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脳卒中や認知症と自動車運転!評価やリハに向け知っておきたいこと!!

脳卒中や認知症などと自動車運転における、評価からリハビリテーションについてまとめていきたいと思います。

目次

脳卒中や認知症と自動車運転!評価やリハに向け知っておきたいこと!

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引用・参考文献

竹原 格・他「脳卒中患者の自動車運転再開」リハビリテーション医学 Vol.50 No.2 2013

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013

武原 格「運転に求められる身体機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月

藤田 佳男ら 「自動車教習所と医療・福祉分野の連携に必要な基礎知識」地域リハ 10(10):712-716 2015

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脳卒中障害者の自動車運転再開と医師診断書

自動車運転再開までの流れ

脳卒中は、自動車運転免許の拒否や保留になる病気のなかのひとつに数えられています。

現在免許の拒否又は保留の事由となる病気等のうち、道路交通法第90条第1項第1号ハでは、「自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれのある症状を呈する病気」と記載されている。

そして実際の運用には、警察庁交通免許課で「一定の病気に係る免許の可否等の運用基準」が定められ、その中に脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作等)が含まれている。

竹原 格・他「脳卒中患者の自動車運転再開」リハビリテーション医学 Vol.50 No.2 2013 P100

このことから、自動車運転の再開に向けては臨時適性検査を受ける必要があります。

また「一定の病気」には脳卒中の他にも、統合失調症、そううつ病、その他精神障害、てんかん、再発性の失神、無自覚性の低血糖、重度の眠気を呈する睡眠障害、認知症、アルコール依存症などが含まれます。

また免許更新時には下図の記載提出義務づけられている質問票で、1つ以上「はい」に該当する場合も適性相談の対象になります。

出典:和歌山県警察 「運転適性相談について」質問票(

http://www.police.pref.wakayama.lg.jp/traffic/untentekiseisoudan/shitsumonhyou.pdf

 

適性検査の結果により、条件変更なし、条件変更、不適格に分けられます。条件変更では決められた条件に合わせて自動車の改造を実施し、運転再開となり、不適格では免許停止あるいは取り消しとなります。

臨時適性検査受検に向けては、医師の診断書が必要になります(求められます)。

診断書は都道府県により形式や文面に差があります。

診断書には脳卒中関係、認知症関係、てんかん関係、不整脈関係など様々なものがあります。

医学的診断書記載について、

診断書を記載する歳、問題となるのは、「現時点での病状についての意見」であろう。

日本語の文章として理解することも困難であり、発作とは何をさしているのか、どの程度なら運転を控えなくてよいのかなどを判断が困難な場合も少なくない。

また、運転許可の判断を6ヶ月以内に限定しているため、失語症や高次脳機能障害など緩やかに改善する障害では、病気の発症と免許更新が近い場合に免許更新を許可すべきか判断に苦慮することもある。

竹原 格・他「脳卒中患者の自動車運転再開」リハビリテーション医学 Vol.50 No.2 2013 P100

 

自動車運転再開と医学的管理、身体機能・失語症

脳卒中患者で、特に高齢となると複数の合併症も持ち合わせていることも多く、複数の薬剤を内服していることがあります(糖尿病、高血圧など)。

他にも不整脈や不眠、てんかんなども持ち合わせていることもあり、医学的コントロールが必要になります。

自動車運転中の突然死の原因として虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病が多かったと報告されている。

高血圧、糖尿病は脳血管疾患発症の大きな危険因子であり、糖尿病は意識消失を伴う低血糖発作を生じる危険性もあるため、特に適切な管理が必要とされる。

竹原 格・他「脳卒中患者の自動車運転再開」リハビリテーション医学 Vol.50 No.2 2013 P100

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身体機能面では、片手しか動かなくても自動車を改造すれば運転可能となります。

歩行に関しては杖や装具を使用し屋外で自立レベルで行う必要があるとの報告があるようです。

右片麻痺の場合、左上下肢で操作できるようにする改造が必要になります。

具体的には、ブレーキペダルの左側にアクセルペダルを設置し、ウインカー操作も左側に設置します。

痙縮が強い場合、痙縮をコントロールできるようにするか、改造により左下肢でペダル操作できるようにする必要があります。

右片麻痺で感覚障害、なかでも重度の深部感覚障害がある場合、ペダルの位置や踏み込み感覚が把握できないため、視覚での代償で下方を見てしまうことがあり、前方不注意で事故の原因となることがあります。

そのため、感覚障害がある方では左上下肢での操作に切り替える必要があります。

失語症では、道路標識や交通規則の理解や、事故が発生した場合などに、状況が説明できる能力が必要になります。

近年ドライブレコーダーを使用することも増えてきており、映像として記録を残していると、状況説明への一助となることが考えられます。

一定の病気により免許取り消し処分を受けた方の再取得

一定の病気を理由に免許取消処分となった方は、取消期間満了後で、取消の理由となった病気が回復した場合には、免許を取り消された日から3年以内であれば、学科試験や技能試験が免除されます(適性試験のみで再取得)。

この場合には、取消を受けていた期間と、再取得した期間は継続しているものとみなされ、例えば取消前にゴールド免許だった場合、そのままゴールド免許が継続されることになります。

なお、再取得を行う前には必ず医師の診断書が必要となり、70歳以上の方では、再取得の手続きの前に高齢者講習の受講が必要となります。

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自動車運転に必要な高次脳機能

先行研究家における自動車運転に必要な脳機能

先行研究として、ロンドン市内をジョイスティックで走る課題をfMRIで調べたものによると、

運転準備には、前頭前野、頭頂葉、小脳が、予期せぬ状況では、後頭葉外側、頭頂葉、島が、プランには上頭頂葉、後頭葉外側、小脳、前補足運動野が、交通規則にの遂行には右前頭前野が関連すると述べ、交通規則の遂行という限られた状況について前頭前野における右側の優位性を報告した。

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013

とあります。

しかし、この結果は実際の運転場面とは異なるという課題はあります。

またfMRIの測定で、ボタン操作による運転ゲームでスピードを上げると前帯状回の活動が特異的に変化したとの報告があります。

前帯状回は注意機能における反応選択・反応抑制や誤差のモニタリングの役割を遂行すると言われている部位です。

 

ドライビングシュミレーターを用いた研究における自動車運転に必要な脳機能

ドライビングシュミレーターを用いた研究によると、健常者では、

直線から右回りへの運転では、右前頭葉、右頭頂葉、右側頭葉、左側頭葉の活動が、直線から左回りへの運転では、右前頭葉、右頭頂葉、右側頭葉、左側頭葉に加えて、左前頭葉、左頭頂葉の活動が優位に上昇した。

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013 P94

とあります。

このことから、自動車運転には特に左右前頭葉、右頭頂葉、左頭頂葉の役割が重要であったといえます。

自動車運転に関する脳神経活動

自動車運転における概念的モデルとして、

運転の全体を統括する知的レベル(どこに、どのうような道順で、いつ出発し、いつ頃到着するのか、天候や渋滞の影響を考えた場合の運転計画等)(strategic level)、ついで、運転中に行う安全性に配慮する認知レベル(tactical level)(走行場所に合わせたスピードや車間距離の調整、視界が暗い場合のライトの点灯等)、そして、基本的な運転技術に関する認知レベル(operational level)(アクセル、ブレーキ操作、ハンドリング等の行動)

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013 P96

が挙げられます。

strategic levelでは、運転の目的から運転の計画を立案し、実行するまでの認知機能を指します。

運転中には様々な状況が予測でき、それに対するプランを挙げ、その中から適切なものを選択し、判断していくことが必要になります。

左右の前頭前野を主体とする遂行機能が動員される。

またこのレベルでは、運転の安全性に対する自己責任の自覚と自己の運転能力の限界を自覚するメタ認知を含む。

このレベルは、通常のドライビングシュミレーターでの評価は難しい。

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013 P96

tactical level、operational levelでは、変化する運転状況に対する認知と反応が求められます。

時間的要素も関与することから、情報処理速度が求められます。

また危険予知や感情のコントロールも重要であり、主に前頭前野の背外側や眼窩面の機能が関与します。

運転には主に視覚の重要性がいわれますが、これは走行車線をはみ出さず、前方車両と一定の距離を保つことや、車線変更などに関与する視空間能力、建物や他車と自車との距離感、車庫入れ時のバックミラーに逆に映る空間の認知には右角回を中心とする市空間能力が重要となります。

左右の頭頂葉は方向性注意に関与しており、右角回を中心とする病巣で左半側無視が顕著となります。

左角回病変であっても、運転という複雑な課題においては、右への注意が低下し、反応時間が低下することがあります。

また、

運転は連続する動作であることから、視覚性ワーキングメモリを常に要し、主に右前頭前野の関与が想定される。

そして、実際の運転操作に向け、視覚情報の運動への変換という過程を含む。そのためには、後頭葉ー頭頂葉ー前頭葉(前頭前野)のネットワークを要する。

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013 P97

とあります。

自動車運転と注意機能

運転では一定時間の注意機能で維持される必要があります。

歩行者や信号機などの特定の刺激に注意するとともに、広告などの運転に関連しない不必要な刺激は消去し(選択性注意)、また新たな刺激に対し、注意を向きなおす、あるいは同時に注意を向ける(分配性注意)、これらの操作を休むことなく継続する(持続性注意)能力が求められる。こうした注意機構は、Supervisitory Attentional Control(SAC)と称され、首座は前頭前野にあるとされている。

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013 P97-98

ハンドル、ブレーキ、アクセル操作に関連するものとして、

下肢と左右上肢の協調性および操作方法の記憶(手続き記憶)が必要となる。

両手の協調動作には、「拮抗失行」の責任病巣とされる帯状回等の前頭葉内側面の関与が、左手の意図的動作には大脳半球間の離断による「左手の失行」にみられるように、脳梁および帯状回の関与が、また、操作そのものの手順に関する記憶を運動に移す過程では「観念運動失行」にみられるように、左頭頂小葉周辺の関与が想定される。

渡邉 修・他 「総論・運転中の脳機能画像」 リハビリテーション医学Vol.50 No.2 2013 P98

運転中に必要とされる主な脳葉と役割のまとめ

左前頭葉では①全般性注意と集中②推定、判断、予知③新規課題の学習に関与しています。

右前頭葉では①全般性注意と集中②推定、判断、予知③新規課題の学習④視覚情報に関するワーキングメモリに関与しています。

左頭頂葉では①道具の操作②論理的思考に関与しています。

右頭頂葉では①全般性方向性注意②空間情報処理③視覚情報に関するワーキングメモリに関与しています。

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自動車運転再開に必要と考えられる身体機能

一種免許取得に必要な身体機能

運転免許の更新・取得には、視力、色彩識別能力、聴力、運動能力が求められます。

視力は両眼で0.7以上、かつ一眼でそれぞれ0.3以上となっており、一眼の視力が0.3未満または一眼が見えない場合、他眼の視野150°以上で視力0.7以上であることが必要です。

色彩識別能力では赤、青、黄色の識別が必要です。

聴力では両耳の聴力(補聴器使用含む)が10mの距離で90dBの警音器の音が聞こえる必要があります。

補聴器使用しても基準未満の者、補聴器使用により基準に達した人が補聴器なしで運転したい場合、臨時適性検査で適正確認後、安全教育を受けた上で、普通車運転の場合ワイドミラー装着と聴覚障害者マークが必要になります。

運動能力については、運転に支障を及ぼすおそれのある四肢体幹の障害がないことが必要です。

 

体幹機能の障害などがあって腰をかけていることができない場合、四肢の全部を失った場合または四肢の用を全廃した場合、その他自動車の安全な運転に必要な認知または捜査のいずれかの能力を欠くことによる身体の障害があるものは6ヶ月以内の免許効力の停止または免許の取り消しとなる。

武原 格「運転に求められる身体機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

また、状態に応じた補助手段を使用すれば運転に支障をおよぼすおそれがないと認められることが必要です。

自動車運転再開と運動機能・ADL

運動機能については、脳卒中後短下肢装具着用しても独歩可能なことが必要との報告や、上肢が補助手・廃用手でも歩行が屋外歩行自立していたとの報告があります。

運動麻痺や感覚障害が重度でも独歩可能で認知症がなく、著明な高次脳機能障害がなければ運転再開の可能性が高いとの報告があります。

このことから、上肢運動麻痺はBrs-stageⅠ〜Ⅱでも問題なくといえますが、運転再開には旋回装置の装着が必要です。

下肢はBrs-stageⅢ以上必要です。

武原らの報告では、運転再開可能と判断した者のなかで、1年以上経過して実際に運転再開しているかの調査では、運転を再開している者では麻痺の障害が軽度であり、機能障害が重度であることが運転再開を躊躇させる要因の一つの可能性だとしています。

右麻痺の者では左足でアクセル、ブレーキ操作できるよう改造し、ウインカーも左手で操作できるようにするなどの改造が必要となります。

ADLに関しては、武原らはFIMにて歩行、認知項目5項目すべてが6以上あれば運転再開を考慮できるとしています。

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自動車運転再開と失語症

失語症者でも、道路標識や交通規則の理解は当然必要で、交通事故などのアクシデントが発生した際に、状況説明できる能力が必要です。

代償手段として、健常者が同乗したり、ドライブレコーダーの使用が検討されます。

武原らは、MMSEが25点以上あれば運転再開を考慮できるとしています。

自動車運転再開と視野障害

一眼が見えない場合のみ法律上問題となる。

しかし、脳損傷患者では、視放線にかかる病巣や、後頭葉の病巣などで視野欠損が出現するが、一眼がまったく見えなくなったわけではないため、法律的基準からは外れる。

武原 格「運転に求められる身体機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

このようにありますが、視野障害の存在は交通事故との関連性は高く、事故率が高くなるとの報告があります。

有効視野が交通事故率と最も関係性が高いですが、どの程度の有効視野で事故率がどの程度という報告はありません。

両眼複視の場合、片目であれば複視を生じないことになりますが、これは法律と照らし合わせると一眼が見えないことに相当すると思われ、前途したように他眼の視野が左右150°以上、視力0.7以上で運転再開の可能性があります。

しかしながら、安全性を考慮すると再開が正しいかどうかは言い切れません。

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自動車運転再開と認知機能

運転行動の時間的階層モデル

谷田らは、運転行動の時間的階層モデルを使用し、運転行動を説明しています。

運転行動を上位から順に戦略レベル(運転目的と行程の計画、到着の予測)、戦術レベル(時刻、場所などの行程のモニタリング)、行動レベル(車線・車間の維持、追い越しの実施など)、操作レベル(ハンドル、ブレーキなどの操作)、運動感覚・知覚レベル(速度の判断、前者との距離間などの情報の統合)に分けられ、運転者はそれぞれのレベルに必要な注意を配分することにより、適切な運転につながります。一方、注意の配分が不十分であればリスクが高まります。

有効視野と認知機能低下

有効視野は認知機能の側面が強いとされており、機能低下が自覚されづらいと言われています。

有効視野とは、ある視覚課題の遂行中に注視点の周りで情報が瞬間的に蓄えられ、読み出される部分であると定義されている。

有効視野には個人差があり、加齢によって縮小するが、処理すべき情報の複雑さなどの課題要件によってその大きさや反応時間は変化する。

藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

有効視野の指標は事故の予測力が高いとされています。

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記憶、見当識

記憶機能では、軽度のエピソード記憶低下や見当識低下であれば運転自体は可能であることが多くあります。

前途した戦略レベルにおいては影響が大きく、目的地への到着(目的地を忘れるなど)、非常時の適切な対応が取れないなどの問題は生じる可能性があります。

遂行機能

遂行機能障害の中で、計画立案や目標に向かって効率よく、適切な行動をとること(ゴール指向的)が困難であれば、戦略レベルにおいて正しく効率的な道順で走行できない、状況に応じた臨機応変な対応が困難などが生じる可能性があります。

一方で、慣れた道のりのみの利用や、予想外の出来事の発生が低い交通環境(信号や交差点が少ないなど)では問題は生じにくいと思われます。

行動、情動

易怒性や自己抑制が行えない場合、また自己洞察(現状の認識など)が行えない場合であれば、事故につながる可能性が高くなると思われます。

自動車の運転は社会的行動であり、車を通したコミュニケーション活動でもある。警察や教習所で用いられている警察庁方式K型運転適性検査でも、事故惹起者は「衝動抑止性」が高い者が多いとされている。

藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

このことからも、運転場面だけでなく、日常生活上で易怒性や自己抑制が行えていない場面はないかを把握する必要があります。

また、運転の話題において自己洞察に欠けることはないか、それは日常生活上ではどうかという視点も必要です。

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自動車運転再開と注意機能

認知機能と運転

自動車運転と認知機能の関連について、

交通環境から必要な情報を取捨選択し取り込む能力、取り組んだ情報を評価する能力、評価結果から起きうる事態を予測する能力、それらの情報から最適な行動を決定する能力、許容される速さで正確に必要な操作を行う能力などが必要であると考えられる。

藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

とあります。

運転における判断の過程では運転経験による違いがみられ、例えば交差点での左折時のウインカー操作は初心者にとって意識的な活動となります。

一方、熟練者にとってはこの操作は無意識に行われる活動です。

運転が意識的に行われる比率が高ければ運転は緊張感や疲労を伴います。

また、無意識レベルの比率が高すぎても居眠り運転などへの影響が考えられます。

運転行動の時間的階層モデルでは、運転行動を上位から順に戦略レベル(運転目的と行程の計画、到着の予測)、戦術レベル(時刻、場所などの行程のモニタリング)、行動レベル(車線・車間の維持、追い越しの実施など)、操作レベル(ハンドル、ブレーキなどの操作)、運動感覚・知覚レベル(速度の判断、前者との距離間などの情報の統合)に分けられ、運転者はそれぞれのレベルに必要な注意を配分することにより、適切な運転につながります。

一方、注意の配分が不十分であればリスクが高まります。

運転と注意機能

自動車運転に必要な注意機能の特徴として、

まず覚度または焦点的注意および持続性注意が一定のレベルに保たれている必要がある。

次に、選択的注意のレベルで低下があると、ラジオなどの運転に関係のない刺激に注意を向けてしまい、道路上の危険を見逃す可能性もある。

また、渋滞などの混雑した場面で、重要な対象物に注意を向けられない結果、見落としが増える。
次に、運転は常に周囲に気を配る必要がある作業であり、交代性注意がスムーズでなければ、予想外の事態に素早く対応することは困難であろう。

さらに、一定の分割的注意機能により適切に注意を振り分けることが必要である。

藤田 佳男ら「自動車運転にかかわる認知機能」総合リハ 第45巻4号 2017年4月号

とあります。

自動車運転に必要な視覚情報においては、視野全体を「狭く深く」「広く浅く」みることを連続的に、適切にその配分を変える能力が要求されます。

運転初心者では運転操作を十分に習熟しておらず、緊張などが原因で注意を分割できず、周囲の状況に注意を配分せずに運転を行う傾向があります。

注意には、自己の意識により特定の対象に注意を向ける機能(トップダウン制御)と自己では意識せずとも自動的に注意を向ける機能(ボトムアップ制御)があります。

交差点や横断歩道ではある程度の危険性を経験や知識から予測できるため、トップダウン制御がなされますが、慣れない道路状況などにおいて、予想外に発生する事(飛び出しなど)ではボトムアップ制御がなされます。

自動車運転では、このような注意機能が複雑に処理されているため、実際の交通場面でどのような行動をとるか(安全確認、減速など)、またその自覚を確認、評価することも大切になります。

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SDSAの概要と評価方法、結果の解釈

SDSAの概要

SDSA(Stroke Driver’s Screening Assessment:脳卒中ドライバーのスクリーニング評価)は、脳卒中者の運転技能を評価するために開発された評価です。

開発されたのは1994年とまだ完成して日が経っていません。

原著版では、実車評価の予測精度が81%であったとされています。

これは、SDSAでのスクリーニング検査を行った後に、実車評価をして81%で予測が当たっているという意味になります。

かなりの予測精度になるので、自動車運転再開に向けての評価としては是非使用しておきたい評価になります。

SDSAは4つの検査項目から構成されています。

これらは、注意機能や、推論を行わなければならず、運転に必要な総合的な認知機能を評価していることになります。

SDSAは自動車運転に対しての評価であり、他の乗り物(バイクなど)を運転する場合には、その予測が当てはまるとは限りません。

 

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SDSAで評価を行う意義

SDSAを用いる意義としては、路上運転評価を行わなくても、セラピストが対象者の運転再開に向けた適正について評価、助言などが行えるということにあります。

対象者は、脳卒中というだけで運転再開ができないということでは納得ができません。

そのときに、このような評価(もちろん、路上評価やシュミレーターによる評価、他の神経心理学検査を行えれば望ましい)を通じて、運転再開に至っても、至らなくても、対象者が納得できるための材料にはなると考えられます。

ただし、このような検査が不十分でも、運転再開に至っている人が20%近くいることを考えると、机上検査だけでは不十分だということも考えられなくはないです。

 

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SDSAはどのような方に適応か

SDSAの対象は、18歳〜80歳とされています。

実施時期ですが、対象者の病状にもよりますが、通常発症後1〜6ヶ月の時点で、路上評価を行うまでに実施することが望ましいといえます。

視野障害や視空間失認、てんかんなどがある方では、検査が十分に行えないことが予測されるため、SDSAによる評価を実施するのは適切ではありません。

SDSAの検査内容

①ドット抹消

3つの点の集まり、4つの点の集まり、5つの点の集まりから、4つの点の集まりを抹消していく課題です。

②方向スクエアマトリックス

トラック、乗用車の進行方向と矢印の向きを合わせる課題です。

③コンパススクエアマトリックス

2つの車の進行方向とコンパスの向きを合わせる課題です。

④道路標識

道路状況にあった標識を選ぶ課題です。

SDSAの採点方法と解釈

SDSAでは、各検査項目の点数から、”合格予測式”と”不合格予測式”にて計算します。

その結果、2つの予測式のうち、値の高い方がSDSAの検査結果として推奨されます。

“合格”では、自動車運転を再開するにあたって、必要な認知機能能力は有しているという解釈になります(ただそ、運転に必要な身体機能については別途評価が必要です)。

”不合格”では、自動車運転を再開するにあたって、必要な認知機能は有していないという解釈になり、安全に運転できる状態ではないということを伝える必要があります。

SDSAはあくまでもスクリーニング検査であり、実際はシミュレーターによる評価、路上評価、他の神経心理学的評価を行った上で、総合的に自動車運転が再開できるかを慎重に判断していく必要があります。

この判断は、最終的には公安委員会の判断であり、医師診断書は公安委員会からの要請に従って作成することになります。

セラピストの役割は医師に、対象者の現状を伝えることにありますから、運転再開に向けてはしっかりと評価を進めていかなければなりません。

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脳卒中者の自動車運転再開と保険金!自身と家族の身を守るために考えておきたいこと!

自動車運転再開と運転に影響を与えうる一定の病気

警察庁は、運転者が病気になった際に、運転に影響を与える疾患として以下のようなものを挙げています(一定の病気に係る免許の可否等の運用基準)。
・統合失調症
・てんかん
・再発性の失神
・無自覚性の低血糖症
・そううつ病
・その他精神障害
・脳卒中
・認知症
・アルコールの中毒者

警察庁は、これらの疾患を有する方の自動車運転の可否の基準を設けており、それに従い運転免許の拒否、または保留を決定しています。

細かい運用基準については、「8 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作等)(令第33条の2の3第3項第3号関係)」を参照してください。
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/pdf/list3.pdf

 

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自動車運転再開に向けての流れ

道路交通法及び道路交通法施行令においては、安全に自動車運転ができない可能性のある方においては、一定の要件を設けることにより、その要件を満たした場合は運転免許の取り消しまたは一定期間の停止になることがあります。

そのため、脳卒中後、運転を再開したい場合には、各都道府県の公安委員会が設置している適性相談窓口を利用することを推奨しています。

そこで、対象者の状況を考慮して、医師の診断書の提出を促される場合がほとんどだと思いますが、状況によっては診断書の提出が必要ないかもしれません(この辺りは筆者ははっきりと把握していません)。

また、適性を把握するためにドライブシミュレーターなどを用いて適性検査が行われることになります。

適性検査や医師の診断書を元に、各都道府県の公安委員会は運転再開をしてよいか(運転補助具の利用を義務付けられる場合もあります)の決定を下すことになります。

 

なぜ公安委員会の運転の可否の決定が必要なのか

運転を再開するということは、事故に遭遇するリスクが必ず伴うことになります。

交通事故を起こす、または起こされる(巻き込まれる)場合には、「保険金」という自身を守ってくれる機能があると思います。

この損害保険ですが、基本的には安全に運転できる身体機能や認知機能があるという判断を下されている状態において契約をしていることになっています。

そのため、脳卒中などの疾患にかかったことのある場合は、安全運転ができるという保証が低くなるとみなされることがあるです。

公安委員会から運転を行ってもよいと言われているということは、公安委員会からのお墨付きをもらっているということでもあります。

それはすなわち保険の契約においても問題がないということを示していると考えられます。

もし、公安員会からのお墨付きをもらっていない状態で事故を起こした場合には、民事的あるいは刑事的責任を問われることになった場合、不利になることは目に見えてわかります。

「あなたは運転の適性があると判断されていないにも関わらず、運転をして事故を起こしてしまったのですね」と言われてしまったら何も言い返せないでしょう。

このような場合、保険金を利用することができない恐れもあります。

すると、事故の賠償をするために借金まみれになるだけでなく、自身をとりまく家族にも迷惑をかける場合があります。

そうなったら、もうどうしようもなくなってしまいます。

このようなことから、公安委員会のお墨付きをもらうことが大切になるのです。

 

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患者様や家族への説明が大切

患者様が日常生活や仕事を行う上で自動車運転が必要な場合には、運転再開までの流れについてしっかりと理解できるまで説明することが大切です。

前途したリスクについてもしっかりと説明し、適性相談窓口への相談を行ってもらえるようにしましょう。
患者様の中には、楽観的に「大丈夫やろう」考えて運転を再開してしまう方もいるかもしれません。

そのような場合には、家族にリスクの説明を十分に行い、セラピストと家族の双方からブレーキをかけていく必要もあります。

セラピストとしては、患者様や家族の方に説明を行った場合には、カルテにしっかりとその内容や反応を記載しておく必要があると思います。

それがセラピスト自身を守る術になるからです。

このようなことはかなり難しい問題なので、早期から患者様や家族の方と話し合う機会を設けておくとよいと思われます。

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半側空間無視がある方と自動車運転!本人が納得できるかどうか!

自動車運転再開と認知機能検査

脳卒中片麻痺の方が、自動車運転を再開したいということになると、我々療法士はまず対象者本人の認知機能に問題がないかを把握しようと検査を行い、評価することになります。

現行の道路交通法では、脳卒中は運転に支障を及ぼす危険性がある疾患であり、運転再開には公安委員会の許可が必要とされているからです。

たいていの場合、家の近所の交通センターに相談に行くと、医師の診断書を要求されると思うのですが、その際に医師は我々の評価を参考にする場合があります。

そのため、対象者の方には、評価の必要性も含めて十分に説明を行うことが大切になるのです。

もちろん、評価を受けてもらったからといって、運転再開が必ずしもできるわけではないことも伝える必要はあります。

半側空間無視と机上検査

半側空間無視の検査には、BIT(行動性無視検査)という代表的なものがあります。

この検査は通常検査と行動検査があります。

通常検査はスクリーニング的な要素が強く、ここで引っかかるようであれば、行動検査を実施して詳しく半側空間無視の存在を確かめていきます。

机上検査はあくまで机上検査であり、日常生活動作の観察を通じて半側空間無視の存在がどう影響しているかを評価していくことも重要になります。

基本的に、通常検査、行動検査ともクリアできることが運転再開には必要だと考えられます。

半側空間無視の存在は自動車運転において非常にリスクを伴います。

それは事故により自分だけでなく他人を巻き込む可能性があるということです。

また、半側空間無視の他の検査と並行して、対座法という視野検査を実施し、視野欠損がないか、また半側空間無視と視野欠損が同時に存在しないかということも確認をしていきます。

半側空間無視とドライブシミュレーター

より自動車運転に近い検査、評価として、ドライブシュミレーターによる評価があります。

ドライブシュミレーターにも様々なものがあります。

ドライブシィミュレーターは病院によりある場合、ない場合があると思います。
そのため、現状ではなかなか行いにくい評価ではあると思います。

ちなみにホンダのドライブシュミレーターでは、軽度の半側空間無視を検出できるソフトウェアが搭載されているとのことです。

ホンダのドライブシュミレーターは3画面を用いており、より実車に近い感覚での評価になると思います。
画面に酔ってしまいそうになることもありますが(あくまで筆者自身の感想です)。

半側空間無視と路上教習

机上検査やドライブシュミレーターの結果だけを聞いて、不合格(運転再開の適性がない)の烙印を押されても、なかなK納得できるものではないでしょう。

やはりみなさん、「実際に乗ってみないとわからんやろ!!」というような感じになると思います。
一番良いのは、教習所ととの連携により、路上教習(教習所内での実車評価含む)が行えることです。

これは自動車運転再開に熱心に取り組んでいる地域では行えるようですが、まだまだ全ての都道府県でそのような取り組みは行えていないようです。

和歌山県においても、作業療法士の鍵野将平さんが地道な活動を行ってくれているようです!
すごいです、その行動力!!
http://drivingsienwakayama.hatenadiary.jp/entry/2018/04/19/184254

半側空間無視と自動車運転再開

半側空間無視があると、基本的には自動車運転再開はなかな難しいかもしれません。
それは、これまでも述べてきたように、自他共にかなりのリスクが生じるからです。

事故を起こしてしまうと本人だけでなく、家族にも迷惑がかかります。
一生を棒に振ってしまうかもしれません。

そのためにもしっかりと評価を行い、自動車運転が再開できないようになっても、本人に納得してもらう形をとれることが大切になります。
そのための机上検査、ドライブシミュレーターによる評価、教習所との連携による評価になります。

自動車運転再開に向けた様々な評価が、早く一律に行える世の中になればと思います。

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脳卒中者と自動車運転の危険予測!動画閲覧からその能力を把握する!

危険予測が行えるかどうか

脳卒中者の運転再開に向けては、危険な状況の予測を行えるかも、重要な要素になります。

脳卒中者では、易怒性や自己抑制が行えない場合、また自己洞察(現状の認識など)が行えない場合であれば、事故につながる可能性が高くなる可能性が考えられます。

日常生活においても、易怒性や自己抑制が行えないようなシーンがあるのであれば、それは自動車運転においても同様に観察される可能性が高くなります。

自動車運転は常に冷静に状況を把握し、臨機応変に対応する能力が求められます。

そのため、普段の会話や活動場面においての情報を把握しておくこともセラピストには必要になります。

危険予測に関しては、様々な認知機能が統合された中で行われていると考えられます。

各神経心理検査においての成績が良くても、危険予測となるともしかすると困難さがみられるということもあるかもしれません。

そのため、危険予測ができるような評価やトレーニングも行う必要があると考えられます。

ドライブシュミレーターによっては、危険予測を要求するものもあります。

そのようなものがない場合に、いくつか参考にできるものがあります。

 

動画を用いた危険予測

昔、教習所の座学で、動画で危険なシーンを見る機会があったのではないでしょうか。

もしくは、最近も免許の更新時に講習でそのようなシーンを見る機会があったのではないでしょうか。

これ、案外考えさせられる動画が多かったというのを記憶しています。

このような動画を見ることで安全運転への意識を高めているというのは、素晴らしいと思います。

これを評価やトレーニングに用いることも可能ではないでしょうか。

実際、筆者が勤めている病院でも他のセラピストが行っていました。

 

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危険予測動画は、JAFやHONDAがウェブ上で無償提供しています。

動画の種類は様々なものがあり、危険なシーンについて学ぶ機会が得られます。

JAFの動画は実車を用いています。

詳しくは以下を参照してください。
http://www.honda.co.jp/safetyinfo/kyt/training/
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/kyt/result.htm?category=0

このような動画を通じて、どのような危険が予測されるか、またどのような事に注意して危険を回避するかを対象者に考えてもらい、対象者の危険予測能力の評価とすることも可能であると思われます。

また、この動画閲覧自体が対象者の危険予測を高めるトレーニングにもつながると思います。

あくまで自動車運転再開を決定するのは公安委員会ですが、セラピストは運転再開に必要な身体機能と認知機能評価に関与できる職種であるため、これまで示してきた知識を有していることが大切になると考えられます。

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高齢障害者の自動車運転再開と医療、福祉分野の連携へ向けて

道路交通法改正と高齢者ドライバー

道路交通法改正は順次行われてきました。平成9年の改正では75歳以上の免許更新では高齢者講習が義務となり、免許証の自主返納も開始されました。

平成14年の改正により、認知症の診断により免許取り消しが明確となりましたが、実際には認知症の診断を理由に処分された例は少なかったとあります。

平成21年6月より講習予備検査(認知機能検査)が75歳以上の免許更新時に義務付けられました。

検査により成績低下がある場合、一定の条件で臨時適性検査を行うこととなりました。

認知機能検査はスクリーニングテストであり、他の検査と同様に前頭側頭型認知症などの危険運転者は検査で見逃されていることが考えられています。

検査により認知機能が低下している第1分類、認知機能がやや低下している第2分類、認知機能に低下がみられない第3分類に分類し、分類により違う方法で実車指導することとなっています。

現在は第1分類に判定されても即座に免許が取り消されることはないが、更新期間満了日からさかのぼって1年以内に定められた基準行為(信号無視、一時不停止、通行禁止違反など)がある場合、臨時適性検査(認知症か否かが記載された診断書の提出命令)を受け、認知症であれば聴聞を受けたうえで運転免許の停止もしくは取り消しがなされる。また更新後に基準行為があれば、その時点で同様に臨時適性検査を受けなければならない。

地域リハ 10(10):712-716 2015

2017年の6月までに施行される改正道路交通法では、第1分類に判定された全例に基準行為の有無に関係なく診断書の提出が義務付けられます。

更新時に第1分類の判定が出なくても基準行為を行ったときに、認知機能低下の疑いがあれば、同様に診断書の提出が必要になる可能性もあります。

一定の質問等による質問制度

平成26年6月より、一定の病気等による質問制度が開始されました。

免許更新時の申告が義務となり、虚偽の申告をした場合罰則が科されることとなります。

質問項目には、「過去5年以内に、意識を失ったことがある」「過去5年以内に、病気を原因として、身体の全部又は一部が、一時的に思い通りに動かせなくなったことがある」「病気を理由として、医師から、運転免許の取得は又は運転を控えるよう助言を受けている」などからなります。

全ての質問に対して「いいえ」で答えない場合、個別面談があり、医師の診断書が必要となる場合があります。

この際の面接官には看護師などが行うこともあるようです。

医師は運転に支障があると判断した場合、任意で警察に情報提供できる体制も整っています。

自動車運転再開と適性相談

運転に支障が出るおそれのある障害が生じた場合には、適性相談を受けることが推奨されています。

臨時適性検査は、警察職員が運転に支障のある疾患や障害がある者を発見した際の一種の検査命令であるが、自らの意思で免許試験場などの適性相談室に自身の状態を申告し、臨時適性検査を受けることは適性相談と呼ばれている。

地域リハ 10(10):712-716 2015

適性相談では身体機能検査を警察職員が行い、医学的診断については医師による診断書を参考として行います。

運用には都道府県により差があります。

適性相談室の職員は身体機能の低下や高次脳機能障害が運転にどの程度支障を及ぼすかを評価する専門家ではないため、判断に迷うことも多くあると考えられます。

また、ドライビングシュミレーターによる評価も行いますが、明確な基準は定められていません。

適性相談を受けた上で免許更新されると、多くの都道府県で免許証の裏に「適性診断済」の印が入ります。

何らかの理由で更新時まで適性診断を行いたくないと考える対象者がいた場合、事故による任意保険の支払額の減額リスクがあることや、事故により大きく報道されることも含めて説明を行い、適性相談の受検を推奨していくことが必要になります。

自動車教習所との連携

一般的に、私たちが知っている教習所は指定自動車教習所と呼ばれ、各都道府県公安委員会の指定を受けている所になります。指定教習所の規定には身体障害者用車両についての定めもあります。

指定教習所の役割には、ペーパードライバーに対する再教育や、高齢者講習などの役割がありますが、免許を持つ障害者への指導などの法的な位置付けは明確ではありません。

そのため指導可能かどうかは各指定教習所の判断となり、多くの場合、運転性適性の評価・指導を受ける場合、道路交通法108条32の2で定めている運転免許取得者認定教育の枠内で行われると考えられます。

各都道府県の中でも、障害者への指導経験が豊富な教習所で指導を受けることが望ましいと言えます。

交通安全協会が設置している教習所では、公安委員会とのつながりも深いため、経験豊富な場合もあると考えられます。

教習所による運転適性評価

教習指導員による運転適性評価では、指導教員により法令に従った走行基準で評価するのか、もしくは一般運転者を見る基準で評価するのかで結果に違いが生じることがあります。

対象者の実車評価では限られた時間で評価されるため、コースへの不慣れの影響により評価に差が生じることも考えられます。

指導員には技能検定員(技能検定と修了検定、卒業検定ができる上級資格)による評価を受けることが望ましいといえます。

障害をもつ対象者の運転適性評価では、医学的知識の影響もあるため、指導員により評価結果に差が生じる場合もあります。

そのため作用療法士が同乗したり、ドライブレコーダー取り付け車がある場合、録画データの提供依頼をしておくと、その後の指導に生かすことが可能です。

教習所では1〜4月は繁忙期であり、この時期を外して評価依頼をすると受け入れやすくなります。

適性相談前に実車評価を行うか、適性相談後に実車評価を行うかは熟考する必要があります。

中途障害者では免許更新時に病状の申告義務がありますが、適性相談に関しては運転再開前に受けることが推奨されています。

教習コース内は道路交通法上の道路とみなされないため、基本的に免許の状態は問われない。しかし指定教習所は教習所内外にかかわらず指導中に事故が発生した場合は、その大小にかかわらず公安委員会に報告しなければならない。

それゆえ指定教習所は運転適性が不明確な中途障害者の評価・指導には慎重にならざるを得ない。

地域リハ 10(10):712-716 2015

一般的には、先に適性相談を受け、受検後教習所に依頼することが望ましいといえます。

適性相談で受ける検査は必要最低限であり、安全運転をできることを保証するものではないことを説明していく必要があります。

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障害を有する方の自動車運転に関する補助制度の紹介

自動車税、軽自動車税、自動車取得税の減免

対象者:
身体障害者手帳所持者(障害の程度に制限があります。)

支給額等:
減免(排気量で制限があります。)

制度の概要:
1 取得者が左記の身体障害者等であり本人が運転するとき。
2 取得者が身体障害者等(障害の程度に制限あり)で同一生計者(同居の親族。以下に同じ)が運転するとき。
3 取得者が身体障害者等(障害の程度に制限あり)で、身体障害者等のみ(障害の程度に制限あり)で世帯が構成されているときは、常時介護者が運転するとき。
2〜3について障害者等の通院等に利用する自動車税等の減免が受けられます。

手続問い合わせ場所:
自動車税及び自動車取得税は県税事務所
軽自動車税は市町村役場
*車両名義や障害の程度など一定の減免要件に適合する必要があります。
自動車税・自動車取得税減免のしおり(和歌山県)(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/010500/kenzei/jidousha.html

自動車運転免許取得費の助成(身体障害者自動車操作訓練助成)

対象者:
市町村により異なります。

支給額等:
市町村により異なります。

制度の概要:
運転免許の取得に要する費用の一部を助成する。
*市町村によっては実施していない場合があります。

手続問い合わせ場所:
市町村役場

自動購入資金の貸付(福祉資金(国制度))

対象者:
身体障害者手帳の交付を受けている方の属する世帯
*ただし、申し込みは、世帯の生計中心者になります。また、その他にも貸付条件があります。

支給額等:
貸付限度額(障害者用自動車の購入):250万円以内
償還期間:最終貸付日から6カ月以内の据置期間経過後、20年以内
貸付金利子:連帯保証人を付ける場合は無利子
返済方法:償還計画に従い、口座振替による月賦償還が原則
連帯保証人:原則1名必要

制度の概要:
障害者用の自動車の購入に必要な経費

手続問い合わせ場所:
市町村社会福祉協議会
貸付条件に合わない場合は貸付できません。
生活福祉資金貸付のご案内(和歌山)(http://220.110.203.23/~kenhp/srch_result.php?if_seq_event=5645

消費税の非課税

対象者:
厚生労働大臣が指定する身体障害者用物品(H3/6厚生省告示130号)の規定に該当する装置を備えた自動車を取得する場合。

支給額等:
非課税

制度の概要:
1 車いす及び電動車いすを使用する者を車いす等とともに搬送できるよう、車いす等昇降装置を装備し、かつ、車いす等の固定に必要な手段を施した自動車。<告示130号より抜粋>
2 身体に障害を有する者による運転に支障がないよう、身体に障害を有する者の状態に応じた補助手段が講じられている自動車。<告示130号より抜粋>

手続問い合わせ場所:
県内各税務署

自動車改造費の助成

対象者:
市町村により異なります。

支給額等:
市町村により異なります。

制度の概要:
自動車の改造に関する費用の一部を助成する
*市町村によっては実施していない場合があります。

手続問い合わせ場所:
市町村役場

有料道路交通料金の割引

対象者:
身体障害者の方が自ら運転する場合
重度の身体障害者の方が同乗し、障害者本人以外の方が運転する場合

支給額等:
5割引

制度の概要:
身体障害者手帳所持者又は重度の障害者の移動のために介護者が運転する乗用自動車及びライトバン(営業用は除く)で有料道路を通行する場合、事前の手続きにより、利用自動車、割引措置の有効期限等の記載を受けた手帳を提示することで、料金が割引されます。
また、ETCが利用できる有料道路においては、ETC車載機及びETCカードを本割引措置適用のため、事前に登録するなどの手続きを行うことにより、ETCノンストップ通行においても同様の割引が適用されます。

手続問い合わせ場所:
市町村役場
*福祉事務所にて事前に登録手続が必要です。

駐車禁止規制の適応除外

対象者:
身体障害者手帳の交付を受けている方で歩行困難な方等が使用中の車

制度の概要:
公安委員会が発行した「駐車禁止除外指定者標章」を提出し、現に対象者が使用している車両であって、付近に適当な駐車場がないなどやむを得ない場合は、公安委員会が行っている駐車禁止規制の対象から除外されます。(ただし、法定の駐車禁止の場所には駐車できません。)
なお、対象者以外の方でも、やむを得ない事情により駐車せざるを得ない場合は、その場所で管轄する警察署長の駐車許可制度もあります。

手続問い合わせ場所:
警察署

その他(割引など)

カーフェリー料金、駐車料金の割引があります。
イオンモール和歌山では、身体障害者手帳所持者は、遮断機で仕切られた専用駐車スペース(17台分)の利用できます。インフォメーションセンターにて身体障害者手帳を提示し、車番を登録する必要があります。

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踏み間違い事故はなぜ起こる?高齢者・認知症者との関連性、予防について

踏み間違い事故について

ここ最近まで自動者の踏み間違い事故が増えているとニュースでよく耳にします。

自動車会社のCMでも、「サポカー」と呼ばれる、踏み間違い事故を予防する安全性機能をつけている自動車をよく見ます。

この機能は本当に素晴らしく、事故発生率を大幅に上げてくれると思います。

しかし、全ての方がこの機能を実装していることはなく、まだまだ普及していないというのが現実だと思います。

そして、話題になっている高齢者が、今現在乗っている車を乗り換えて、新たに安全機能がついている車に乗るかと言われると、なかなかYESとはならないと考えます。

意識高い系の方であれば自分の命を守るために乗り換えを検討することはあると思います。

では、踏み間違え事故はどのようなメカニズムで起こるのでしょうか。

踏み間違え事故の例

コンビニの駐車場で前向きに駐車していて、バックしようとしたら前進してしまった。

CMであれば、安全機能が働いてその場で停止してくれますが、その機能がないと危ないですね。

そして、慌ててブレーキを踏もうとしたら、間違えてアクセルを踏んでしまい、そのまま店に突っ込んでしまった。

私の例です。

免許を取って間もなく、ゲート式の駐車場にで駐車券を受けとろうと、ブレーキを踏もうとしたら、間違えてアクセルを踏んでしまい、ゲートにぶつかりそうになった。

この時はすぐにブレーキを踏みなおすことができましたが、そのまま突っ込んでいたら事故になっているところでした。

運転中、小動物が飛び込んできてブレーキを踏もうとしたら、間違えてアクセルを踏んでしまった。そして、そのことに驚いてさらにアクセルを踏んでしまった。

このように、様々な例がありますが、皆さんも経験されたことがあるのではないでしょうか。

踏み間違え事故のメカニズム

九州産業大学の松永先生は、運転中に最も多く操作し、最も素早く操作できるのがアクセルペダルであり、これは反射的に行える動作だとしています。

そのため、予期せぬこと(緊急時、びっくりすることなど)が生じると、人は反射的にアクセルを踏んでしまう傾向にあるとしています。

アクセルとブレーキは同じ「踏む」「押し込む」動作であることも混乱を生じさせる要因になっていると思われます。

先ほどの1番目の例ですが、バックする際にカーナビの画面を見る場合と、体をひねって後ろを見ながらバックする場合があると思います。

体をひねってバックする場合についてですが、私たちは普段前向きで運転することに慣れています。

後ろを見ながらのバックでは、自分の足とペダルの位置関係が分かりづらくなってしまいます。

これにより、ブレーキを踏んだつもりがアクセルを踏んでしまうという間違いを引き起こしてしまうことにつながります。

リハビリテーションの分野ではボディイメージというのですが、普段慣れている姿勢と異なる姿勢では、手足での物の操作の困難さにかなり違いがあります。

先ほど「予期せぬこと」がキーワードになっていましたが、注意がそれた場合も危険性が高まると考えます。

人は、運転中に自分の状況、外部の状況(信号、標識、前方や後方の車、人など)と、様々なところに注意を配分しながら動作を行っています。

しかし、注意がそれやすい人では、違うことに注意が向いていて、また運転に注意が戻ったときに踏み間違いが起こる可能性は十分にあります。

特に、脳卒中や脳損傷者、認知症者、または高齢になり生理的に注意機能が低下している場合は注意が必要です。

参考:http://www.is.kyusan-u.ac.jp/~matsnaga/Research/%83y%83_%83%8B%82%CC%93%A5%82%DD%8A%D4%88%E1%82%A2%82%CC%94%AD%90%B6%83%81%83J%83j%83Y%83%80H22KSU.pdf

踏み間違い事故は高齢者が起こしやすいのか

踏み間違い事故は高齢者が起こしやすいのか。

これはYESとはいえません。

統計では、全年齢層に踏み間違い事故が起きているとされています。

私自身もありましたが、これは、免許を取り立てだったので、運転に慣れていないことから、ブレーキとアクセル操作を間違えたものでした。

ということは、普段からの運転の習慣性と習熟性も事故に関与していると言えそうです。

認知症者の運転と責任

踏み間違い事故も含めて、認知症者が運転により事故を起こした場合、どのような責任考えられるでしょうか。

責任には、刑事責任と民事責任、行政責任があります。

まずは刑事責任から考えていきます。

交通事故が起こると、道路交通法や自動車運転死傷行為処罰法により刑事責任が問われることがあります。

健康起因事故(認知症や脳卒中などの病気に影響に伴う事故)では、危険運転致死傷罪が適応され、要件を満たさない場合は過失運転致死傷罪が適応されます。

心神喪失状態や、事故について故意や過失がないと判断されると刑事責任には問われません。
しかし、運転中に体調の異変を自覚していた場合、運転をやめると事故はなかったと解釈されるために責任が問われます。

また、運転前になんらかの理由(体調不良など)で安全に運転できないかもしれないと感じていた場合も、同様に責任が問われます。

認知症では、運転についての認識力があると判断されると責任を問わることもあり、体調不調を感じたら運転をやめることもできることから責任を問われることもあります。

民事責任では、事故時に責任能力がない場合、故意や過失がないと判断されると損害賠償は生じません。

事故回避できたと判断される場合は責任が問われます。

運転する人が車の所有者の場合、責任能力のある無しに関わらず、自動車損害賠償法での責任が生じます。
また、責任能力がなくて、民法での損害賠償が生じない場合、その家族(監督義務があるとされる)に賠償責任が生じます。

車の所有者が家族の場合も賠償責任が生じます。

行政責任では免許停止や取り消しなどの行政処分が生じます。

以上は下記の文献を参考にしています。
馬場 美年子「高齢運転者の健康起因事故における法的責任」地域リハビリテーション VOl.10 No.10 2015

この時点すでにややこしいですね。

覚えておいて欲しいのは、本人だけでなく家族も責任を問われることになるということです。

家族の一生も棒に振らないようにしなければなりません。

自動車の必要性と免許返納

大都市では電車も本数も多く、車がなくても困りません。

しかし、地方の田舎となるとそういうわけにはいきません。

買い物、病院、畑に行くなど、生活の足として車は必須となります。

そのため、なかなか免許を返納するということにはつながりません。

しかし家族からすれば、いつか事故にあうのではないかとヒヤヒヤしたりするという話はよく聞きます。

そして、今そのことが問題になっています。

地域にはコミュニティバスというものがありますが、これも本数は少なく、「めっちゃ便利」というわけにはいきません。

バスの通り道に家があるとそこで止まってくれるということもありますが、自分の行きたいところにダイレクトに行けるとうわけではありません。

なかには、地域の方が車を出してくれるようなサービス(有料)もあるようですが、まだまだ普及しているとは言えません。

タクシー代もバカにならないことを考えると、経済的にキツイ方ではなかなか利用にはつながりません。

免許を返納すると、市町村により様々な特典が用意されています。

タクシーの割引券、市町村経営施設の割引券などです。

これらが拡充しないと、免許返納につながることはまだまだ先になりそうです。

株主優待が拡充されるとみんなその株を買いますよね。

明らかにメリットがないと、人はなかなか動きません。

免許を返納しても生活が可能なように、サービスが広がればよいと思います。

やれる!事故なんか起こさない!と思う傾向にある人

「お父さん!最近歳もとってきて、ぼーっとすることもあるし、運転も控えたら?」

「何を言ってるんだ!俺は事故なんて起こさないよ!」

こんな会話、高齢者でなくても普通にありそうな内容です。

何か認知機能(記憶、注意など)に問題がありそうで、このような事をいう方は注意が必要です。

「私、失敗しないので!」と言っているようなものです。

自己効力感(自信を持ってできると思う事)が高いとこのような会話内容になることが多いです。

病院においても、自己効力感が高すぎると、身体機能に問題があっても動き過ぎてしまって、転倒のリスクが高まってしまったりします。

自己効力感を測定する尺度には「特性的自己効力感尺度」があります。

これを測定すると、多少なりとも自己効力感がどの程度あるかがわかるかもしれません。
特性的自己効力感尺度の概要と評価方法、結果の解釈

この結果が直接的に事故と関係あるかというとそうではありません。

しかし、運転を控えてもらいたいと考える場合は、このような性格傾向もつかむことは大切です。

様々な事情からなかなか運転を控えることにはつながりにくいですが、根気強く、家族にも責任が伴うことなどを踏まえて説明することが大切だと思います。

踏み間違い事故を予防する方法

かなり話が逸れて戻ってきました。

踏み間違い事故を予防できる可能性がある機器が存在します。

「ワンペダル」というものです。

アクセルとブレーキが一体になっており、ペダルを踏むとブレーキ、足を水平に傾けるとアクセルになります。

私自信は体験したことはありませんが、同僚がチラシを見せてくれて存在を知りました。

なんと10年以上前からあったようで(同僚談)、最近また注目を浴びてきているようです。

「踏み間違え」「踏み損ない」「踏み遅れ」がなく、事故の軽減につながると考えられます。

 



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転職サイト利用のメリット

何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。

転職活動をする上で、大変なこととして、、、

仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる

この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)

管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。

コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。

日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。

そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。

転職サイト利用のデメリット

デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。

これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。

それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。

そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。

転職サイトは複数登録することも必要

転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。

それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。

せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。

その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。

また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。

自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。

とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!

ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。

最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。

各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。

管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。

行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。

転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。

管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。

「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典

転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)

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kazuya

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