脳卒中片麻痺者では、筋出力の低下や筋出力の維持が困難となり、握力の低下がみられます。今回、脳卒中片麻痺者における握力の鍛え方、リハビリ方法について、お伝えしていきます。

 脳卒中片麻痺者の握力の鍛え方、リハビリ方法

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脳卒中者に対する握力強化の原理原則

脳卒中者では、脳が損傷されることにより、脳から脊髄までの神経伝達が難しくなります。
そのため、今まで100%伝わっていた情報が50%、30%というように伝達力が軽減してしまいます。
これが、脳卒中片麻痺者に起こっている筋力低下のメカニズムです(神経原性筋力低下と呼ばれます)。
このような状況に対しては、筋肉の収縮力が低下しており、改善のためにはしっかりと動かしていくことが必要になります。
10回を目安にしてもうこれ以上できない程度の負荷を1セットとし、3セット行うことで筋出力の向上が図れると考えています。

どこに注意を向けて握力強化の練習を行うか

握力強化の練習を行うときに、どこに注意を向けて行えばよいでしょうか。
自分で一度握りこぶしを作ってみます。
次に「爪が皮膚に食い込むくらい握って!」と声かけを行います。
するとどうでしょうか、先ほどよりも力強く握れたのではないでしょうか。
このように、手や指の部分のどこを意識するかで、筋肉の収縮力には変化が現れます。
どこに意識するかを、自分で考え、またセラピストから助言をもらいながら行うことで、効率良く握力強化が行えます。

パワーグリップ

一番オーソドックスな方法です。
今では100均にも売ってる手軽な握力強化用具です。
5kg、10kg、15kgなら100円で揃えられるアイテムです。
意識するポイントは、握る部分の端と端がしっかりとくっつくのを目で確認しながら行うことです。
10回1セットで行いますが、10回とも簡単にくっつくのであれば、次の段階の負荷に移ってもよい目安になります。

お手玉つかみ

お手玉つかみはリハビリ場面でよく使用されます。
椅子にお手玉をたくさん広げ、一度でできるかぎりお手玉を手でつかむという単純な課題です。
これは、つかむことに焦点を当てるよりは、指を広げることに意識を持っていくことが大切です。
指を開く際には、図で示される背側骨間筋という筋肉が働きます。

握力強化には、この背側骨間筋が重要な働きをします。
お手玉がない場合は、指をしっかりと開ける運動を行うようにします。

その際のポイントは、親指と小指を思いっきり離すことです。

チューブを絞る

マヨネーズやケチャップの容器はどんな握り方であってもチューブから絞り出すことが可能であり、握力強化の方法としては導入しやすい課題です。
マヨネーズやケチャップの中身は糊のようなもので代用することで、何度も動作を行うことが可能になります。
筋出力の向上と、出力の維持には、強く握り、何度も繰り返してチューブの中身を最後まで絞り出すことにあります。
中身の出るスピードや1回の出力に対する絞り出した量などは目に見える成果であり、さらなる出力向上の助けになります。

 

タオル絞り

タオル絞りも握力強化には導入しやすい課題です。
秤の上に湯(または水)を入れた洗面器を置き、タオルを浸して両手でタオルを絞り、洗面器から湯を少なくしていきます。
タオル絞りの動作を分析すると、両手動作で交差して前腕回内位で絞ります。
タオルを確実に絞るには小指で確実に握る必要があり、小指、薬指、中指にて強く握りこむ必要があります。
少指での握りこみが弱い場合、タオルが手からずれて逃げてしまいます。その場合、タオルの端に小さいタオルで作った団子を紐で括りつけ、その部分を麻痺側の小指の外に出して握り締めるようにします。
小指、薬指は握力のパワーの源です。この2本を意識して行うことで、握力は効果的に鍛えることが可能です。

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洗体(タオルこすり)

丸めたタオルを体にこすりつけることは、手指に様々な方向からの力が加わるため握力強化に向いています。
手指に持続して出力していないと、タオルが手から逃げてしまいます。
タオルは手指の間すべてから出ているようにしてつかむことで手指と手掌による握りを確実にしていきます。手指の間に感覚入力できるようにするためです。
図のようにタオルを握りながら、体のいろいろな部分をこするように拭いていくとよいでしょう。

体でなくても、大きな立体物をタオルを握りながらふくことで綺麗にするような形で練習を行います。

傘の柄(棒)を持つ

傘の柄の保持では、風の力の逆方向に手の向きを調整しながら、握る力を出力し続ける必要があります。
棒を使用し、棒に紐などで重りをまきつけ(0.1kgから)、重りを上にして棒の下側を把持し、歩きます。歩くことで棒が揺れ、変化に対応しながら出力を維持する必要があります。
棒でなくても、閉じた傘に重りを巻くことでも行えます。

手による握力強化方法

①セラピスト(もしくは自分)の手指(母指以外)を強く握り、セラピストは患者の親指側から手を抜き取るようにします。
②抜き取るときに、セラピストは手指を外転し、患者の握っている指を開かせるように力を入れます。
③さらに、前腕回内外を繰り返しながら抜いていきます。
①〜③を行うと、患者の手の中でセラピストの手が逃げ出す感覚を与えることができ、患者は反射的に強く握ろうとし、筋出力が向上しやすくなります。

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