リハビリやボディワーク、セルフケアにおいて、すぐにストレッチを行おうとする方が多いのではないでしょうか。体が硬いだけならまだしも、圧痛があるなど組織に痛みが生じている状態においては、まずはある程度筋肉をほぐすことが鉄則になります。今回、ストレッチをリラクゼーション後に行う理由について、まとめていきたいと思います。

ストレッチはリラクゼーションの後から行うのが鉄則!!

筋肉が硬い状態とは

筋肉が硬い状態というのは、筋肉の伸び具合(伸張性)が低下している状態です。
このような状態を、「筋短縮」と言います。
筋肉が硬くなるのには、関節を動かさないことや、運動不足などの影響が考えられます。
例えば五十肩のような場合、肩を上げた時に痛みが生じますが、痛みが生じると、それ以上に肩を上げることは苦痛になるため、関節を動かさない範囲が出てきます。
筋肉は関節が動く範囲でしか伸び縮みしないため、通常の関節可動域で伸び縮みするはずの伸張性がなくなってしまうことになります。

 

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筋肉を押して痛い時(圧痛)

筋肉を押して痛みがある状態のことを、「圧痛がある」と言います。
これは肩こりがあるときなどに、肩の筋肉を指で押すと痛みを感じると思います。まさにそれです。
では圧痛はどのようなメカニズムで生じるのでしょうか。

反射のシステムが関与するのですが、なんらかの要因により痛み刺激があると、それが交感神経に伝達されます。
交感神経が促通されると血管を収縮させ、血液の流れが低下します。
また、運動神経に伝達されると、筋肉の攣縮を生じさせます。筋攣縮では、常に筋緊張が高くなっている状態です。
筋攣縮が生じると、筋肉の中にある血管の血流が低下し(虚血状態)、筋肉に栄養が供給されなくなります。
すると筋組織は壊れ、結果として発痛物質が出現し、これが筋肉を押したときの圧痛を生じさせます。

筋の伸張性が低い状態では筋肉組織自体は安定しているため、圧痛は見られにくいという特徴があります。

筋短縮や攣縮の概要、評価については以下の記事を参照してください。
筋攣縮と筋短縮の違い
筋攣縮、筋短縮の評価とその治療指針

 

圧痛がある時、ない時ではアプローチの順序が異なる。

今までの話から、圧痛がある状態というのは、筋攣縮がある可能性が高いということがわかります。
筋攣縮がある状態でストレッチを行うとどうなるでしょう。
筋攣縮では筋肉は常に(筋肉が縮む、伸びる位置どちらでも)緊張しているわけですから、伸張性を出そうといきなりストレッチを行うと痛みが生じやすくなってしまいます。
ストレッチで痛みを生じさせてしまうと、その痛みがさらに攣縮を引き起こしてしまいます。
これでは悪循環になりますから、まずは筋攣縮をとることがアプローチの順序としては最初に行うことが大切です。

 

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筋攣縮をとるには、筋肉の収縮-伸張位を弱い力(自動運動)で繰り返すことが有効だとされています。
これは、自動運動で筋肉を収縮させることにより血管を圧迫し、弛緩させることにより血管を拡張させます。
これにより血液の流れが改善され、発痛物質を除去排出させることができると考えられているためです。

圧痛がなかったとしても、筋緊張が高い筋肉に対しては最初にリラクゼーションをかけることが重要ではないかと考えます。
新品の粘土を想像してください。最初は中々伸びにくいですよね。
粘土をこねていく中で、徐々に柔らかさも出てくるものです。
筋肉の緊張が高い状態では、ストレッチの肢位にもっていってもなかなか伸張性が得られません。
はじめに筋肉を少しでもリラックスさせてあげることで、ストレッチの効果が高まるといえます。
筋短縮の改善に関しては以下の記事を参照してください。
ゴルジ腱器官の役割と筋短縮改善へのストレッチへの臨床応用
肩こりにも解消にも応用できる!ストレッチの科学的根拠!

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