ゴルジ腱器官は、筋張力に関する情報を感知する感覚受容器です。ゴルジ腱器官は、ストレッチを効果的に行う時に重要な役割を担っています。今回、ゴルジ腱器官の役割と筋短縮改善へのストレッチへの臨床応用について、まとめていきたいと思います。

ゴルジ腱器官の役割と筋短縮改善へのストレッチへの臨床応用

ゴルジ腱器官の役割

ゴルジ腱器官は、筋と腱の接合部に位置しています。筋肉-ゴルジ腱器官-腱という並びになっています。
ゴルジ腱器官は、筋肉で発生する力の量(=筋張力)に関する情報を供給しています。
筋張力は、筋肉が伸ばされても筋肉が収縮しても発生します。

筋肉は複数の運動単位から構成されています。
骨格筋はα運動ニューロンの支配を受けており、そのニューロンからは複数の筋繊維が神経支配を受けています。
α運動ニューロンとそれに支配される筋繊維を運動単位と呼びます。
一つのゴルジ腱器官は複数(10〜15)の運動単位から1本のずつ筋繊維を受け取っています。
そのため、それぞれの筋繊維の張力の感知というよりも、全体的な張力として感知していると考えられています。

ゴルジ腱器官の閾値については、

収縮によって生じる筋張力の変化に対する腱器官の閾値は低く(つまりわずかな変化に反応しやすく)、筋を伸張したときに発生する張力に対する閾値は高い

ヒトの動きの神経科学

とあります。
筋収縮を伴うことで、ゴルジ腱器官は必ず興奮することが知られています。
このことは、受動的な伸張よりも、筋収縮を伴う方がゴルジ腱器官が興奮することを示しています。

 

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筋肉が、どれくらい強く収縮すればよいかというような制御には、ゴルジ腱器官と筋紡錘が深く関与しているとされています。
筋紡錘については、以下の記事を参照してください。
運動持続のメカニズムと筋紡錘、α-γ連関の役割!リハビリへの応用!

筋肉はなぜ硬くなるのか

筋肉が硬くなり、伸びが悪くなることを、「筋短縮」と呼びます。
では、筋肉が硬くなるメカニズムはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは筋肉がどのように構成されいるかを知ることが、筋短縮を理解する上では必要になります。
筋肉は、複数の筋繊維から構成されていますが、筋繊維は複数の筋原繊維から構成されています。
筋原繊維には、筋肉の最小単位である筋節があります。筋節には、アクチンとミオシンフィラメントがあり、筋収縮や弛緩にはこれらが関与します。

 

筋短縮という状態では、上記した「筋節数の減少」と、「繊維化」が起こっている状態になります。
筋節の数が減少すると、筋節の開きが悪くなってしまうので、その結果伸張性の低下が生じます。
またその状況が続くと、コラーゲン繊維は伸張されると平らに変化しますが、コラーゲン繊維に架橋結合ができることによって、コラーゲン繊維が伸びなくなり、その結果伸張性の低下が生じます。

ストレッチにおける大切な考え方

前途したように、筋の短縮状態とは筋節の減少と繊維化が生じていることがわかりました。
そのため、筋の短縮を改善するにはこれらの状態改善することが必要になります。

筋肉が収縮するということは、「腱を中心に引き寄せる」という動きが生じます。
このとき、関節運動が生じることになります。
そこで、関節運動が起きないように筋収縮させる等尺性収縮という運動を行うと、筋は収縮していますが、両端の腱は固定されることになります。
このような等尺性収縮では、ゴルジ腱器官がある筋腱移行部にはかなりの伸張刺激が加わることになります。
すると、筋肉は断裂しないように筋節を増やす(合成する)ようになり、筋肉が伸びやすくなるのです。

また、等尺生収縮を行うことでゴルジ腱器官は伸張刺激を感知しますが、このことによりⅠb抑制が起こり、筋肉を緩めるように(筋緊張を緩和させる)作用します。
Ⅰb抑制については、以下の記事を参照してくだい。
肩こりにも解消にも応用できる!ストレッチの科学的根拠!

 

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このような考え方を元にストレッチを行うと、筋短縮が改善しやすくなります。
各筋に対するストレッチへの応用は、以下の書籍やDVDを参考にしてください。

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