も上下肢・手指に回復がみられたとしています。

その他の予後予測の知識については以下をご覧ください。
脳卒中急性期における予後予測の知識と方法

脳卒中上肢機能予後予測の知識と方法

脳卒中の歩行能力における予後予測の知識と方法

予後予測通りとは限らない

リハビリテーションは日々進化しており、ニューロリハビリテーションの考え方を用いたり、電気刺激、ロボティクスなどを組み合わせることで、予後予測以上の回復が可能になることもあります。
以下の記事も参照してみてください。
手の機能回復とニューロリハビリテーション!脳の可塑性を促進するための知識!

脳卒中片麻痺の手の運動麻痺に対する低周波治療器の使い方

脳卒中片麻痺者の自主トレーニング集

 

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