中殿筋、小殿筋は腰痛、坐骨神経痛の原因筋として多い傾向にあります。今回、中殿筋、小殿筋のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニングについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

中殿筋、小殿筋のトリガーポイントと腰痛予防・改善のためのストレッチとトレーニング

参考文献

中殿筋、小殿筋とその機能

中殿筋の後部は大殿筋に覆われ、小殿筋は中殿筋に覆われています。
中殿筋、小殿筋は、歩行や走行、片足立位の際に骨盤の安定に作用し、また大腿部を胸の方向に引き上げる補助も行います。

中殿筋の前面に向かう筋肉は股関節内旋に働き、後部の繊維は股関節外転に作用します。

小殿筋は主に股関節外転に作用し、前面の筋は股関節内旋、後面の筋は股関節外旋に作用します。


出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方(腰痛)

 

中殿筋、小殿筋とトリガーポイント

中殿筋のトリガーポイントは、殿部や大腿上部に関連痛を送ります。


出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方(腰痛)

小殿筋には明確なトリガーポイントが2つあります。
1つ目は筋の前部で、殿部から下向きの大腿外側から膝、ふくらはぎ、足首にかけて関連痛を送ります。
2つ目は筋後部で、殿部側面や殿部下方、大腿後面、ふくらはぎ後面に関連痛を送ります。


出典:誰でもできるトリガーポイントの探し方・治し方(腰痛)

小殿筋のトリガーポイントは、坐骨神経痛様の症状を引き起こすことがあります。

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中殿筋、小殿筋にトリガーポイントが形成される要因

・長時間の運転で右足が同じ位置に固定される
・脚長差があり、それを補おうと一方の殿筋が短くなる
仙腸関節の問題
・長時間の立位や、体重を片足にかけての立位、左右の脚をくっつけての立位
・体を丸めて寝る姿勢。上になる脚が支えられていない状態で寝る姿勢
・仰向けで重い布団をかけ、脚を広げた状態で寝る姿勢
・スポーツで殿筋を酷使する
・殿部への注射

中殿筋、小殿筋のトリガーポイントが疑われる症状

・脚を横方向に持ち上げるのが困難(股関節外転)
・片足で立つことが難しい
・歩行中に股関節の弱さを感じる

中殿筋や小殿筋のトリガーポイントによる痛みは、激しく、なかなか取れにくく、痛みが和らぐ姿勢を見つけることが難しいことが特徴です。

中殿筋、小殿筋のトリガーポイントを見つける検査

以下に紹介する検査は、中殿筋や小殿筋のトリガーポイントを単独で見つける検査ではありません。多くは梨状筋も調べるものとなっています。
殿筋の治療では、殿筋群として一緒に治療することが可能です。

足を内側/外側に向ける
自然に立ったり歩いている時に、自分の足のつま先が外側に向いているならば、中殿筋や小殿筋、梨状筋に緊張や短縮がある可能性が高くなります。
足を内側に向ける(股関節内旋)、足を外側に向ける(股関節外旋)ときに痛みがあれば、中殿筋や小殿筋、梨状筋のトリガーポイントを疑います。

ボンネットテスト
仰向けで右足は伸ばし、左足を右側のふくらはぎの横にクロスさせて、かかとを床につけます。
左足を右膝の上までスライドさせることができなければ、左の中殿筋や小殿筋、梨状筋にトリガーポイントがある可能性が高くなります。

立位で横に足をスイング
椅子の背に手をかえて支えとし、片足を外側にスイングさせます。
痛みがある、動作が行いにくい、動きが一定でない/ぎこちないなどが見られると、中殿筋や小殿筋にトリガーポイントがある可能性が高くなります。

膝クロステスト
背を伸ばして椅子に座り、左足を右足の上にクロスさせます。
右膝の上に左足の足首かふくらはぎの一部までしかクロスできない場合、小殿筋と梨状筋にトリガーポイントがある可能性が高くなります。

中殿筋、小殿筋の治療:圧迫

痛みが強い場合、はじめは手で軽くマッサージしたり、筋を温めることで筋緊張の緩和を図ります。また筋上の皮膚をつまみ上げ、組織間のリリースする方法もあります。痛みが軽減してから圧迫に移るようにします。

仰向けでのローラーを使用した圧迫
仰向けでで肘か腕で体を支え、その下にローラーを入れます。腕で体重の掛け方をコントロールします。
痛みが強い場合、ローラーの上にタオルを覆うなどして調整します。

片方の足をクロスさせ、その足をできるだけ胸に近づけます。

圧迫用ローラー
私は筋膜リリースに適しているランブルローラーを使用しています。

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中殿筋、小殿筋の治療:ストレッチ

足を横に倒してのストレッチ
仰向けで片方の足をもう一方の膝上にクロスさせ、両足をクロスした足側に倒します。

床に座り片方の膝を抱える
床に座り、足をクロスさせて膝を抱え、胸に引き寄せます。
そこから、膝を抱える腕の力とは逆方向に膝に力を加えて殿筋を収縮させます。
15秒経てば力を抜き、次にさらに胸との距離が近くなるように膝を引き寄せます。

足をクロスさせてストレッチ
椅子に座り、足をクロスさせ、両大腿がもたれ合うようにします。

座って4の字ストレッチ
椅子に座り足をクロスさせ、大腿部に足首がくるようにします。
膝を地面と水平まで持ってこられるようにします。

次に、大腿を抱えて胸に引き寄せます。

座って床にタッチ
椅子に座り、足をクロスさせて、前屈して床にタッチします。

立って足をクロス
左足で立ち、右足を後ろでクロスさせます。
体を左に傾けて、右の股関節を右側に押し出します(右股関節周辺の筋のストレッチ)。

中殿筋、小殿筋の治療:トレーニング

足先の内/外エクササイズ
立位で足先を内に向け静止し、次に足先を外側に向けます。

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少しずつ内/外に向ける角度を大きくしていきます。

足のスイングエクササイズ
椅子の背を持ちながら、以下の動作を行います。
①前にスイング

②後ろにスイング

③外側にスイング

④内側にスイング(前側を通って)

⑤内側にスイング(後ろ側を通って)

四つ這いでのトレーニング
四つ這いで下肢を胸に引きつけ、
・下肢を後方に高く振り上げます。

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・下肢を胸を横切り逆の肘へ引きつけます。

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・膝を曲げたまま外側に向け、股関節の高さまで引き上げます。

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・最初の姿勢に戻します。

スーパーマン
初級
うつ伏せで体の前で腕を組み頭を乗せます。片脚をゆっくり持ち上げ5秒静止し、戻します。逆脚も同様に行います。

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中級
初級と同じ姿勢から両脚を持ち上げ5秒静止し、ゆっくり元に戻します。

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上級
左足、右腕、頭を持ち上げ5秒静止しゆっくり元に戻します。

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右足、左腕、頭を持ち上げ5秒静止しゆっくり元に戻します。
両腕、両脚、頭を同時に持ち上げ5秒静止しゆっくり元に戻します。

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グレープバイン
①自然に立ちます。
②左足を右の後方にずらし、体重を左足にかけます。
 右足を右側に一歩だし①の姿勢に戻ります。

③左足を体の前を通り右に出し、体重を左足にかけます。
 右足を右側に一歩だし、元の姿勢にもどります。

この動きを前後交互に行いながら一方の方向に進みます。
次に体の向きをかえて同じ手順で行います。
慣れてきたら歩幅を大きくします。

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