大腿骨転子部骨のリハビリテーション-小転子骨折で転位を最小限に抑えるには?禁忌や腸腰筋との関係は?予後への影響は?-

大腿骨転子部骨のリハビリテーションとして、小転子骨折を伴う場合の注意点やリハビリの進め方についてまとめています。

目次

大腿骨転子部骨のリハビリテーション-小転子骨折で転位を最小限に抑えるには?禁忌や腸腰筋との関係は?予後への影響は?-

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小転子とは

小転子は、大腿骨にある骨の部位を指します(上記画像で赤丸がついている部分)。

小転子には、腸骨筋や大腰筋(2つを合わせて腸腰筋と言う)が付着しています。

大腿骨近位部骨折と小転子の転位

大腿骨近位部骨折(大腿骨転子部骨折)では、小転子骨折(小転子骨片の有無)の存在がリハビリメニューの決定において重要な要素になります。

小転子骨折の合併があると、早期からの全荷重は慎重に考える必要があります。

小転子骨片の転位をいかに防ぐかがポイントになります。

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小転子と腸腰筋の関係性

腸腰筋の主な作用は股関節屈曲です。

腸腰筋は股関節の安定性を保つために超重要な役割があります。

それは、臼蓋と骨頭を前方から安定化させることにあります。

腸腰筋が機能しない場合の骨頭の安定化はどうなるかというと、、、

骨盤を前傾させ、関節臼によって骨頭被覆率を高める事で代償しようとします。

このような方法では、立位や歩行時に股関節が屈曲したままの、特定角度での荷重が中心となります。

すると、股関節周囲筋筋の活動性低下し筋萎縮につながります。

腸腰筋の機能低下と動作への影響

股関節深屈曲位での股関節屈曲は長腰筋の機能が主になります。

これは、日常生活においては、

・車椅子のフットレストに下肢を乗せにくい

・座位で靴下や靴が履きにくい

・入浴時の浴槽またぎが行いにくい

など、様々な活動に影響を及ぼします。

また、腸腰筋はCKCでの骨盤前傾、腰椎伸展、股・膝関節伸展作用があります。

これは、歩行時の立脚終期の股関節伸展に関与しています。

腸腰筋機能が低下することにより、骨盤後傾(股関節屈曲)し、プッシュオフが弱くなる事があります。

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小転子転位がある場合のリハビリの進め方

小転子骨折がある場合、何よりも重要なことは転位を防ぐことになります。

小転子骨折がある場合、腸腰筋の収縮により転位する恐れがあります。

そのため、2-3週間は自動屈曲やSLR(下肢伸展挙上)は避ける必要があります。

また、股関節他動伸展によっても転位が生じる可能性があるため注意が必要です。

さらに、早期からの全荷重は慎重にする必要性もあります(医師に判断を仰ぐようにする)。

起居・移乗動作時に術側下肢を介助するような対応が必要になります。

2-3週間で遊離した骨片が、脂肪組織内で癒着などにより安定が得られやすいとされています。

転位が見られる場合、荷重時痛が強い事が多いです。

そのため、疼痛と跛行が生じにくい歩行補助具を選定する事がリハビリテーションを進める上でのポイントになります。