2017年9月4日〜9日までの6日間、A-ONE認定評価者講習会に参加してきました。
参加前はかなり不安も多かったのですが、かなり勉強になった講習会でした。今回、講習会を振り返りながら、次回以降参加される方たちへの参考になればと思います。

 A-ONE認定評価者講習会を終えて

A-ONEとは

A-ONE(ADL-focused Occupation-based Neurobehavioral Evaluation)とは、神経行動学理論と作業療法の原理を融合した評価です。
機能的遂行(日常生活動作)と認知-知覚障害と運動障害を含む神経行動学的障害とを直接結び付けていることに特徴があります。
中枢神経障害のある16歳以上の対象者に対して使用することが可能です。

ADLの観察により、自立、要監視、要言語的介助、デモンストレーション・身体的介助、全介助の5段階評価を行い、

また、標準化された手法と概念的操作定義が用い、観念性失行、運動性失行、半側身体無視、身体失認、空間関係の障害、半側空間無視、保続、組織化/順序立ての障害、地誌的失見当、筋緊張異常などを特異的障害が5段階、広範的障害が2段階で評価されます。

 

参加前

教科書が英語で書かれている時点で不安いっぱいでした。
さらに、その教科書を見ながら予習プリントを行うということで、講習会に行くのが少し憂鬱でした。

1日目

1日目に会場に行くと、さらなる教科書(レクチャーノート)が置かれてあり驚愕です。
不安がいっぱいになります。
講師は外国の方なので、通訳をしてくださる先生がいます(作業療法士)。

内容は、A-ONEの概要、開発の経緯、作業遂行と神経行動学との関連性、神経解剖学などです。
今年から日本の講師の方も講義をしてくださるようになったらしく、神経解剖学の講義はかなり理解度も高まりました。
しかし、時間の関係もあり、やや早いペースではあったので、日頃から神経解剖学を勉強しておく必要はあると感じました。
そして、宿題があります。

2日目

神経解剖学の続きです。
この日から、運動性失行、観念性失行、組織化と順序立ての障害など、A-ONEで使用される特異的神経行動学的機能障害や、立体知覚の障害、左右識別障害などの広範的神経行動学的機能障害についての説明があります。
A-ONE独特の定義もあるため、この講義を通じてA-ONEにおける神経行動学的機能障害についての理解を深めていきます。
この日の夕方には、情報量が多すぎて、個人的にはヘロヘロになってしまいました。
夜からは懇親会があり、宿舎到着後、もちろん宿題を頑張りました。

3日目

A-ONE使用のための採点方法や注意点を講義を通して学んでいきます。
A-ONEにおいてADL場面の観察は非常に重要で、なぜそのようなエラーが起きているかをリーズニングしていくためにも、様々な決まりを守りながら採点を行う必要があります。
優位半球などの機能障害が出現するパターンも考慮することが的確なリーズニングにつながることが大切になります。
最後に症例ビデオを使っての観察から、スコアリンングを行いました。
もちろん宿題があります。

4日目

スコアリングとリーズニングを行っていきます。
スコアリングする人により多少の得点の差はありましたが、大事なのはなぜそのようなリーズニングになったかだと強調しておられました。
2例、3例とスコアリングを行っていくうちに、方法にも慣れてくることが感じられました。
そして何より、参加者のリーズニングを皆で共有することで、神経行動学的機能障害に対する認識が高まっていくように感じました。
宿題はやっぱりあります。

5日目

スコアリングとリーズニング、A-ONEの研究的なことの講義もあります。
この日は宿題がなく、夕方から唯一観光ができる可能性がある日になります。
6日目には最終課題(スコアリングと筆記課題)があり、リラックスして寝れるかというと。。。という感じです(個人的には何も準備せずしっかり寝れました)。

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6日目

A-ONE使用における全般的な注意点や、日本でのA-ONE研究会の取り組み、研究の紹介があります。
午後からは最終課題で、1症例のスコアリングと、筆記試験があります。
講義では、観察中はメモなどせずに観察が終わってから思い出してスコアリングすることを推奨していましたが、皆メモしていました。
テストというプレッシャーからですね。
筆記は20問あり、選択肢から選ぶ課題、記述問題が半々でありました。
筆記試験は何を見てもよいため、講義をしっかり聞いてメモをしていれば解けないような問題ではないと感じました。
個人的には、かなり悩みました。
携帯電話の使用は禁止で、電子辞書や辞書を持ってきてくださいと事前にアナウンスがありましたが、なくても大丈夫かなと思います(あって損はありません)。

講習会終了時点では、認定評価者にはなりません。
後日、最終課題の成績から認定評価者になれるかの連絡がくるようです。
ちなみに2017年現在、日本での認定評価者は二百十数名で、これまでの講習会で認定評価者になれなかった方はいないようです。

最後に

A-ONE認定評価者は持っておいて損はないです。
作業を中心とした、信頼性が高く、標準化されている評価であり、作業療法らしさがつまっている評価法です。
評価から目標設定や介入方法を考える上でも使用できるため、非常に有用なものと考えています。
と、言いながら、この記事を書いている時点では認定評価者にはなっていません。。。
広島大学の宮口先生は、「A-ONEは皆の宝になる」と表現し、石川県立中央病院の西川先生は、「A-ONEは宝に加えて、武器になる」とおっしゃっていました。
外国の講師の先生も笑っておられましたが、かなり武器になると思います。

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