上腕骨顆上骨折(小児・成人)についてまとめています。

目次

上腕骨顆上骨折(小児・成人)の特徴は?症状は?手術は?どれくらいで治る?後遺症は?リハビリ方法は?

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上腕骨顆上骨折(小児)の概要

  • 子供によく見られる骨折( 3~8歳に多い)
  • 子供の骨折全体の約10%を占める
  • 子供の肘関節の骨折では最も頻度が高い(約75%)
  • 転んだ際に腕を伸ばして手をついた際に発症しやすい
    ⇨肘に急激な伸展力が加わる
  • ほとんどの遠位(指に近い側)骨片は伸展(後方)方向に転位する
  • 肘に激しい痛みと腫れが生じる
  • 痛みにより肘が動かせない
  • 受傷後の時間経過で転位が大きいと皮下血腫が生じる
  • 骨片による神経・血管損傷では、痺れや手指が動かせなくなる(運動麻痺)場合あり

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上腕骨顆上骨折(小児)の分類

【Gartlandの分類】
タイプI :転位が全くないか、ごく軽度
タイプII :折れ曲がっているが、一部の骨皮質に連続性が残っている
タイプIII:完全に転位している

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上腕骨顆上骨折(小児)と循環障害

  • 転位が大きくなると、循環障害を引き起こす可能性がある
  • 橈骨動脈に触れることができるか
  • 手が冷たくなっていないか
  • 骨折部の整復により循環障害は解消する

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上腕骨顆上骨折(小児)の合併症

  • フォルクマン拘縮
    ・前腕部のコンパートメント症候群によるもの
     ⇨四肢の筋肉や血管・神経組織は筋膜・骨間膜で囲まれている(閉鎖した区画(コンパートメント)

  ・外傷等で出血や浮腫によりコンパートメント内圧が上昇すると、循環不全が生じ、筋壊死や神経麻痺を生じる

  ・上腕骨顆上骨折では前腕掌側のコンパートメント症候群が生じやすい
   ⇨屈筋群が非可逆性の壊死となり、拘縮を生じる

  ・筋膜の切開による治療が必要

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フォルクマン拘縮を疑う所見

  • Pain(疼痛)
  • Pulseless(拍動消失)
  • Paralysis(運動麻痺)
  • Paresthesia(感覚麻痺)
  • Pallor(蒼白)

   ⇨5P

  • 整復後にも症状軽減しなければ危険サイン
  • 内圧測定で上昇が確認されれば緊急的に筋膜切開が必要
  • 術後でも起こりうるので注意が必要

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上腕骨顆上骨折(小児)の合併症

  • 神経麻痺
    ・約15%に発生
    ・一過性のこともあり、3-4ヶ月程度で回復する傾向にある
    ・後内側に転位した骨折では正中神経麻痺が多い
     ⇨痺れ、母指球萎縮
    ・後外側に転位した骨折では橈骨神経麻痺が多い
     ⇨痺れ、下垂手(または指)

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上腕骨顆上骨折(小児)の治療

  • 転位の状態により保存・手術療法が選択される
  • ほとんど転位がなければ上腕から手までのギプス固定を3-4週間行なう
  • 折れ曲がっているが、一部の骨皮質に連続性が残っているものでは、キルシュナー鋼線による経皮的ピンニング(皮膚の上から鋼線を刺す)が用いられることが多く、4週間程度で骨癒合が得られる
  • 完全に転位している場合、皮膚の上から鋼線を刺す手術や、皮膚切開後に整復して鋼線を刺す手術が行われる

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上腕骨顆上骨折(小児)の後遺症

  • 内反肘変形
    ・整復不良やギプス内転位による変形治癒によるもの
    ・内反変形が強いと上腕骨外顆骨折のリスクが高くなる
    ・内反変形が強いと遅発性の尺骨神経麻痺の可能性
    ・骨折後、上腕骨の一部に成長障害が生じると変形の可能性もある

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上腕骨顆上骨折(成人)の概要

  • 小児と比較すると低頻度
  • 治療効果が得られにくい骨折でもある
  • 転んだ際に腕を伸ばして手をついた際に発症しやすい
    ⇨肘に急激な伸展力が加わる
  • 高齢女性で骨粗鬆症合併の場合、小さい力が加わることでも起こりうる
  • ほとんどの遠位(指に近い側)骨片は伸展(後方)方向に転位する
  • 肘に激しい痛みと腫れが生じる
  • 痛みにより肘が動かせない
  • 受傷後の時間経過で転位が大きいと皮下血腫が生じる
  • 骨片による神経・血管損傷では、痺れや手指が動かせなくなる(運動麻痺)場合あり

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上腕骨顆上骨折(成人)の分類

  • AO分類

 A 関節外骨折、関節内は無傷
  A1 2-part骨折 (単純骨折)
  A2 3-part骨折(楔状骨折)
  A3 粉砕骨折

 B 部分関節内骨折:関節面の一部のみ損傷
  B1 外側顆骨折
  B2 矢状面骨折
  B3 冠状面骨折

 C 完全関節内骨折
  C1 T字、またはY字型顆間骨折
  C2 C1+顆上骨折
  C3 関節内外ともに粉砕

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上腕骨顆上骨折(成人)の治療の注意点

  • ほとんどは手術療法が選択される(プレート固定等)
  • AO分類のA3 粉砕骨折やC完全関節内骨折は予後不良となりやすい
  • リハビリ開始が遅れる、高齢者、異所性骨化は予後不良因子
  • 骨化性筋炎(骨や関節周囲の軟部組織に外傷などの刺激が加わって起こる異常骨化現象)では疼痛や可動域制限の原因となる
  • 術後早期の可動域運動による偽関節発生や変形治癒に注意する

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上腕骨顆上骨折(成人)の合併症

  • フォルクマン拘縮
    ・前腕部のコンパートメント症候群によるもの
     ⇨四肢の筋肉や血管・神経組織は筋膜・骨間膜で囲まれている(閉鎖した区画(コンパートメント)

  ・外傷等で出血や浮腫によりコンパートメント内圧が上昇すると、循環不全が生じ、筋壊死や神経麻痺を生じる

  ・上腕骨顆上骨折では前腕掌側のコンパートメント症候群が生じやすい
   ⇨屈筋群が非可逆性の壊死となり、拘縮を生じる

  ・筋膜の切開による治療が必要

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フォルクマン拘縮を疑う所見

  • Pain(疼痛)
  • Pulseless(拍動消失)
  • Paralysis(運動麻痺)
  • Paresthesia(感覚麻痺)
  • Pallor(蒼白)

   ⇨5P

  • 整復後にも症状軽減しなければ危険サイン
  • 内圧測定で上昇が確認されれば緊急的に筋膜切開が必要
  • 術後でも起こりうるので注意が必要

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上腕骨顆上骨折(成人)の合併症

  • 神経麻痺
    ・一過性のこともあり、3-4ヶ月程度で回復する傾向にある
    ・後内側に転位した骨折では正中神経麻痺が多い
     ⇨痺れ、母指球萎縮
    ・後外側に転位した骨折では橈骨神経麻痺が多い
    ⇨痺れ、下垂手(または指)
    ・尺骨神経麻痺も起こりうる

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上腕骨顆上骨折(成人)の治療の流れ

  • 術後、できれば手術後2週前後で骨折部のリハビリが行える事が望ましいが、状態により3 ~ 4 週間の固定後、仮骨形成がみられれば出来るだけ早期に自動運動を開始する事もある
  • 保存療法(ギプスシーネ固定)では3週程度経過後に骨折部の自動運動を開始
  • 可動域は屈曲転位があれば肘関節伸展制限が出やすい
  • 伸展転位があれば肘関節屈曲制限が出やすい
  • 関節内骨折では偽関節や変形治癒に注意

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腫脹や浮腫管理

  • 高位挙上
  • 筋の収縮と弛緩
  • 圧迫
  • 肘関節は挙上位をとりにくい
    ⇒背臥位や側臥位でのクッションの活用方法を工夫する

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前腕・手関節・手指筋群の収縮や伸張、上腕筋群の直接的伸張

  • 過剰な炎症を引き起こさないように注意する
  • 肘関節周囲筋群のリラクゼーション
    ⇒上腕二頭筋や上腕筋を把持して横方向へスライドさせる
  • 筋収縮の許可があれば
    ⇒肘屈筋・伸筋の弱めの等尺性収縮
  • 筋の短縮や変性を防げるようにアプローチ

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患部外の可動域の確保

  • 肩関節内・外旋
  • 肩甲骨可動性
  • 手指可動性

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皮膚の伸長性獲得と皮下の滑走性改善

  • 術後は皮膚の修復過程において瘢痕が生じる
  • 瘢痕は皮膚伸張性や皮下滑走性を低下させる
    *浮腫によって強い瘢痕になる
  • 肘背側皮膚伸長性低下は肘屈曲制限につながる
  • 肘屈曲時の皮膚の伸長性(縦と横)と皮下の滑走性改善が重要
  • 創部への伸長が加わらないようにしながら、周囲の皮膚を操作する

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固定除去後の介入のポイント

  • 痛みをできるだけ生じさせない(愛護的に)
  • 筋のリラクゼーションを得る(上腕二頭筋や上腕三頭筋の同時収縮が生じやすい)
  • 固定除去に対する不安や関節運動への不安
    ⇒上肢の過緊張(固定)につながる
     体幹部や肩周囲のリラクゼーションから介入も検討
  • 腕尺関節や腕橈関節の愛護的な牽引は靭帯や関節包伸長につながる(準備運動的な役割がある)

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上腕骨顆上骨折(成人)のリハビリのポイント

  • 可動域はどこまで改善するか?
    ⇨疼痛なく-15〜130°まで改善すればバッチリ
     疼痛なく-30〜120°まで改善すれば良い
     疼痛なく(またはあり)-40〜90-120°まで改善すれば普通
     疼痛あり-40〜90°までの改善は良くない
  • 上腕三頭筋、上腕筋の収縮をしっかりと促していくことが重要

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肘関節屈伸制限としての筋と関節包の役割

上腕筋

  • 上腕二頭筋の深部に位置し 、 上腕骨掌側面遠位 1/2から起始し、尺骨粗面と肘関 節前方関節包に停止する
  • 関節包に停止する深層 線維群は、肘関節を屈曲した際にたるむ関節包を収縮とともに引き出す関節筋としての役割がある
  • 上腕筋を働かせることにより、 屈曲時の前方関節包のはさみ込みを防止しており、 関節包の伸張につながる
  • 上腕筋の肘関節付近での瘢痕化や癒着は肘の屈曲拘縮の原因の一つになる

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肘関節屈伸制限としての筋と関節包の役割

上腕三頭筋内側頭

  • 長頭、 外側頭、 内側頭に分けられ、 長頭のみ二関節筋
  • 内側頭は長頭・外側頭の深層にあり、最も深層にある線維群は、 肘関節後方関節包に停止する
  • この線維群は、肘関節伸展に伴う後方関節包のはさみ込みを防止する関節筋としての役割がある
  • 深部にある内側頭は肘関節付近での瘢痕化や癒着により肘関節伸展拘縮の原因の一つになる

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関節包伸長性確保のための筋収縮の促し方

上腕筋

・肩関節屈曲位

・前腕回内位

・肘を屈曲させる

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関節包伸長性確保のための筋収縮の促し方

上腕三頭筋内側頭

  • 肩関節伸展
  • 肩関節軽度内旋
  • 肘関節を伸展させる


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