先日、竹林先生のCI療法の講習会に行き、その中で物品選択と難易度調整についての話がありましたので、覚え書きとして、記録しておくことにします。

目次

脳卒中片麻痺者に対する上肢機能訓練における物品選択と難易度設定!

スポンサードサーチ

難易度調整についての考え方

難易度を調整するにあたり、考えていく上で必要な要素としては、

・遠いところ(距離)
・高いところ(高さ)
というような空間的な要素があります。
空間的な要素は、動作遂行に使用する関節数にも関連します。

課題の難易度を下げようとすれば、机上でなくてもよく、膝元などのより下側で上肢運動を行っていくことも有用です。

スポンサードサーチ

手指の運動自由度と物品選択

ブロックと板

立方体と細い板を比較すると、細い板の方が難易度が低くなります。
一番難易度の低い課題としては、
細長い板を粘土に刺して、板をとる
という課題になります。
細い(薄い)という要素は、手関節の背屈のテンションも少なくて済み、板が長いとクレーンのように持つこともできるという利点があります。

立方体は、面に対して手の構えをしっかりと作る必要がある(手関節背屈で、面に手指を合わせるようなコントロールが必要)ため、難易度としては高くなります。

「3〜5mm厚さで3cmの長さの板を立てたものをつまむ」課題は、→Brs-stage3レベルでも可能(少し指が動く人でも可能)で、難易度の低い課題になります。

ブロックの大きさ

2〜2.5の大きさが簡単です。
それは、安静時の手の構えのウェブスペースがそれくらいの大きさとされているためです。
それよりも小さいと、IP関節屈曲や母指内転でつまむ必要があります。
また、ブロックが大きくなると、手指伸展ストレスが大きくなり、難易度が高くなります。
まずはウェブスペースと同じ大きさで、それが可能になれば、大きくまたは小さくしていくというように段階付けしていくことが必要になります。

ブロックとボールとお手玉

ブロックとボールとお手玉を比較して、難易度について考えていきます。
お手玉の特徴としては、形態が変わりやすいことが挙げられます。
また、中に入っている豆が少ないとつまみにくくなります(布だけ横つまみのことある)。
硬い物品の方が摩擦力を感じやすすく、形が変わらないという性質があります。
このことから、3つの物品の難易度としては、
ブロック→ボール→お手玉
という順になります。

ボールと立方体を比較すると、同じ大きさではボールになると接地面が点になるので難しくなります。

 

ペグ操作の工夫

ペグは作業療法の課題として用いられることがよくあります。
ペグ操作(抜き差し)における難易度設定として、ペグを置く間隔の違いによる難易度が考えられます。

オープンな状態でペグがある→関節運動の組み合わせが優しい
密な場所にペグ→関節運動の組み合が難しい(よけながら取らないといけない)
となります。

硬貨

硬貨も、手のウェブスペースに近いものほど難易度は低くなります。
10→100→500→5→1というような順になります。
特に、5円硬貨、1円硬貨は小さいため、母指と示指の動きではつまみにくいという特徴があります。

物品の形状、特徴から難易度を考える

物品の形状は手指と物品の接地面の広さ、手指と物品の摩擦力に関係します。
接地面の広さが広いと、物品を持ちに行ったときに、示指と母指の間に生じる力が釣り合いやすくなります。
面が狭いと、はじけやすくなります。
面に対して垂直に力が伝わらないと、摩擦力が生じません。
面が狭いと摩擦力は生じにくくなります。

ここで再び硬貨を考えると、示指と母指がコインに触れるエッジ面が太い方が、摩擦力を発生させやすくなります。
1円硬貨、5円硬貨になると面が狭いため、摩擦力が生じにくくつまみにくくなります。

物品の重さを筋出力向上や感覚障害に用いる

物品の重さも、治療的に活用します。
例えば、分離はいいが運動の出力が悪い場合、軽いもの→重いものへと段階付けると良いでしょう。
深部感覚障害がある場合には、難易度設定としては、少し重い物品の方が制御が行いやすくなります(重みがありすぎると出力が足らないが)。

ジェンガは木の重さとしては軽く、高くコントロールを行おうとすると、視覚情報に頼りがちになります(体性感覚情報がとれない)。
そうすると、現象としては上肢が揺れやすくなります。
視覚情報は0.1秒、体性感覚情報は0.3秒で脳に情報が伝達されると言われているのですが、そこに差異があるので、ノイズが生じて揺れてしまいます(視覚に起因する手の失調)。
体性感覚情報としては、重みのある物品を提供することが大切になります。
硬貨で考えると、10円、100円は重さがありますが5、1円は軽いと言えます。

つまみ動作が難しい場合はタオルを敷く

タオルを敷くことで、物品操作の難易度が下がります。
ふかふかのタオルを敷くと、コインを持つ際に、指が沈み(物品の下に空間ができる:クリアランス)、つまみやすくなります。
タオルは摩擦係数が高く、物品が滑りにくくなります。

3重にたたむ→2重→1重→ペラペラのタオル→滑り止めシート→ツルツルの滑り止めシート(摩擦係数だけ残す)→粘土板の裏→合板の机の上(難易度が一番高い)というような難易度順になります。

スポンサードサーチ

脳卒中では損傷部位別の評価とアプローチを行うことが必要ですよね?



呼吸療法認定士の資格を取りたい方は必見

呼吸療法認定士の資格勉強は隙間時間にするのがコツです。

呼吸療法認定士 eラーニング講座

スキマ時間勉強ならリハノメ

PTOTSTのためのセミナー動画が見られます。

各分野のスペシャリストが登壇しているので、最新の知見を学びながら臨床に即活かす事が可能です。

セミナーあるあるですが、、、メモ取りに夢中になり聞き逃してしまった。

なんてことはなくなります。何度でも見返す事が可能だからです。

高額なセミナー料+交通費、昼食代を支払うよりも、スキマ時間を見つけて勉強できる「リハノメ」を試してみるのも良いのではないかと思います。

臨床で差をつける人は皆隠れて努力していますよ。

長い期間で契約したほうが、月額が安くなります。

PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』

PTOTSTが今より給料を上げる具体的方法

転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。

各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。

管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。

行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。

転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。

管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)

PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】