手指の痛み解消法として、筋肉別トリガーポイントのほぐし方、緩め方についてまとめていきたいと思います。
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目次
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背側骨間筋は、手の4つの中手骨の甲側にあり、4つの小筋からなっています。
手の甲から筋に触れることが可能で、人差し指、薬指と小指を中指から離し、中指を単独で左右に動かす作用があります。
出典:痛みの臨床に役立つ手技療法ASTR
背側骨間筋が緊張すると各指に痛みが広がり指がこわばったり、力の入りにくさ、指の動きのぎこちなさなどを引き起こすことがあります。
この筋は中手骨の間にも走行しているため、神経が圧迫されるとしびれの原因にもなりえます。
人差し指と親指の間にある分厚い第一背側骨間筋に緊張や硬さがあると、広い範囲に痛みを送ることがあり、手のひら、手の甲、小指、人差し指に痛みが広がります。
書字動作の際、中指の付け根や指先の方に痛みがある場合には、人差し指と中指の中手骨間の第二背側骨間筋の緊張や硬さを疑います。
この筋は、ペンをつまむ際に中指を親指に押し付ける動きを補助する筋になります。
書痙(字を書く際に、手が震えたり痛みがあったりして字がうまく書けない状態)の治療には、親指に関連する筋と第一背側骨間筋が原因であることが多いです。
へバーデン結節(指の変形性関節症:人差し指から小指にかけて第1関節が腫れたり、曲がったりし、痛みを伴うことがある。第1関節の動きも悪くなり、痛みのために強く握ることが困難になる)
では、骨間筋に問題があることが多く、骨間筋を治療することで痛みが軽減できることがあります。
骨間筋の過負荷でストレスが強くかかっていると、関節炎に向かわせてしまう原因にもなります。
背側骨間筋は仕事やスポーツなどで繰り返し強く握る動きを繰り返し行うと負荷がかかってしまいやすいです。
ヴァイオリン、ギター演奏など指をかなり広げなければならないような場合にもストレスがかかりやすくなります。
パソコンのマウスを人差し指でクリックすると第一背側骨間筋に負荷がかかりやすくなります。
右の背側骨間筋の場合
①右の指の付け根(MP関節)を伸ばします。
②左手で右の背側骨間筋に押圧を加えて手前に引き寄せます。
③右の指の付け根(MP関節)を曲げます。
この方法で、親指と人差し指の間、人差し指と中指の間、中指と薬指の間、薬指と小指の間にある背側骨間筋を緩めていきます。
痛い手首と親指をがっちり支える手首サポーター
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長母指屈筋は橈骨骨間部の前面、前腕の骨間膜から始まり、母指の末節骨につきます。
長母指屈筋は前腕の手のひら側にある筋肉の中でも深層に位置しており、筋腹は橈骨側に位置しています。
長母指屈筋は親指のIP関節(第一関節)を曲げる作用を持ち、また筋肉がついている位置により、MP関節(第二関節)、手首を曲げる作用をもちます。
長母指屈筋は、手首を曲げている状態だとその働きは失われます。
長母指屈筋は強い握力を発揮するために必要な筋となっています。
①手のひらを上に向け、親指の第一関節のみ曲げるように動かします。
その動きに伴い、長母指屈筋腱が動いているのを確認していきます。
②手首付近で長母指屈筋を触れるために、指を橈骨の手のひら側に当て、長母指屈筋の筋収縮に伴い指が押し上げられていく事を確認していきます。
長母指屈筋に過緊張や硬さがあると、親指の末端部に痛みが広がります。
痛みがあまりなくても握力低下の原因となり、書字においての筆圧低下などにつながります。
それが文字を書く際に不器用になったと感じる要因にもなります。また親を曲げる際に関節の動きにくさやひっかかるような感覚を覚えることがあります。
長母指屈筋の筋の走行は橈骨の手首付近から肘付近までと筋繊維が長く、筋の硬さや過緊張部位を複数の場所で感じることがあるかもしれません。
長母指屈筋が緊張する原因としては、親指を力強く握るために使う作業などで過剰な負担がかかりやすくなります。
握力低下の原因筋となる部位なので、そのような作業をしている方日頃からのケアが必要になります。
右長母指屈筋の場合
①手首、親指を曲げます
②長母指屈筋に押圧を加え、近位(肘方向)、遠位(手首方向)に引き寄せ保持します。
③手首、親指を伸ばします。
筋の緊張や硬さが肘側であれば肘の動きを中心に行い、手首側であれば指の動きを中心にして行うと効果的です。
手首を伸ばす際に、前腕を回外(手のひらを上にする)しながら行うとより強力にストレッチできます。
筋肉が短縮(縮んでいて伸びが足りない状態)しているのであれば、筋を横方向に引き、その方向と反対側に前腕を回すことでより強力なストレッチが可能です。
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親指を動かす筋には4つの筋肉がありますが、そのうち3つの筋肉(短母指屈筋、短母指外転筋、母子対立筋)が親指の付け根の膨らみ(母指球)を形成しています。
母指対立筋は短母指屈筋と短母指外転筋に覆われており、この3つの筋肉の硬さの原因となる位置は、全て一致していることが多いです。
また、痛みを送る部位も似ている点が多くあります。
母指対立筋は母指内転筋よりも手首側に位置しています。
母指対立筋は親指を他の指に向かって動かす働きがあります。
母指球(親指の付け根のふくらみ部分)にあります。
指を対立位(親指を他の4つの指に近づける)にすると母指球が膨らむのを確認できます。
その周辺を指で押圧すると、筋肉に緊張や硬さがあると痛みを感じる場所があるかもしれません。
母指対立筋が緊張すると、手首の親指側や親指の側面にも痛みを感じることがあります。
このような症状が出るため、手首を痛めたような感じがしたりします。
また親指側面の痛みはハサミを使用する際に親指に力が入りづらくなっているようにも感じさせます。
書字動作においいても書きにくくなったり、指の繊細で細やかな動きにも影響が出る可能性が考えられます。
母指対立筋が緊張する原因としては、裁縫、草刈り、書字、楽器演奏、手作業が多い仕事など、親指をよく使用する職業において過度に負担がかかりやすくなります。
右母指対立筋の場合
①右の親指を小指側に向かうように引き寄せます。
②母指対立筋に押すように力を加えながら、反対側に引いて保持します。
③親指を元の位置へ引き離します。
回数の規定は特にありません。
痛みの軽減を確認しながら行い、楽になったと感じれば、普段痛みが出やすい作業において痛みが出ないかの確認を行ってください。
手の指は生活する上では使用する頻度の高い部位なので、普段から無理な負担はかけないように注意する必要があります。
母指対立筋を押してマッサージするような方法もありますが、筋肉にストレッチをかけながらほぐすという意味でも上記の様な方法行う方が効果は上がると考えています。
普段から予防的に行うことも痛みの再発を防ぐ手段としてはオススメです。
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母指内転筋は、手の第一、第三中手骨から母指の中手指節関節(MP関節)に位置しており、親指を内転(手の内側に動かす)させる働きがあります。
母指内転筋を探すには、母指内転筋に反対側の指を置き、人差し指の付け根(側面)に対して親指を押しつけるように内側に動かすことでその収縮を確認できます。
母指内転筋が異常に緊張していたり硬くなったりしていると、親指の付け根に痛みが発生することがあります。
また第一中手骨から舟状骨の手の甲側にも痛みを感じることがあります。
関連痛として、痛みは斜角筋や上腕金、長橈側手根伸筋、回外筋、腕橈骨筋などにも痛みが広がることがあります。
筋肉の位置は手のひら側にあるのですが、痛みは手の甲側にも及ぶことがあるため、原因となる筋肉の緊張、硬さを見逃してしまうこともあります。
趣味や仕事などで手作業が多い方(特に裁縫などで親指をよく使用するなど)は、母指内転筋に習慣的に負担がかかりやすく、過緊張や硬さの原因となりやすいです。
またこのような方々は親指の開きが小さい方が多いです。このような方が手の甲側の親指の付け根、手首周辺などに痛みを感じているのであれば母指内転筋をターゲットとして考えてよいと思います。
右の母指内転筋の場合
①右の親指を内転(人差し指の付け根に対して親指を押しつける)させます。
②母指内転筋に押さえ、手の中心側に引き寄せ保持します。
③右の親指を外転(外に開く)させます。
母指内転筋の停止部(親指の付け根側)を押さえる際に、上手く押さえきれないことがあります。
そのような場合、押さえたいポイント上の皮膚をつまむことにより、筋肉のストレッチが可能です。
回数に関しては特に規定はありませんが、痛みの軽減を確認しながら行って下さい。
水かき部分周辺の母指内転筋を押さえてマッサージするような方法もありますが、筋肉にストレッチをかけながらほぐすという観点からすると、上記のような方法が望ましいと考えています。
筋肉がストレッチされることにより本来あるべきはずの筋肉の長さが保たれ、関節の動く範囲が大きくなったり、筋力が発揮されやすくなると思われます。
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深指屈筋は尺骨内側面、前腕骨間膜から始まり、人差し指から小指までの末節骨底(指の第1関節)についています。
深指屈筋は前腕の手のひら側にある屈筋群の深いところに位置しており、筋腹はほぼ尺骨側についています。
前腕の中央部では皮膚の下すぐの所で触れることも可能です。
深指屈筋はDIP関節(指の第一関節)を屈曲させることができる唯一の筋肉であり、筋肉のついている位置によりPIP関節(指の第2関節)やMP関節(指の付け根の関節)の屈曲、手関節の屈曲にも作用します。
浅指屈筋と異なり、一般的に人差し指以外の指は独立して筋肉を動かすことが難しくなっています。
人差し指、中指に向かう深指屈筋は正中神経支配で、薬指、小指に向かう深指屈筋は尺骨神経支配となっています。
①MP関節(指の付け根の関節)、PIP関節(指の第2関節)は動かないようにし、DIP関節(指の第1関節)を屈曲させます。
その時に曲げた指のすぐ下の骨(中節骨)に触れると深指屈筋腱が動くのを確認できます。
②深指屈筋の筋腹に触れるには、人差し指であれば前腕の中央付近でDIP関節の屈曲に伴う筋収縮に触れます。
他の指であれば順に尺側(小指側に)触れていきます。
触れる指をやや強めに押し当てることで、深い所から盛り上げてくるような筋収縮を感じやすくなります。
深指屈筋の一番尺側は、皮膚のすぐ下に筋腹を触れることが可能であり、尺骨の骨幹部尺側の縁に指を当てると触れやすくなります。
浅指屈筋と同様の痛みを感じます。指の前面に痛みを感じることがあります。
これは関節の炎症や手根管症候群と誤解されてしまうこともあります。
浅指屈筋と同様の原因となります。
テニスやゴルフ、長時間の運転などで強く握る動きを習慣的に続けていると負荷がかかりやすくなってしまいます。
また畑作業などで固いものをハサミで切るといった場合にも過負荷になってしまい、緊張を強めてしまいます。
右深指屈筋の場合
①右の肘、手首、指を曲げます
②深指屈筋に押圧を加え、近位(肘方向)、遠位(手首方向)に引き寄せ保持します。
③右肘、手首、指を伸ばします。
手首を伸ばす際に、前腕を回外(手のひらを上にする)しながら行うとより強力にストレッチできます。
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浅指屈筋は上腕骨内側上顆、尺骨頭、橈骨頭から始まり、人差し指から小指の中手骨底につきます。浅指屈筋は前腕の手のひら側の屈筋群の中では中間層に位置しており、手首付近の浅指屈筋腱は長掌筋のすぐ尺側を通ります。
浅指屈筋はPIP関節(指の第2関節)を屈曲させ、その走行からMP関節(指の付け根の関節)の屈曲や、手関節の屈曲にも関与しています。
上腕骨内側上顆から始まっているため、肘関節の屈曲にも作用します。
人差し指から小指までの筋の束がそれぞれ独立して収縮することが可能であり、各指ごとにPIP関節(指の第2関節)の屈曲が可能です。
浅指屈筋のみの筋力を評価したい知りたい場合には、動かす指以外の3本を伸ばした状態で固定し、深指屈筋の働きを抑えた状態で行うと評価可能です。
①小指、薬指、中指は伸ばした状態で人差し指のPIP関節(指の第2関節)を曲げていきます。
その際に浅指屈筋腱が動くことを触れて確認します。
同様に中指で行うとより明確に浅指屈筋腱の動きが確認できます。
長掌筋腱は浅指屈筋のすぐ親指側の隣に走っていますので、指全体をつまむように動かすとその動きを確認できます。
②その後浅指屈筋腱の動きを確認しながら肘の方向へと触っていきます。
正しく触れることができれば橈骨側(親指側)に向かっていきます。
指を中指→小指へと変えていくと、浅指屈筋の全体像が把握できます。
浅指屈筋が緊張したり、硬くなったりすると、指の前面に痛みを感じることがあります。
これは関節の炎症や手根管症候群と誤解されてしまうこともあります。
浅指屈筋が緊張する原因としては、テニスやゴルフ、長時間の運転などで強く握る動きを習慣的に続けていると負荷がかかりやすくなってしまいます。
また畑作業などで固いものをハサミで切るといった場合にも過負荷になってしまい、緊張を強めてしまいます。
右浅指屈筋の場合
①右の肘、手首、指を曲げます
②浅指屈筋に押圧を加え、近位(肘方向)、遠位(手首方向)に引き寄せ保持します。
③右肘、手首、指を伸ばします。
筋の緊張や硬さが肘側であれば肘の動きを中心に行い、手首側であれば指の動きを中心にして行うと効果的です。
手首を伸ばす際に、前腕を回外(手のひらを上にする)しながら行うとより強力にストレッチできます。
筋肉が短縮(縮んでいて伸びが足りない状態)しているのであれば、筋を横方向に引き、その方向と反対側に前腕を回すことでより強力なストレッチが可能です。
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