関節リウマチ患者では握力測定に際して、握力計を用いる方法と水銀血圧計を用いる方法があります。握力計を用いた測定方法では、手指の関節への負担が大きいため。水銀血圧計を用いた測定がよく行われます。今回、水銀血圧計による握力測定の方法と実施のポイント、注意点について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

水銀血圧計による握力測定の方法と実施のポイント、注意点

参考文献

これでできる リウマチの作業療法 南江堂 1996

関節リウマチと握力

握力は母指と他4指の屈筋による把握共同最大筋力のことを指します。
関節リウマチにおける握力の低下は、手関節の疼痛や手指変形などによって引き起こされます。握力の低下があると、タオル絞り、びんの蓋の閉開、蛇口の閉開、ドアノブ回し、洗体などのADL低下の原因となります。
なお、タオル絞りの自立と非自立の境目となる握力は8kgとされています。
対象者の握力を維持するためには、手関節の除痛が重要となります。
関節リウマチのADLと上肢機能

関節リウマチとADLー肩関節障害を中心にー

 

握力計による握力測定

握力計による握力測定では、握力計の握りの長さは第2指の基根部から先端までの長さの半分が適当だとされています。
握力計を使用すると、手指の関節への負担が大きいため、水銀圧力計を用いた方法がよく利用されています。
2回実施し、数値の高い方を計測の値とします。
計測中は目盛りを見えないようにしておく必要があります。

水銀血圧計による握力測定

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水銀血圧計による握力測定では、カフを正確に2回折り重ね、はじめに水銀柱が20mmHgまで上がるようにカフをふくらませ、対象者にカフを握らせて水銀柱の目盛りを測定します。
2回計測し、数値の高い方を計測の値とします。
計測中は目盛りを見えないようにしておく必要があります。
日内変動があるため、なるべく一定の時間に計測する必要があります。
握力系を用いた方法と、水銀血圧計を用いた方法はきわめて高い正の相関があり、水銀血圧計の100mmHgが握力計の8kgに相当します。
関節の痛みのために値が低くなったり、PIP関節の過伸展変形(スワンネック変形)では値が低くなりやすく、MP関節の尺側変位では低値にはならないなどの特徴があります。
関節リウマチと変形については以下の記事を参照してください。
手・手指変形の解剖・運動学的解釈ー関節リウマチを中心にー
関節リウマチの活動性のわずかな変化を反映するため、変化の確認や、身体障害者手帳の作成やADL状態の把握に役立ちます。

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