脳卒中片麻痺者が完全回復する割合はかなり低いとされています。かなり軽度の方においても、どこか運動がぎこちなかったり、スムーズさに欠けたり、両手を使う動きが行いづらかったりします。今回、脳卒中片麻痺者の完全回復のポイントとして、左右の分離運動の導入方法についてまとめていきたいと思います。

脳卒中片麻痺者の完全回復のポイント!左右の分離運動を多く取り入れよう!

脳卒中片麻痺者の運動の特徴

脳卒中片麻痺者では、筋緊張の問題、共同運動の問題、連合反応の問題などが絡みあって、正常動作から逸脱した運動が生じます。
軽度の片麻痺者であれば、共同運動から分離して、各関節を独立して動かすことはできるかもしれませんが、筋緊張の問題や連合反応の問題は少し残り、特に難しく複雑な課題場面においては努力的になってしまうこともあるかもしれません。

脳卒中片麻痺者のリハビリテーションにおいては、運動麻痺がある側の腕を動かす機会は多いですが、両方の腕を同時に使用するような場面を練習する機会は少ないことがあるかもしれません。
中等度から軽度の片麻痺者であれば積極的に両手動作を練習することで、完全回復に近づくことができると考えられます。
両手動作の重要性については以下の記事を参照してください。
脳卒中片麻痺者の回復を促すリハビリ・自主トレ!両手動作の練習が絶対に大事!
ニューロリハビリテーションと両手動作-半球間抑制の視点から-

 

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左右の分離運動はどのような場面で必要なのか

左右の分離運動は、実は日常生活のさまざまな場面で用いられています。
ご飯を食べるときのお茶碗とお箸の関係性、コップで蛇口から水を入れるときの関係性など、が挙げられます。
このときには、両手は別々の動作を行っており、注意力も左右の手に分散しておく必要があり、かなり高度な能力を発揮している状態といえるのです。
日常生活の中で別々に両手を使えるのは最終目標になりますが、それまでの過程で自主練習としてできる両手動作として、道具を用いないものを紹介していきたいと思います。

 

左右の分離運動を促す自主トレーニング方法

①茶壺遊び

これは、どの世代の方までが知っているのかはわかりませんが、手遊びとしては有名です。

「茶茶壺茶壺 茶壺にゃ蓋がない 底とって蓋にしよ」のリズムに合わせて両手を別々の動きに変えていきます。
一方の手は総握り(全指屈曲)、もう一方の手は全指伸展でパーを作ります。
グーの上にパーを上下に被せていくのですが、下図のように順番に行っていきます。

この運動では、指の動きに加えて、前腕の回内外も加わる運動となります。

難易度を調整するのは、歌を早くすれば運動切り替えのタイミングがかなり早まるので難しさが格段に上がります。

 

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②ピストルと的

この運動はかなり複雑なものとなるため、対象になるのは軽度の片麻痺者になると思います。
これはテレビ番組の「ガキ使」で行われていたものなのですが、これを見た瞬間なんと複雑な左右の分離運動なんだろうと感動してしまいました。

方法としては、一方の手でピストルを、もう一方の手でOKサイン(的)を作ります。
順番に左右の手を入れ替えていきます。

この運動ですが、ピストルを作ることだけでもかなり複雑な運動であり、片方の手指のみの分離運動の練習としても最適かと思われます。

この運動においても、難易度調整は切り替えのタイミングを早めることにあります。

③指回し

この運動は、認知症予防でも取り上げられていたように思います。

まず、両手の指先の腹どうしを接触させます。
親指を離し、くるくると回していきます。
そこから人差し指から小指までの運動を行っていきます。
下図では中指をぐるぐると動かしています。

反対回しを行うことで、また違った運動制御を学習することが可能です。

両手動作は手や指の運動だけではない

両手動作を考える場合、手や指の動きだけではありません。

例えば、右腕を上に挙げてください。そして、左腕は真横に挙げてください。
この動きだけでも、両方の腕は異なる動きをしていることがわかります。
上肢は肩、肘、手首、指から構成されており、それぞれが様々な組み合わせで運動することにより複雑な課題を遂行することができます。

そのため、自主トレーニングにおいては手や指だけでなく、上肢全体を使って左右の分離運動を行えるようにすることが完全回復の近道になると考えています。

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