筋肉を合成するためには、どの程度のタンパク質が必要でしょうか。

タンパク質補給のための基礎知識

タンパク質を摂取する必要性

人の組織(皮膚、髪、筋肉、内臓、血管、ホルモンなど)は、すべてタンパク質で構成されています。
口から摂取したタンパク質はアミノ酸に分解され、DNAの設計図に従いタンパク質に再合成されて機能します。
アミノ酸の行き先は主に筋肉であり、タンパク質摂取は必須となります。

タンパク質摂取必要量

厚生労働省の資料によると、20代以上のタンパク質の平均的な必要量は推奨として60gとしています。
これは体重60kgとすれば体重1kgに対して0.8〜1gのタンパク質が必要ということになります。
ただし、この数値は身体活動レベルが「ふつう」の場合(デスクワーク中心だが時に立って活動したり軽い運動をする程度)の話になります。
「ふつう」レベルの身体活動量では、1日60gなので、1食20gのタンパク質摂取が必要となります。

運動やスポーツとタンパク質摂取量

アメリカスポーツ医学会のガイドラインでは、運動やスポーツをする場合、体重1kgに対して1日1.2〜2gとされています。
カロリー制限をしている時には、食事から摂る脂肪を減らしているため、体重1kgにつき2gが望ましくなります。
怪我をしているときも同様の数値です。
体重60kgとすれば1日120gになります。
筋力トレーニングを行うのであれば、体重1kgにつき最低1.2g、理想は1.4kgを摂取することが望ましくなります。
理想の数値を用いると、体重60kgでは1日84g、1食28gとなります。

タンパク質摂取と運動のタイミング

タンパク質が完全に消化吸収まするまでは、食後3〜4時間かかります。
この時間を待って運動を行うことは現実的ではないため、消化吸収が始まる時間帯に運動を行うことが大切になります。
血中アミノ酸濃度が高まるのは食後30〜40分後とされており、45分から1時間でさらに高まるとされています。
そのため、この時間で運動するのが理想的とされています。

タンパク質の小分け摂取はNG

筋タンパクの合成に関連するBCAA(アミノ酸の一種)の「ロイシン」は、摂取するタンパク質が多いほど血中濃度が上がることが知られています。
そのため小分けにしてタンパク質を摂ると血中濃度が上がりません。

ベジタリアンとタンパク質

ベジタリアンでも小麦タンパク(ウィートプロテイン)を摂取することで筋タンパクの合成が可能です。
高齢者では60gの小麦タンパクを摂取することで筋合成が有意に向上したとの報告があるようです。

タンパク質抜きの食事

筋肉は、1日1%のペースでリモデリング(筋肉の入れ替え)が行われます。
これは3ヶ月強、アスリートでは2ヶ月程度です。
このようなペースで筋肉は総入れ替えが起こるため、タンパク質を抜く食事は問題があります。

植物性と動物性タンパク質

植物性タンパク質で有名な食品に大豆があります。
大豆はアミノ酸スコアが100であり、優秀なタンパク源といえます。
アミノ酸スコアは、体内で合成できない9種類のアミノ酸が基準値を満たしているかの値です。
豆腐、納豆、豆乳などは、アミノ酸スコア100であり、タンパク質摂取にはベストな食品と言えます。