翼状肩甲(前鋸筋筋力低下)の評価と筋力トレーニング方法
上肢帯と肩関節のアライメント異常として、翼状肩甲があります。菱形筋が優位で前鋸筋の筋力低下がある状態が続くと、ローテーターカフ(回旋筋腱板)の筋力低下にもつながり、上腕骨が上方変位する異常を生じさせることにもつながります。今回、翼状肩甲(前鋸筋筋力低下)の評価と筋力トレーニングについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
翼状肩甲(前鋸筋筋力低下)の評価と筋力トレーニング
参考文献
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翼状肩甲

上肢帯と肩関節のアライメント異常として、翼状肩甲があります。
翼状肩甲は、肩甲骨の下部が浮き上がることで翼のようにみえることからその名前で呼ばれています。
菱形筋が優位な場合、肩関節下垂位における肩関節外旋運動の際に、菱形筋の形がはっきりと確認することができます。
また、肩関節外旋運動の代償として、肩甲骨内転と下方回旋が生じます。
肩甲骨内転、下方回旋の代償を防ぐために肩甲骨の内転をとめるように固定すると、肩関節外旋の関節可動域と筋力低下が確認できます。
菱形筋の筋活動が優位な場合、拮抗筋である前鋸筋には筋力低下がある可能性があります。
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前鋸筋の機能的検査

①肩甲骨面上(肩甲骨の向いている方向)30°外転位にてその肢位を保ちます。
②上腕骨内転方向に抵抗をかけます。
判定:抵抗をかけても肩甲骨の位置に変化がなければ正常となります。
*前鋸筋による肩甲骨上方回旋力の固定が不十分な場合、肩甲骨は不安定となり、三角筋の牽引力に打ち勝つことができず、三角筋の筋力により肩甲骨の下方回旋がみられます。
菱形筋優位(前鋸筋筋力低下)とローテーターカフ筋力低下の関係

菱形筋が優位で前鋸筋に筋力低下がある場合、肩甲骨上方回旋が不十分となり、肩関節挙上運動が不十分となります。
菱形筋が棘下・小円筋の外旋を代償することになり、そのような状態が続くと棘下・小円筋の筋力低下につながります。
棘下筋・小円筋に筋力低下があると、肩関節挙上運動時に上腕骨頭を関節窩に引きつける作用が働きにくくなり、上腕骨頭が上方変位することにもつながります。
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前鋸筋の筋力トレーニング

肘ばい、四つ這い
①肘ばいの姿勢をとり、前腕にて地面を支持します。
②肘にて地面を押し、肩甲骨を前方に突き出します(前方突出)。
③肘ばいでの運動が可能であれば、四つ這い姿勢をとり、同様に肩甲骨を前方突出させます。
④四つ這いでの運動が可能であれば、片手で地面を支持し、肩甲骨を前方突出させます。
*パートナーがいれば、肩甲骨の上から押してもらい、肩甲骨前方突出に対して抵抗をかけます。

四つ這い雑巾掛け
①四つ這いにて片手で地面を支持し、肩甲骨前方突出させます。
②外乱刺激として、雑巾(タオル)を使用し、反対側の手で雑巾掛けを前後左右、斜めなど様々な方向に行い、その間前鋸筋の筋収縮を保持します。



