手根管症候群の保存・手術療法に対するリハビリテーションについてまとめています。

手根管症候群の保存・手術療法に対するリハビリテーション

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手根管症候群の概要

  • 手根管症候群(carpal tunnel syndrome:CTS)
  • 手根管内で正中神経が絞扼され生じる
  • 上肢の絞扼性神経障害で最も頻度が高い
  • 手根管には正中神経と9本の屈筋腱とその腱鞘が通過する
  • 手根管内圧が上昇し、神経圧迫、虚血性変化が生じる
  • 正中神経圧迫により以下の症状が生じる
    ・母指、示指、中指、環指橈側1/2のしびれ、感覚鈍麻、痛み
    ・母指球筋(短母指外転筋、母指対立筋、短母指屈筋)の筋力低下、萎縮
    ・Perfect Oが困難
    ・巧緻動作障害(ボタンかけ外し、硬貨をつまむ、瓶の蓋開け)

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手根管症候群に対するリハビリテーション評価

  • 誘発テスト
    ・Phalen Test
     ⇨手関節の手背同士を合わせ、最大掌屈位に保持(30秒) 
      正中神経領域の痺れが増強すれば陽性

  ・Carpal Compression Test
   ⇨手根管の入り口で正中神経を徒手により圧迫する
    痺れが増強すれば陽性

  ・Tinel’s sign
   ⇨手根管の入り口で殴打し、痺れ、痛みが誘発されれば陽性

  • 疼痛評価
    ・VAS(Visual Analogue Scale)
     ⇨100mmの線の左端を「痛みなし」、右端を「最大の痛み」とし、対象者の痛みの程度を表すところに印を付けてもらう

  ・VASは筆記用具が必要で、VRSは言語の問題や、段階が少なく痛みを詳細に評価できないこともあり、一般的にはNRSが推奨されている

  ・MMSEが18点以上の軽度の認知機能低下者においても使用可能

  ・Numerical Rating Scale(NRS) は0から10の11段階に痛みを分け、痛みが全くないのを0、最大の痛みを10とし、その点数を尋ねる

  ・NRSは10~17点の中等度認知機能低下者でも使用可能

  • 感覚評価
    ・Semmes Weinstein monofilament test
     ⇨静的触覚(閾値)の評価

   ・静的触覚は力を適切にコントロールして物体を落とさず、効率良く、スムーズに物体を操作するために必要

   ・静的触覚には物体を把持するための物体の性状(柔らかさ、硬さ、重さ)に応じた把持力の調節機能がある

     ・二点識別覚
    ⇨指の長軸と並行に圧で2点刺激を加える
     指腹は3-5mmで正常、10mm以内で実用手
   ※閾値に到達した受容器の分布密度予測にも使用される

  • 筋力評価
    ・握力
    ・ピンチ力
    ・MMT
     ・母指対立筋
     ・短母指屈筋 
     ・短母指外転筋

  ※痛みや痺れ感等の影響を考慮して結果を解釈する

  • 上肢障害評価票(日本語版DASH)
    ・日本語版DASHは、日常生活における困難さに焦点を当てている評価票

   ・能力障害や症状に関する質問が30項目あり、5件法で選択する

     ・スポーツ、芸術活動や仕事に関する質問が4項目あり、5件法で選択する

     ・[1]が障害なし、[5]が遂行不可能となる

     ・評価する日の1週間前の状況に対して回答を選ぶ

     ・DASHには、質問が11項目(スポーツ、芸術活動や仕事に関する質問は4項目と変わらない)の「Quick DASH」がある

  • 手根管症候群質問表日本手の外科学会版(JSSH version of CTS instrument(CTSI-JSSH)
    ・疼痛、痺れ感、脱力感などに対する症状の重症度と、日常生活上の課題における困難さから構成

   ・過去2週間のうちの典型的な24時間の症状を尋ねる

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手根管症候群に対する保存療法

  • ステロイド注射
    ・ステロイドを注射により症状緩和を図る
    ・全身に副作用を及ぼす量を注射するのではない
    ・回数を多く注射しても良くなるわけではない
    ・注射後に短期間で症状が再度出る場合、手術の適応
    ・注射の効果があれば、手術後の回復は良いとされている
  • 装具療法
    ⇨可撓性が少しある素材の背側型コックアップスプリント
     手関節中間位から軽度背屈位が手根管内圧を最も減少させる

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しびれやすい手の使い方

 ・手首を曲げて食器を洗う
 ・手首を曲げて携帯電話を使用する
 ・手首を曲げてお風呂掃除をする
 ・手首を曲げてパソコンのキーボードを打つ

  • 上記のような動作を長時間、高頻度で行うと症状が出やすい
  • 手首をまっすぐにして作業する
  • 普段とは反対の手で行う
  • 長時間の作業を避け、休憩を入れる 

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手根管症候群に対する手術療法(手根管開放術)

  • 神経の除圧を目的とする
  • 直視下手根管放術と鏡視下手根管開放術がある
  • 直視下は直接神経を確認する方法
  • 鏡視下は関節鏡を用いる方法
    ⇨傷が小さく、手が自由に使えるまでの期間が比較的短い
  • どちらも術後1年の回復に差はないとされている
  • 術後成績は、手術前の状態により異なる
    ⇨怪しいなと思ったら早めの受診を!

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手根管症候群に対する手術療法(母指対立再建術)

 ・手根管開放術と併用して行われることが多い

 ・母指球の萎縮による摘み動作困難に対し、他の指の腱を移行して摘み
  動作を再建するもの

 ・積極的に行うべきという意見と、そうでない意見に分かれる

 ・回復の不良因子が少なければ手術適応
  ・高齢
  ・母指球筋の萎縮
  ・長期の筋力低下
  ・合併症(糖尿病や血液透析者など)

  • いくつかの方法があり、病院により術式が異なる

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手根管症候群術後リハビリテーション(手根管開放術に対して)

  • 術後約1週間のシーネ固定がある
  • 固定期間は浮腫・腫脹のコントロールに努める
    ・患肢挙上
    ・アイシング
    ・患部外運動(肩関節、肘関節、手指)
  • 正中神経や屈筋腱の滑走はなぜ大切?
    ・通常よりも正中神経や屈筋腱の滑走が低下している
     ⇨手根管内圧上昇、屈筋腱滑膜炎の増生や癒着が原因

 ・腱滑走運動により、滑走距離を改善させ、周囲組織の癒着を剥がす
  ⇨神経伸長痛、痺れの軽減につながる
   屈筋滑膜の浮腫改善により手根管内の浮腫を軽減できる

  • 固定中は腱滑走運動(動画確認)
    ・各運動5セットを1日2-3回程度
    ・母指の単関節運動(屈曲、伸展)も実施
  • 固定除去、抜糸後は腱滑走運動を継続しながら可動域運動を行う
  • 対立やつまみ動作も行いながら、物品を用いた練習も行う
  • 術前の母指球萎縮が強い場合、母指対立が行えるように装具を用いる
  • つまみ運動は大きい→小さいものへ抵抗の小さい→大きいものへなど段階づける
  • 手関節の様々な肢位でつまみ動作が行えるように平面→空間での課題設定も行う

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手根管症候群 術後リハビリテーション(母指再建術に対して)

  • 手根管開放術と併用して行われることが多い
    ⇨腱滑走運動も行う(動画で確認)
     ⇨腱滑走運動により、滑走距離を改善させ、周囲組織の癒着を剥がす
      ⇨神経伸長痛、痺れの軽減につながる
       屈筋滑膜の浮腫改善により手根管内の浮腫を軽減できる
  • 正中神経滑走運動も実施(動画で確認)
  • 術後約3週間のギプス固定がある
  • 固定期間は浮腫・腫脹のコントロールに努める
    ・患肢挙上
    ・アイシング
    ・患部外運動(肩関節、肘関節、手指)
  • 固定除去後、まずは自動運動から開始する
    ・母指や手指を全方向に動かす
    ・移行腱の滑走練習(対立運動)
  • 他動運動の許可があれば、手関節(掌屈)、母指の愛護的な運動
    ※母指MP関節伸展は移行腱を触知しながら愛護的に
  • 正中神経・屈筋腱滑走運動
  • つまみ運動
    ・大きい→小さいもの(ペグが利用しやすい)
    ・様々な肢位でつまみ動作が行えるように平面→空間での課題設定も行う
  • 手関節背屈、母指伸展運動の他動運動
  • 手関節・母指の同時他動伸展
  • 母指の筋力増強運動(セラパテ等を利用)

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正中神経滑走訓練を行う理由

  • 手根管開放術に正中神経滑走訓練を加えることで、
    ・握力
    ・ピンチ力
    ・SWMT(セメスワインスタインモノフィラメントテスト)
     ⇨静的触覚(閾値)
    ・2点識別覚
    ・しびれ
    ・ファーレンテストの陽性角度 
    に改善が見られた

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正中神経滑走訓練の方法

  • 6つの運動がある
  • 1日3回
  • 各位置を7秒間保持する

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異常知覚の治療法

  • 作業療法では、脱感作(減感)法により刺激に対する閾値を高め、並行して、服の素材を検討したり、生活の中での手の使用法を具体的に確認する
  • 手根管症候群による感覚障害が、日常生活上での手の使用においてどの程度困難さにつながっているかを確認する

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減感法

  • 刺激の耐えられる材質から耐えられない材質へと段階づけを行う
  • 減感法の効果は神経生理学的には十分解明されていない
    *逆に異常知覚を増強させてしまうこともある
  • 方法
    ①綿、米、とうもろこし、豆、マカロニ、布などの物品から、目で見て恐 れを抱かない物品を選択
    ②選んだ物品をボウルに入れ、中に手を入れることから始め、徐々に手を動かす、握る、ものを探すなど段階的に行う
    ③異常知覚が減少してきたら、手の不使用に対して、接触面が丸みを帯び た物品(ペグなど)を用いて、動作学習を行う
    ④具体的な日常物品を用い、動作学習を行う


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転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

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それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

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