骨盤底を活性化するには、筋力トレーニングを行うことのみが大切だとおもわれがちですが、一番大切なことは自分の状態を知覚することと、そのための骨盤底の知識とイメージです。今回、骨盤トレーニングを始めるにあたっての知覚とイメージの大切さについて、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。
目次
骨盤の機能は下記のものが挙げられます。
骨盤底には「内臓を支える」ことと、尿導や生殖器として、また分娩時には赤ん坊の「通り道になる」という2つの機能があります。
フランクリン・メソッド 骨盤力 P1
主な2つの役割をあげましたが、他にも呼吸の補助として、姿勢、バランスにも関与しており、腰、膝など様々な部位への関連があることが特徴としてあげられます。
腰痛、背部痛、膝痛など、骨盤の影響で痛みが出ていることもあり、このような場合には骨盤のトレーニングを行うことにより解消できることもあると言われています。
女性の骨盤は出産のために柔軟性に富んでおり、男性の骨盤は強度はあるが柔軟性に乏しいという傾向があります。
そのため、女性の骨盤には強度を、男性の骨盤には柔軟性を獲得することが大切になってきます。骨盤の問題の多くは、運動不足や不適切な姿勢、出産が原因と言われています。
では、骨盤底を効率よくトレーニングするにはどうしたら良いのか、という疑問が出てきます。
骨盤底のトレーニングは、体の意識、柔軟性、強度を高めるためにダイナミックで能動的である必要があります。
フランクリン・メソッド 骨盤力P20
日頃よく耳にする筋力トレーニングという言葉が出てきませんね。
柔軟性、強度を兼ね備えた骨盤底のためには、筋力増強ばかりでなく、骨盤をとりまく骨、筋肉などの組織が協調的に働くことが大切になってきます。
骨盤底の強度を高めるには、骨盤底の柔軟性が欠けていては話になりません。
まずは柔軟性です。
ダイナミックで能動的というキーワードをそなえたトレーニングでは、自分の体の状態や、変化を捉える力(知覚力)が大変重要になってきます。
自分の姿勢がどちらに傾いているか、骨盤の骨はどこにあって、それは左右対称か、あるいはどちらにどのくらいずれているか等、状態を知覚できるようになってくると、良い方向への変化も感じることができるようになってきます。
みなさん!骨盤ってどんな形になっているかイメージできますか?
骨盤は3つの骨…腸骨、恥骨、坐骨からなっています。
また骨盤底は恥骨、坐骨、尾骨からなっています。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
どうでしょう?図を見て腸骨、恥骨、坐骨、尾骨の位置を確認し、骨盤の形もイメージできるようにします。
では、さらに骨盤を形作る骨を触っていくことにします。
②比較のために準備段階で行ったように、立位で股関節を曲げます(左右とも)。このときの上げやすさはどうなっていますか?右足の方があげやすくなっている、あるいは右足股関節がよく曲がるようになっていませんか?
②準備段階で行った左右での比較を行います。さらに柔軟性が増していませんか?
このように、骨盤を形作る骨の位置に実際に触れることで、骨盤がどこにあるか、またどのような形をしているかの視覚的イメージが行いやすくなります。
この視覚的イメージが自分の体の状態を知覚する力を助けてくれるので、とても大事なことになります。
骨盤の動きを知ることは、これからトレーニングを行っていく上で非常に重要になります。
それは、まず自分の骨盤の動きを含めた体の状態を知覚することに対して、次にイメージをもちながら骨盤の動きを促していくことに対してです。
骨盤の一つ目の動きは前に傾いていく「前傾」、後ろに傾いていく「後傾」です。
骨盤が前傾すると、背中は伸びやすくなり姿勢がよくなります。また、骨盤が後傾すると、背中が丸くなりやすくなり姿勢はわるくなります。
よくリハビリ場面で患者さんの骨盤の状態を見ていると、後傾している方が多く、そのため座るバランス、立ち上がり、立つバランス等色々な動きを阻害していることが多いです。
では、図を見て自分でも同じ動きを行い、骨盤の「前傾」「後傾」がどのような動きなのかを確認していきましょう。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
では骨盤の2つ目の動きは左右の動きです。この動きは片足立ちをするとわかりやすくなります。
片方の足に体重をかけると、骨盤は体重をかけた側にやや倒れていくことがわかると思います。
この動きの際には、骨盤とつながりを持つ股関節(特に大腿骨頭と呼ばれる球状の骨)を意識することも大切です。
股関節(大腿骨頭)の動きを意識することで、骨盤運動のイメージ、知覚力も高まっていきます。
これも図を見て自分でも行い、骨盤が股関節も含めてどのような動きとなるかを確認していきましょう。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
では骨盤の3つ目の動きはひねる動きです。これは、片方の骨盤は前へ、もう片方の骨盤は後ろへ動きます。モデルさんが歩いている姿を想像すると、わかりやすいかと思います。
この動きも股関節(大腿骨頭)の動きとともに意識することが大事になってきます。
この動きも図を見て自分でも行い、骨盤が股関節を含めてどのような動きとなるかを確認していきましょう。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力)
いかがでしたか?
普段は意識しない骨盤、股関節の動きが知覚できたのではないでしょうか。このように動きを確認していく作業を行うと、体の左右差を感じるきっかけとなることおも多いです。
まだまだトレーニングといった感じではないですが、前段階の準備としてはとても大切な要素となっていきますので、しっかりと確認するようにしてください。
図(フランンクリン・メソッド 骨盤力より)
座面に座った時に、面にあたるお尻の骨が坐骨結節になります。
今回はこの坐骨結節の動きを確認していこうと思います。
坐骨結節は骨盤の一部をなす骨です。そのため坐骨結節の動きが悪い(骨盤底の緊張度が高い)と、膝に負担がかかることがあります。
また逆に骨盤底の緊張度が張りがなくゆるい状態だと背中をそりすぎてしまう傾向にあります。そのため腰に負担がかかりやすくなってしまいます。
よく女性の一見きれいに見える反り姿勢も、実は背中、腰に負担がかかっていたということはよくある話ですね。
繰り返しになりますが、坐骨結節の動きを確認することは、自分の体の状態や変化を捉える知覚力を向上させることができます。
また骨盤を形作る骨の位置を知ることは、イメージ力を高める一助となりますので、今回の坐骨結節の動きの確認もしっかりと行っていきましょう。
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両足を大きめに開き、足を曲げ伸ばしして動きの確認をします。
①指先で両方の坐骨結節を触ります。足を曲げていくと、両方の坐骨結節が離れてい くことが確認できます。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
②逆に足を伸ばしていきます。すると坐骨結節が近づいていくことがわかります。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
いかがでしょうか?
坐骨結節の動きを意識することは普段の生活のなかではまずないと思います。
骨盤底のトレーニングにおいては、このような小さい動きを意識することが重要になります。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
仙骨と寛骨(腸骨)の間にある関節を仙腸関節と呼びます。
仙骨はわずかな可動性があると言われており、仙骨の可動性のなさは腰痛などを引き起こすきっかけになることもあります。
仙骨が動くことは、出産時にも起こります。
出産の際には最初の段階で産道を広げるために、仙骨が後ろに傾きます。この動きを仙骨の「カウンターニューテーション」といいます。次の段階で仙骨は前に傾き、尾骨が後ろに動くことで坐骨結節が広がり、赤ちゃんが体外に出やすくなります。この仙骨の動きを「ニューテーション」といいます。
前回、足の曲げ伸ばしに伴う坐骨結節の動きを確認しました。
足を曲げていくと坐骨結節は離れ、足を伸ばすと坐骨結節は近づきます。
足を曲げる際、坐骨結節離れますが、仙骨はニューテーション(前に傾き)し、反対側の腸骨にある上前腸骨棘は互いに近づきます。さらに尾骨は後ろに動きます。
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上前腸骨棘の位置(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
足を曲げた時の坐骨結節、仙骨、尾骨、上前腸骨棘の動き(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
足を伸ばした際は逆の動きとなるので、坐骨結節は近づき、仙骨はカウンターニューテーション(後ろに傾き)し、反対側の腸骨にある上前腸骨棘は離れます。さらに尾骨は前に動きます。
足を伸ばした時の坐骨結節、仙骨、尾骨、上前腸骨棘の動き(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
いかがでしょうか?
ややこしい専門用語がたくさん出てきましたが、大事なことは、それぞれの骨がどのように動いているかを捉えることです。出産のため、また柔軟性のトレーニングの為にはこのような動きを意識することが重要になってきますので、我慢強く復習、確認してくださいね。
足を曲げていく時には坐骨結節は離れ、仙骨は前に傾き(ニューテーション)、尾骨は後ろに動きます。また上前腸骨曲は互いに近づいていきました。
逆に足を伸ばしていく時には坐骨結節は近づき、仙骨は後ろに傾き(カウンターニューテーション)、尾骨は前に動きます。また上前腸骨棘は互いに離れていきます。
この動きを、骨盤の絵をともにイメージできることが大事です!
①両手で仙腸関節に触れます(図参照)。ちょうど皮膚の下に2つの出っ張りを見つけることができます。このとき、指が緊張していると動きを感じにくいので、指はリラックスして力を抜いてください。軽く触れているくらいが良いです。
図(フランクリン・メソッド骨盤力より)
②指を仙腸関節に触れたまま(リラックスして)、足を曲げていきます。このとき仙骨は前に傾く(ニューテーション)ので、相対的に仙骨の2つの出っ張りがが後ろに出っ張ってきます。
③今度は足を伸ばしていきます。すると仙骨は後ろに傾く(カウンターニューテーション)ので、相対的に仙骨の2つの出っ張りが前に戻っていきます。
*動いていくときに、それぞれの骨がどのように動いていくかをイメージしながら行います。
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次に上前腸骨棘の動きも確認していきます。
①両手で左右の上前腸骨棘に触れます(図参照)。このときも指はリラックスしてください。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
②足を曲げていくと、上前腸骨棘は互いに近づきます。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
③足を伸ばしていくと、上前腸骨曲は離れていきます。
図(フランクリン・メソッド 骨盤力より)
*動いていくときに、それぞれの骨がどのように動いていくかをイメージしながら行います。
この動きはなかなか感じ取りにくいかもしれません。
それぞれの骨の動きを感じ取ることはなかなか難しいのですが、体の知覚力を高めるためには必要なことなので繰り返し行い、動きのイメージととも定着できるようにしてみてください。
自分の骨盤はどのようにねじれているでしょうか。
自分の背骨はどのようにねじれているでしょうか。骨盤、背骨のねじれの状態を知ることは、自分の体の状態を把握することにつながります。また、それは同時に知覚力を高めることにつながります。
誰にでも多少のずれ、ねじれはあるものですが、アンバランスさが許容量を超えてくると、痛みとなってくるのです。その頃には組織にかなりの負担がかかっている状態と言えます。このアンバランスさに気づく知覚力を高めておくことで、痛みを防ぐために日常生活上の動きを注意したり、骨盤を調整するきっかけになるのではないかと考えます。
では骨盤、背骨のねじれを把握する方法を紹介していきます。
この時の左右の違いを感じ取ります。
理想的なのは①②とも同じように感じることです。
例えば、私の場合、右の骨盤の方が前に押し出しやすのですが、この時背骨は左側にねじれています。そのため、腰は左側にねじれやすいです。
まずは自分の骨盤の状態を知りましょう。
そして、トレーニングを通して骨盤の変化を感じ取りながら、柔軟で強度の高い骨盤底を目指していきましょう。
骨盤の動きと連動して大腿骨(太ももの骨)は動いています。
足を曲げていくと坐骨結節は離れていき、同時に大腿骨は外に回旋(外旋)し、寛骨は内側に向きます。
反対に足を伸ばしていくと坐骨結節は近づいていき、同時に大腿骨は内に回旋(内旋)し、寛骨は外側に向きます。
今回はこの大腿骨の内旋、外旋の動きを確認していきたいと思います。
骨盤と股関節、膝関節は密接に関係しており、上記のような連動した動きにアンバランスが起きてくると、股関節痛や膝関節痛につながってくるのです。
逆に骨盤と股関節、膝関節の連動した動きを意識(知覚)できていれば、痛みは事前に防ぐことができるはずです。
なぜ意識することで痛みを防ぐことができるのかについてですが、
強度、姿勢、柔軟性をコンスタントに向上させるには、自分自身の動きのパターンを見直す必要があります。なぜなら神経系統のレベルで意識的に変化させることができたときにだけ、真の変化は起こるからです。このときに使われるのがからだの知覚力です。
フランクリン・メソッド 骨盤力 p22
とあります。そのため、日常生活上の様々な動きにおいて、骨盤、股関節、膝関節などがどのように連動して動いているのかを知覚することは非常に大事なこととなります。
では動きを確認していきましょう。
③次に足を曲げていくと、大腿骨は外に回旋します。このとき寛骨は内に向きます。
*写真の線を見てみると足を伸ばしたときに、線がやや内にあるのがわかると思います。
このような動きの連動性をイメージとともに知覚することができると、骨盤の柔軟性や強度が高まっていきます。
骨盤の動きは仙骨を通じて背骨の動きにも関連してきます。
骨盤が前に傾く(前傾)と仙骨は前に動きます(ニューテーション)。このとき腰の骨(腰椎)は伸びて(伸展)いきます。
一方骨盤が後ろに傾く(後傾)と仙骨は後に動きます(カウンターニューテーション)。このとき腰の骨(腰椎)は曲がって(屈曲)いきます。
基本的に、良い姿勢を取っているときは、背骨が伸びています。つまり、骨盤は前傾して仙骨はニューテーションしているのです。
この骨盤前傾、腰椎伸展の動きがうまくできていないと、筋肉の緊張度合いもバランスが崩れていき、また骨盤・背骨の柔軟性も失われていきます。すると股関節の柔軟性も失われ、身体の固さにつながってしまうのです。これは腰痛の原因となってしまします。
そのため、骨盤底トレーニングを行うと腰痛軽減に役立つことが知られているのです。
では、骨盤前傾・腰椎伸展、骨盤後傾・腰椎屈曲の組み合わせをイメージとともに動きを確認していきましょう。
②今度は逆に骨盤を後傾させ、腰椎を屈曲させます。このとき仙骨は後ろに動き、坐骨結節が離れていくことをイメージします。
③同じように骨盤を前傾させ、腰椎を伸展させます。このとき仙骨は前に動き、上前腸骨棘は近づいていくことをイメージします。
④逆に骨盤を後傾させ、腰椎屈曲させます。このとき仙骨は後ろに動き、上前腸骨棘は離れていくことをイメージします。
この動きをイメージとともに定着できるように何度も繰り返してみましょう。この動きで骨盤底の筋肉や、腰椎周辺の筋肉の動きが知覚できるようになると思います。
この知覚力を高めることで、骨盤底や背骨の柔軟性、強度が向上していきます。
また老化現象による椎間板といわれる組織(椎間板ヘルニアに関連)の変性予防にも貢献できると考えています。
仙骨が前に傾く(ニューテーション)と尾骨は後ろに動きます。この時坐骨結節はお互いに離れ、上前腸骨棘は近づいていきます。
仙骨が後ろに傾く(カウンターニューテーション)と尾骨は前に動きます。この時坐骨結節はお互いに近づき、上前腸骨棘は離れていきます。
なかなか覚えるのが大変ですね。図を見て骨の位置を確認しながらイメージを強めると覚えやすくなります。人の記憶はらせん状に、繰り返し確認していくと定着力が高まりますよ。
今回は、骨盤を持ち上げる事によって、腰全体の組織が緩む事を期待したいと思います。
行う事は簡単です。仰向けで膝を曲げ(踵は地面にについている)、お尻を上(天井方向)に持ち上げるだけです。このときもちろん骨盤の各骨がどう動いていくかのイメージを持ちながら行う事が大事になります。
②お尻を床に下ろしていくと、坐骨結節は離れていきます。
③もう一度お尻を持ち上げます。今度は尾骨に焦点を当てます。尾骨から天井に向かい、紐で吊るされている所をイメージし、その紐が持ち上げられお尻が上がっていくようなイメージです。
④お尻を下ろしていきます。今度は紐の助けでゆっくり静かにお尻が床についていきます。
この動作を3〜4回繰り返してみましょう。
だんだん腰周りがリラックスしてきていませんか。
骨盤が前に傾く(前傾)と仙骨は前に動き(ニューテーション)、尾骨は後ろに動きます。坐骨結節は離れ、上前腸骨棘は近づきます。また大腿骨は内側に回旋(内旋)します。そして腰椎は伸びます(伸展)。
骨盤が後ろに傾く(後傾)と仙骨は後ろに動き(カウンターニューテーション)、尾骨は前に動きます。坐骨結節は近づき、上前腸骨棘は離れます。また大腿骨は外側に回旋(外旋)します。そして腰椎は丸くなります(屈曲)。
複雑ですね。動きのイメージとともに毎日繰り返し動かしていると定着してくると思います。
前回立った姿勢で骨盤の前傾に伴う腰椎の伸展、骨盤の後傾に伴う腰椎の屈曲の動きを確認しました。
今回は四つ這い姿勢の中で同様に動きを感じてもらいたいと思います。
この動きも姿勢矯正、良姿勢に関わってくる大事なトレーニングになります。
②今度は逆の動きで、坐骨結節は離れ、尾骨は天井に持ち上がり(後ろに動く)、仙骨が下に沈むイメージで、背中を元の位置に戻していきます。
この動きもイメージが定着できるまで繰り返し行いましょう。
今までのトレーニンングでわかると思いますが、骨盤底の柔軟性、強度を高めるために、筋トレのように高強度なトレーニングは必要ありません。
毎日継続して続けるにはこのようなイメージとともに動きの連動性を高めるトレーニングが最適であると思われます。
背骨のストレッチを行ったことがあるでしょうか。
ヨガでいう「猫のポーズ」というとイメージしやすいかもしれません。
ネットで「猫のポーズ」で検索をかけてみると、関連語句としてダイエットや内臓機能の調整、良姿勢への改善などというキーワードが出てきます。
これは、猫のポーズは背骨、背中のストレッチなのですが、同時に骨盤底へも働きかけていると考えることができます。
背中の筋肉の血液循環も良くなるため、筋肉の代謝が良くなり、ダイエットにも効果的と言われているのだと考えることができますね。
骨盤底トレーニングは内臓の機能も調整してくれるので、背骨のストレッチにも骨盤底を意識して取り組むとより効果的であることが予測できます。
では尾骨から始まる背骨のストレッチの方法を確認していきます。
②次に頭の頂上から軽く押されるようなイメージで後ろに下がります。座骨結節、尾骨は磁石で後ろに引き寄せられるようなイメージです。
骨盤ー背骨ー頭部の相互関係、つながりを感じながら行うようにしましょう。
立つ、座るなど様々な動きはすべて連動性があります。骨盤はその中心にあるものなので、上半身、下半身に大きな影響を与えやすいのです。
このストレッチは骨盤底、背中全体を広げるようなストレッチになりますから、トレーニングの後に色々な動きをして、その変化を知覚してみてください。
尾骨(尾てい骨)って動くことをご存知ですか?
尾骨は尻尾の名残なので、動物のように可動性はあるはずなのです。
骨盤底筋がしっかりと働いていないと尾骨は可動性を失って固くなってしまいます。尾骨の固さは失禁の原因とも言われているようです。
尾骨は、仙骨を含む骨盤から背骨にかけてのつながりがあります。
そのため尾骨の固さは背骨の柔軟性に大きな影響を与えることが予測できます。
前回もお話ししましたが、全身の柔軟性は筋肉の柔軟性も高め、その結果筋肉の代謝も良くなります。このことはダイエットにもつながりますし、内臓機能にも好影響を与えます。
尾骨と骨盤底トレーニングの関連について
股関節からの動きと、正しい尾骨の動きの違いを識別できることが大切です。股関節から動くと骨盤は前後に傾き、尾骨は動かないままです。これでは臀筋のトレーニングになってしまい、骨盤底筋を鍛えることにはなりません。もし正しく尾骨を動かすことができれば、腹筋、背筋などの骨盤底とは関係がない筋肉が動きに関わっていても、動き自体は骨盤にとどまっている状態がどのようなものかがわかるでしょう。
フランクリン・メソッド 骨盤力 P57
とあります。このことからも、尾骨の動きを知覚できる、イメージできることは大切なことになります。
では、尾骨を目覚めさせるためのトレーニングを紹介していきます。
正直なところ、尾骨の動きはよくわからないかもしれません。頭の中のイメージでしか尾骨が動かないかもしれません。また、尾骨周辺の筋肉がほんの少ししか動いた感じがしないかもしれません。
そうであっても、繰り返しイメージしながら知覚できるようにトレーニングを行うことは大切です。
イメージを伴う運動は神経系統に作用し、骨盤底の柔軟性や強度を高めてくれることが期待できるからです。
良い姿勢のために必要なことに、座骨結節を感じ取ることが大切になります。
特に座っている場合、座面に対して左右両方の座骨結節に対して均等に体重を乗せていることが重要です。人は普段の習慣的な姿勢などで左右非対称な姿勢になっていることが多く、そのため骨盤底のバランスを失っていることが多いです。
座骨結節を含む骨盤底がバランスを失うと、背骨、股関節などと連動性があるため、姿勢も悪くなってしまいます。今回は座っている姿勢における座骨結節の正しい位置関係や、均等に体重が乗せることができるかなどを通して、良い姿勢に近づく準備をしていきたいと思います。
①骨盤をゆっくりと前後に傾けます。すると座骨結節もゆっくりと座面に接しながら前後に揺れます。
②左右の座骨結節を椅子に押し付けます。どちらをより強く感じ取ることができるでしょうか。理想は左右同じように感じ取れることです。
③仙腸関節と呼ばれる、仙骨と腸骨の間に指を置きます。仙骨と腸骨両方の動きを感じ取れることが大事になります。体重を左右の座骨結節にかけます。このとき仙腸関節の動きを感じます。両方に同じ動きを感じ取れるでしょうか。
④両手は仙腸関節に触れたまま、骨盤を前後に傾けてみましょう。仙腸関節の動きは左右同じに感じ取れるでしょうか。
①座った姿勢で上半身を前に倒します。すると座骨結節が広がっていくことが確認できます。次に上半身を起こしていくと、座骨結節は近づいていきます。この動きを何回かリズムよく繰り返してみましょう。座骨結節の動きをしっかりと感じ取れるようにします。
②座骨結節を広げることで骨盤を前に傾け、上半身を前に倒します(座骨結節から動くことを意識することが大切です)。次に座骨結節を近づけて骨盤を元の位置に戻し、上半身も戻していきます。
①座骨結節を椅子の下に沈むようにイメージしながら動いて見てください。不思議と胸、お腹のあたりが伸びてくるような感じがしませんか。
②片方の座骨結節を持ち上げ浮かします。浮かした座骨結節を前後に振ってみてください。次に片方の手で座骨結節に触れながら同じように座骨結節を振りましょう。
③浮かした座骨結節にブラシがついている所をイメージしながら、そのブラシで絵を書きます。
④両方の座骨結節に均等に体重を乗せます。先程浮かした側の肩や背中、骨盤底に解放感を感じる事ができるでしょうか。また脇腹周囲を比べると、行った側のお腹が引き締まっていることを感じ取れるでしょうか。
このエクササイズを行うと骨盤底筋、背中、お腹周りの筋肉の働きが活性化されます。
これらの筋肉の働きが良くなると、姿勢の改善が期待できます。
トレーニングに使用するタオルを用意します。使用するものはバスタオルで、数回折ってからクルクルと巻きましょう。直径10センチ程度が良いです。たったこれだけで完成です。これを2つ用意します。
これからトレーニングを行うのですが、タオルの上に座りバランスを取ります。最初のうちはなかなかバランスがとりにくいと思いますので、注意して行ってください。
バランスを取りにくい中で姿勢を保とうとすると、普段は働ききれていない筋肉もバランス調整に動員されるので、筋肉は活性化されます。
2つのタオルを使用すると、2つの面に対してバランスを調整する必要があるので、より効果的なトレーニングになります。
①タオルをお尻の下、座骨結節のやや前方に置きます。最初はタオルの上でバランスを取ります。可能になれば、骨盤を前に傾けたり後ろに傾けたりしましょう。
②片方のタオルを外して再びバランスを取ります。どうでしょうか、先ほどよりもバランスがとりにくいため、骨盤、背中、お腹周りの筋肉大きく働かなければいけません。そこから浮いている側の座骨結節を前後に揺らしてみましょう。
③タオルを逆に置いて、バランスを取り浮いている座骨結節を前後に揺らします。
④タオルを外し、座りなおします。座骨結節の上に体重がしっかりとのっているのを感じ取れるでしょうか。またさっきまでとは違い姿勢が良くなっているかもしれません。
①タオルを座骨結節のやや前に置いてその上に座ります。そこから上半身をしっかりと前に倒します。全身の力を抜き、リラックスして1分程度楽に呼吸をします。
②体を起こしていくのですが、タオルに座骨結節を押し付けるようにしながらゆっくりと起きていきます。
③タオルを外して姿勢を確認してみてください。先ほどと比べて変化は感じ取れているでしょうか。