以前、被殻出血と筋緊張についての勉強会に参加してきました。今回、被殻出血と筋緊張の関係性についてまとめていきたいと思います。
目次
被殻出血と筋緊張!被殻出血で筋緊張は亢進する?低下する?
スポンサードサーチ
筋緊張についてのおすすめ書籍
スポンサードサーチ
筋緊張についてのおすすめ記事
- 錐体路と錐体外路の覚え方!随意性と筋緊張に関わる伝導路!
- 筋緊張亢進(痙縮)に対するニューロリハビリ!伝統的リハビリも交えながら!
- 皮質網様体-網様体脊髄路は錐体外路?脳画像上の経路と損傷時の症状、賦活に必要なこと!
スポンサードサーチ
被殻について
被殻は、大脳基底核の一部です。
大脳基底核を構成する神経核としては、尾状核、被殻、淡蒼球外節、淡蒼球内節、視床下核、黒質緻密部、黒質網様部があります。
また、尾状核+被殻を合わせて線条体、
被殻+淡蒼球を合わせてレンズ核
と言います。
スポンサードサーチ
大脳基底核の基本機能
大脳基底核の基本的な機能は、「抑制」をすることです。
大脳基底核ではブレーキをかける役割があり、アクセルをかける役割はありません。
上図を見てください。前途しましたが、線条体は尾状核+被殻から構成されています。
「抑制」をかける経路には2つの経路があります。
一つが「間接経路」もう一つが「直接経路」です。
間接経路では、ブレーキを強めることで運動をやめる経路(抑制強化の経路)です。
一方、直接経路はブレーキを緩めて運動を促す経路(脱抑制)の経路です。
では、大脳基底核は何を抑制しているかが気になりますが、それは大脳皮質-基底核ループを思い出してみましょう。
大脳皮質—大脳基底核ループは4つのループがあります。
①運動ループ
②眼球運動ループ
③前頭前野ループ
④辺縁系ループ
その中で、運動ループは、補足運動野-被殻-外側腹側核でループを形成しています。
記憶誘導性の運動や、自発的な動作に関与しています。
運動ループの機能低下が起こると、記憶を元にした運動の手順の障害が起こることが予測されます。
また、自発的な運動が起しにくくなることが予測されます。
このようなことから、大脳基底核は、補足運動野からくる記憶を元にした運動情報を抑制していると言えます。
スポンサードサーチ
被殻と筋緊張の関係性
ここまで、大脳基底核(被殻)についての基本的な役割や機能を説明してきました。
次に、被殻と筋緊張の関係性について考えていきます。
筋緊張の定義と役割について復習
筋緊張は、以下のように定義されています。
- 神経生理学的に神経支配されている筋に持続的に生じている筋の一定の緊張状態
- 骨格筋は何も活動していないときにも絶えず不随意的にわずかな緊張をしており、このような筋の持続的な弱い筋収縮
- 安静時、関節を他動的に動かして筋を伸張する際に生じる抵抗感
Wikipedia
一定の張力を保つことができていると、関節のコントロールが自在にできたり、常に一定の力を発揮することが可能になります。
また、筋緊張の病態を表す用語として。「異常筋緊張」というものがありますが、筋緊張が高すぎると「筋緊張亢進」、筋緊張が低すぎると「筋緊張低下」と言われます。
正常範囲内では、筋緊張が高い状態を「高緊張」、筋緊張が低い状態を「低緊張」と呼びます。
スポンサードサーチ
筋緊張のコントロールはどのようになされるか
筋緊張のコントロールを、脳の側面から考えた場合、大まかには抑制系と促通系に分けることができ、その制御は脳幹で行われています。
筋緊張の抑制系は脳幹網様体が関与し、「脚橋被蓋脚(PPN)」や「抑制性網様体脊髄路(橋網様体脊髄路、延髄網様体脊髄路)」があります。
一方、筋緊張の促通系には「前庭脊髄路」「促通性の網様体脊髄路」などがあります。
筋緊張の抑制系はさらに上位レベルでは補足運動野や大脳基底核が関与し、促通系は運動前野や小脳が関与します。
スポンサードサーチ
脚橋被蓋脚(PPN)とは何か
脚橋被蓋核とは脳幹にある神経核である。上小脳脚を取り囲み、黒質の尾側に位置する。アセチルコリン作動性ニューロンが豊富に存在する他、グルタミン酸作動性、GABA作動性、各種の神経ペプチドを産生するニューロンなどが混在する。脚橋被蓋核ニューロンは主に大脳皮質、基底核より入力を受け、視床や視蓋、基底核、脳幹網様体へ投射する。したがって脚橋被蓋核は基底核-大脳皮質ループおよび網様体脊髄路系を介して運動の発現や姿勢筋活動の制御に関与するとともに、視床-大脳、大脳基底核投射や網様体賦活系を介して意識レベルや睡眠・覚醒、注意、動機付け、学習の調節に関わっていると考えられている。
脚橋被蓋脚 小林康 脳科学辞典 10.14931/bsd.1470
難しく書いてはありますが、筋緊張の視点で考えると、脚橋被蓋核の役割は「筋緊張を抑制する(低緊張にする)」ことです。
スポンサードサーチ
大脳基底核と脚橋被蓋核の関係性
前途しましたが、大脳基底核の基本的な役割は「抑制」であることは述べました。
では、大脳基底核と脚橋被蓋核の関係性を見ていきます。
私たちが、正常な筋緊張を保てていると仮定します。
その際に、大脳基底核と脚橋被蓋核という狭いくくりで見ていくと、
筋緊張を抑制する(正常範囲内である低緊張にする)脚橋被蓋核を大脳基底核(被殻含む)が抑制(ブレーキをかける、やめさせる)していることで、筋緊張は高緊張または一定の張力を保つことができます。
スポンサードサーチ
被殻の損傷と筋緊張の関係性
大脳基底核(被殻)が損傷すると、筋緊張を抑制する脚橋被蓋核を抑制できなくなります(ブレーキをかけれない、やめさせれない)。
すなわち、筋緊張は低下するということになります。
ここで、大脳基底核の役割の一つを思い出して見ます。
「補足運動野からくる記憶を元にした運動情報」に関与するということがありました。
これを筋緊張の側面から考えると、記憶を元にした運動情報というのは、運動が起こる前の段階ですから、運動が起こる前の予測的な姿勢制御に関与していることが伺えます。
このことから、大脳基底核(被殻含む)または中大脳動脈領域の損傷が見られる場合、運動が生じる前の筋緊張を高めることができるかということも評価ポイントになります。
そして、運動に伴う姿勢調整や運動調整に必要な筋緊張のコントロールが行えているかを見る必要があります。
また、非麻痺側の代償運動で努力的な動作を行なっている場合、筋緊張の異常(亢進)を引き起こしてしまうことも考えられます。
スポンサードサーチ
脳卒中では損傷部位別の評価とアプローチを行うことが必要ですよね?
呼吸療法認定士の資格を取りたい方は必見
呼吸療法認定士の資格勉強は隙間時間にするのがコツです。呼吸療法認定士 eラーニング講座
スキマ時間勉強ならリハノメ
PTOTSTのためのセミナー動画が見られます。各分野のスペシャリストが登壇しているので、最新の知見を学びながら臨床に即活かす事が可能です。
セミナーあるあるですが、、、メモ取りに夢中になり聞き逃してしまった。
なんてことはなくなります。何度でも見返す事が可能だからです。
高額なセミナー料+交通費、昼食代を支払うよりも、スキマ時間を見つけて勉強できる「リハノメ」を試してみるのも良いのではないかと思います。
臨床で差をつける人は皆隠れて努力していますよ。
長い期間で契約したほうが、月額が安くなります。
PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』
PTOTSTが今より給料を上げる具体的方法
転職サイト利用のメリット
何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。転職活動をする上で、大変なこととして、、、
仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる
この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)
管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。
コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。
日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。
そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。
転職サイト利用のデメリット
デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。
それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。
そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。
転職サイトは複数登録することも必要
転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。
せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。
その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。
また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。
自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。
とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!
ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。
各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。
管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。
行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。
転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。
管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。
「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典
転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)
①PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】