股関節疾患術後の荷重練習の進め方-脚長差、可動域、恐怖・不安を軽減し、歩行に繋げるための段階的難易度設定-

股関節疾患術後の荷重練習の進め方についてまとめています。

目次

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股関節疾患術後の立位保持の評価で重要なポイント

  股関節疾患術後の立位保持の評価で重要なポイントとしては、まずは脚長差はないか?という事です。 これは、脚長差はバランス能力や跛行につながるため、立位保持練習の前には脚長差を評価しておくことが重要ようになります。 まずはパッと見の評価として、立位での上前腸骨棘の高さは一緒かということを見ておきます。 もしくは、臥位の時点で、形態測定を行います。 下肢長の形態測定には、 ・SMD(棘下長) ・TMD(転子下長) の2種類があります。 これらについては以下の記事を参照してください。 股関節疾患術後の脚長差はなぜ生じる?どう対応する?形態測定(SMD、TMD)をどう活かす?

荷重練習の進め方

股関節疾患術後に対する荷重練習を進めるためには、前途したように、脚長差はないかと言うことに配慮する必要があります。

脚長差が確認できて、それが構造上の問題は、補高を行います。

なお、側弯に対しても補高を行う可能性は十分にあります。

脚長差が機能上の問題の場合は、立位保持練習の前に対処する必要があります。

例えば、筋スパズムが機能的な脚長差の問題に関連している場合、筋スパズムを除去する必要があります。

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股関節疾患術後の荷重練習を進めるポイント

股関節疾患術後における荷重練習を進めるためには、まずは股関節可動域を確保しておく事が重要になります。

特に、股関節内転、伸展可動域の確保が重要です。

そのため拘縮や筋スパズムの除去を念頭にアプローチしていく必要があります。

前途しましたが、立位になった際には、左右均等荷重位での上前腸骨棘の位置をチェックする必要があり、通常では、両側の上前腸骨棘の位置が同じになります。

また、初めは恐怖心や不安を抱きやすいことから、それらを軽減させる課題設定に配慮する必要があります。

そのためには、初期段階では平行棒等で上肢支持できる環境で荷重練習を進める事がポイントになります。

また対象者には、荷重練習開始前に、練習に必要な運動や目的等をしっかりと説明することで、不安や恐怖感を軽減できる一助となることがあります。

股関節疾患術後の荷重練習における難易度設定のポイント

荷重練習を進めていくにあたっては、術側下肢への荷重が、疼痛なくスムーズに行えることを目指す必要があります。

難易度設定としては、以下のように行うことが多いです。

①平行棒両手支持、骨盤の水平移動に伴う術側下肢荷重

この時には、逃避的姿勢になっていないか、股関節内転位となっているか、股関節外転筋(主に中殿筋)の遠心性収縮がスムーズに行えているか等を評kしていくことがポイントになります。

この時に注意点として、平行棒を強く握るとスムーズな移動になりにくいため、軽く握る、または接触させる程度のつもりで支えに利用する事を求めます。

②術側の上肢支持なくし、術側下肢への荷重量を徐々に増やす

この時、筋出力が発揮しにくい場合、仙骨・上後腸骨棘と大転子を近づけて筋出力発揮を補助するように行う事があります。

③上肢支持の元、術側へのサイドステップにて荷重量を増やす

④健側上肢支持の元、術側下肢荷重でのリーチ動作

リーチ動作では、上前方リーチを促す事が求められます。

この時、荷重に伴い下肢、上・下部体幹が協調しているかを観察により確認する事がポイントです。

通常、上前方リーチを行い続けると、逆足はステップ反応が生じますが、それくらい、ぎりぎり一杯までリーチ範囲を荷重に伴い広げていくことが求められます。

さらに、状態が良ければ(観察上、上・下部体幹が協調している)、上肢支持をなくした上でリーチ動作を行います。

この時には、バランスの崩れに対してはリスク管理を行なっておく必要があります。

荷重にと伴う股関節外転筋の遠心性収縮を促す方法としては、「立位で左右への体幹回旋運動」を行う場合があります。

この動作により。股関節外転筋の求・遠心性収縮の切り替えを練習する事が可能になります。

このような評価、課題設定の流れにより、術側下肢への荷重が、疼痛なくスムーズに行えることを目指していきます。

なお、術後の対象者は時期によって疼痛が生じやすいこともあるため、状態を確認しながら進めていくことが重要になります。