手の操作をした場合に、親指に痛みがある際には、親指周辺の問題だけではなく、他の部位の影響も考える必要があります。今回、親指(母指)が痛い場合に原因となる筋肉について、まとめていきたいと思います。
目次
トリガーポイント(英: Trigger point)とは、圧迫、針の刺入、加熱または冷却などによって関連域に関連痛を引き起こす体表上の部位のことである。トリガーポイントは単なる圧痛点ではなく、関連痛を引き起こす部位であることに注意が必要である。平たく言えば、患者が指摘する最も凝りの強い部位、あるいは痛みが存在する部位で、しかも圧迫により痛みが周囲に広がる部位と考えられる。トリガーポイントの留意点としては、疼痛を自覚している部位に多くは存在するけれども、かけ離れた部位に見いだされることもある点である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88
簡単に言うと、「痛みを引き起こす部位」「そこから関連痛を送る」ということが言えると思います。
タイトルにあるように親指が痛いといった場合でも、親指周囲の筋肉だけでなく、他の筋肉の問題が親指周囲に関連痛を送っている可能性も考える必要があります。
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上腕筋に過緊張や硬さがあると、親指のつけねの痛みの原因となります。
また肘をまっすぐ伸ばすことが困難になったり、肘周辺の上腕の外側に、圧迫感や張りなどを感じることもあります。
上腕筋のそばを通る橈骨神経の圧迫により、親指と前腕の背側にしびれ感が生じることもあります。
この時の筋の硬さは、上腕の外側で肘の少し上の部分に現れます。
上腕筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる肘、指の痛み解消法!上腕筋のほぐし方、緩め方!
斜角筋が過緊張状態あるいは硬さがあると、胸部、上背部、肩、腕、手と広範囲にわたって痛みが広がることがあります。
斜角筋が短縮することにより第一肋骨が鎖骨の方に引き上げられると、この部分へ走行している神経や血管が圧迫されることがあります。その場合腕や手の痛み、腫れ、しびれなどの症状が出ます(胸郭出口症候群)。
斜角筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる肩こり、肩の痛み解消法!斜角筋群の緩め方、ほぐし方!
回外筋は長橈側手根伸筋と腕橈骨筋の奥深くの位置にある筋肉です。
この3つの筋肉は、お互いに関連性があるとされており、親指周辺の痛みや痺れの原因となることがあります。
棘下筋にトリガーポイントがあり過緊張であったり、硬さがあると、筋肉のある位置は後方だが肩前方に痛みを送ることがあります。
関節深くの痛みや上腕二頭筋付近にまで痛みが及ぶこともあり、三角筋前部や結節間溝付近の痛みも生じさせることがあります。
時には肩甲骨の内側、前腕から手にかけて関連痛が送られることもあります。
棘下筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる肩こり、肩の痛み解消法!棘下筋のトリガーポイントのほぐし方、緩め方!
長・短橈側手根伸筋が過緊張になったり、硬さがあると、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の主な原因となりますが、最も関わっているのは外側上顆に付着をもつ短橈側手根伸筋です。テニス肘の治療として、短橈側手根伸筋の個別ストレッチは効果的であると言われています。
これらの筋の緊張は、前腕の外側や手首や指の背側に痛みを送ります。また前腕の張り感や灼熱感、疼き感などとしても症状が出現することもあります。
長橈側手根伸筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる肘、手首の痛み解消法!長・短橈側手根伸筋のほぐし方、緩め方!
腕橈骨筋に過緊張や硬さがあると、前腕の外側や、手の甲側(親指から人差し指にかけてのエリア)に痛みを送ります。
上腕骨外側上顆近く(肘周辺)に筋の硬さがある場合、肘周囲の痛みを感じることもあります。
腕橈骨筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる肘、手首、指の痛み解消法!腕橈骨筋のほぐし方、緩め方
原因となる筋肉⑦母指対立筋
母指対立筋が緊張すると、手首の親指側や親指の側面にも痛みを感じることがあります。
このような症状が出るため、手首を痛めたような感じがしたりします。
また親指側面の痛みはハサミを使用する際に親指に力が入りづらくなっているようにも感じさせます。
書字動作においいても書きにくくなったり、指の繊細で細やかな動きにも影響が出る可能性が考えられます。
母指対立筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる指の痛み解消法!母指対立筋のほぐし方、緩め方!
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母指内転筋が異常に緊張していたり硬くなったりしていると、親指の付け根に痛みが発生することがあります。
また第一中手骨から舟状骨の手の甲側にも痛みを感じることがあります。
関連痛として、痛みは斜角筋や上腕金、長橈側手根伸筋、回外筋、腕橈骨筋などにも痛みが広がることがあります。
母指内転筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる手の痛み解消法!母指内転筋のほぐし方、緩め方!
人差し指と親指の間にある分厚い第一背側骨間筋に緊張や硬さがあると、広い範囲に痛みを送ることがあり、手のひら、手の甲、小指、人差し指に痛みが広がります。
書痙(字を書く際に、手が震えたり痛みがあったりして字がうまく書けない状態)の治療には、親指に関連する筋と第一背側骨間筋が原因であることが多いです。
背側骨間筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる手指の痛み解消法!背側骨間筋のほぐし方、緩め方!
長母指屈筋に過緊張や硬さがあると、親指の末端部に痛みが広がります。
痛みがあまりなくても握力低下の原因となり、書字においての筆圧低下などにつながります。
それが文字を書く際に不器用になったと感じる要因にもなります。
また親を曲げる際に関節の動きにくさやひっかかるような感覚を覚えることがあります。
長母指屈筋の筋の走行は橈骨の手首付近から肘付近までと筋繊維が長く、筋の硬さや過緊張部位を複数の場所で感じることがあるかもしれません。
長母指屈筋のほぐし方、ストレッチなどについては以下の記事を参照してください。
自分でできる指の痛み解消法!長母指屈筋のほぐし方、緩め方!