パーキンソン病の4大症状と言えば有名ですが、それらのみでは説明できないような困難性をパーキンソン病の方は抱えています。今回、パーキンソン病と大脳皮質-基底核ループの関係性から、脳科学的に考えるPDの症状についてまとめていきたいと思います。

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パーキンソン病と大脳皮質-基底核ループの関係性!脳科学から考えるPDの症状!

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大脳皮質-基底核ループについて

大脳皮質-基底核ループとは

大脳皮質の運動関連領域から出力された情報は、大脳基底核の入力部である線条体(被殻・尾状核)に伝達されます。その後、直接路(アクセル)と間接路(ブレーキ)の二手に分かれ、大脳基底核の出力部である淡蒼球内節・黒質網様部に至ります。
そして、その情報は視床へ伝達され、最終的には運動関連領域へと収束していくことになります。

直接経路は、アクセルともあるように、抑制を緩めて運動を促進させる(脱抑制)経路です。
間接経路は、ブレーキともあるように、抑制を強めて運動を止める経路です。

このような運動制御の中で、視床亜核に情報が伝達されるのですが、これを担っているのが主にVA:前腹側核(Ventral anterior nucleus)、VL:外腹側核(Ventral lateral nucleus)です。

前腹側核(VA:Ventral anterior nucleus)
入力:基底核、小脳
出力:運動前野、補足運動野
運動プログラム、姿勢制御に関連

外側腹側核(VL:Ventral lateral nucleus)
入力:基底核、小脳
出力:運動野
精緻運動に関連

とされています。
視床損傷と基底核障害については以下の記事を参照してください。
視床損傷(出血、梗塞)で基底核障害が起こる理由!視床亜核と基底核の関係!

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大脳皮質—大脳基底核ループの具体的役割と生じる障害

大脳皮質—大脳基底核ループは4つのループがあります。
①運動ループ
②眼球運動ループ
③前頭前野ループ
④辺縁系ループ

運動ループは、補足運動野-被殻-外側腹側核でループを形成しています。
記憶誘導性の運動や、自発的な動作に関与しています。
運動ループの機能低下が起こると、記憶を元にした運動の手順の障害が起こることが予測されます。
また、自発的な運動が起しにくくなることが予測されます。

眼球運動ループは、前頭眼野-尾状核-前腹側核、背内側核でループを形成しています。
眼球運動(サッケード)が頻繁に生じないように抑制をする役割があります。
眼球運動ループの機能低下が起こると、サッケードの抑制障害が起こったり、自発的な眼球運動が生じにくくなるなどが予測されます。

前頭前野ループは、背外側前頭前野-尾状核-前腹側核、背内側核
外側眼窩前頭皮質-尾状核-前腹側核、背内側核
でループを形成しています。
遂行機能、問題解決、意思決定や衝動のコントロールを制御する役割があります。
また報酬予測にも関連するとされています。
前頭前野ループの機能低下では、これらの機能低下に加え、運動学習を阻害することも予測されます。

辺縁系ループは、前帯状回-腹側線条体-背内側核でループを形成しています。
情動や動機付けに関与しており、辺縁系ループの機能低下では、情動のコントロールや動機付けの障害が生じることが予測されます。

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大脳皮質-基底核ループに関連するパーキンソン病の症状

以下は、高畑進一「パーキンソン病当事者の日常生活動作困難とイメージの重要性」作業療法ジャーナル Vol.45 No7 2011を参考にしています。

無意識的に動作をする事が苦手

パーキンソン病の方は、無意識的に動作をすることが苦手な一方、意識したり、イメージしてからの動作では遂行が容易になるという特徴があります。
これらは、大脳基底核が補足運動野などとともに無意識的な動作遂行に関与しているとされていることが影響しています。
そのため、パーキンソン病の方では、動作手順を意識化したり、頭の中でリハーサルをすることで動作遂行がスムーズになることがあります。

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系列動作や同時動作が困難

系列動作や同時動作の遂行では、前頭前野による大まかな行動計画や動作遂行中の監視と修正(モニタリング)が重要です。
基底核の障害は、つながりのある前頭前野ループの機能低下を起こすことが考えられますから、順序関連のある遂行機能の低下が生じます。
また、補足運動野との運動ループの関連から、系列動作の順序障害も生じることが考えられます。

視覚情報がないと動作が行いにくい

これは、よく知られていることですが、運動ループに関連のある補足運動野は記憶誘導性の運動に関与します。
この、記憶に基づいた運動の障害があるため、パーキンソン病の方は視覚情報の有無が動作遂行に影響すると考えられています。
なお、運動前野は感覚(視覚)誘導性の運動に関与しており、小脳や頭頂葉との関わりがあります。

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心理状態や感情が動作に影響を与える

パーキンソン病の方では、不安や恐怖感、不快感、精神的緊張状態などが動作遂行のスムーズさに影響を与えることがあります。
これらは、辺縁系ループと関連があると考えられています。
辺縁系ループの機能低下では、情動のコントロールや動機付けの障害が生じますが、パーキンソン病の方ではこの調節機能に影響があると考えられます。
そのため、できるだけ快刺激や安心感などを与える人や環境のもとで動作することで遂行がスムーズになることがあります。

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