脳画像を観れるということは、脳画像上の傷部位からどのような症状が生じるかを予測できるということになります。今回、中脳レベルの脳画像と、損傷部位から予測される高次脳機能障害についてまとめていきたいと思います。
目次
中脳レベルの脳画像と、損傷部位から予測される高次脳機能障害!
スポンサードサーチ
中脳レベルの脳画像をまずは確認
中脳レベルの脳画像を見つける際の目印になるのは、○ッキーマウスのような、犬の顔のように見えるものを見つけることが必要になります。
下図を見ると、画像の中心部に○ッキーマウスのようなものが見えるのがわかると思います。
図では赤丸線で囲んでいます。
このレベルの画像における、各脳部位は以下のようになっています。
そして、中脳レベルの血管支配も確認していきます。
出典:中上博之先生の勉強会資料
ここで、前脈絡叢動脈についてですが、この動脈は扁桃体、内包(膝、後脚、レンズ核後部)を栄養しています。
前脈絡叢動脈領域において出現する症状としては、運動麻痺や感覚障害、視野欠損(同名半盲)、情動障害、記憶障害などがあります。
中脳レベルにおける各脳部位や、血管支配を把握していることで、どこが損傷されているかを見たときに予測される症状を考えることが可能になります。
スポンサードサーチ
中脳レベルの脳画像と、損傷部位から予測される高次脳機能障害
下図は、中脳レベルの脳画像における損傷部位と予測される高次脳機能障害についての関係を示しているものです。
青:健忘
ピンク:健忘
オレンジ:純粋失読
紫:統合型視覚性物体失認
連合型視覚性物体失認
多様式失認
緑:街並失認
赤:相貌失認
水色:大脳性色覚障害
スポンサードサーチ
各症状の概要をおさらい
青の部分(前脳基底部)の損傷では、健忘(記憶障害)が生じます。
前脳基底部の損傷における健忘の特徴としては、
・短期記憶や注意機能は正常で、干渉刺激がなければ記憶可能
・What、Who、Whenの要素は覚えていても、その関係性にエラーがある
・エピソードの順序を記憶することが苦手
・自発会話にも作話がみられる(聞かれたときだけではない)
・プライミング刺激が有効なことが多い
などが挙げられます。
ピンクの部分(海馬付近)の損傷では、健忘(記憶障害)が生じます。
海馬付近の損傷における健忘の特徴としては、
・逆向性健忘は長い期間(数年から数十年)での出来事で障害されることが多い
・作話はなし
・病識はある程度保たれている場合が多い
などが挙げられます。
オレンジの部分(紡錘状回、海馬傍回)の損傷では、純粋失読が生じます。
純粋失読の特徴としては、
・書く、話すことはできるが、読むことだけができない
・自分の書いた字でも読めない
・仮名<漢字で読みにくい
・病識はある
・字性型(1文字でも正しく読めない)と逐次読み型(1文字ずつは読めるが、文字列は1字ずつ読む)がある
・字性型は文字を指でなぞる、他者が本人の手のひらに書き込む(体性感覚での代償)、他者が書くのを見る(視覚情報による代償)など読むことが可能(形の認知が障害される)
などが挙げられます。
紫の部分(左紡錘状回、左舌状回付近)の損傷では、統合型視覚性物体失認、連合型視覚性物体失認、多様式失認が生じます。
統合型視覚性物体失認の特徴としては、
・部分はわかるが、全体の形と関係づけにくい
・模写は可能だが時間がかかる
・見る時間の短縮や、見る対象に視覚的な雑音(網掛けなど)があるとよりわかりにくくなる
・色の明るさや質感、面積、動きはわかる
・形が似ているものと間違えやすい(部分と全体のおおまかな形は分かるため)
・それが何であるかを特徴的な動きからは認識可能
・対象物の把持は可能
などが挙げられます。
連合型視覚性物体失認の特徴としては、
・形の認識は可能
・意味記憶と結びつけることができない
・視覚以外の経路では意味記憶と結びつけることは可能
などが挙げられます。
多様式失認の特徴としては、
・視覚と触覚を用いて対象物が何であるかがわからない
・聴覚を通しての認識は可能
などが挙げられます。
緑の部分(右海馬傍回後部、舌状回、紡錘状回)の損傷では、街並失認が生じます。
街並失認の特徴としては、
・よく知っている場所(屋内、屋外)を見てもどこかわからない
・新規の風景を覚えることができない
・特徴的な音や建物の位置関係、看板、道順の記憶などをもとに移動を行えることがある
などが挙げられます。
赤の部分(右紡錘状回)の損傷では、相貌失認が生じます。
相貌失認の特徴としては、
・よく知っている人の顔をみても誰かわからない
・声、髪型、服装、仕草などからは誰かわかる
などが挙げられます。
水色の部分(紡錘状回後内側部、舌状回後外側部)の損傷では、大脳性色覚障害が生じます。
大脳性色覚障害の特徴としては、
・色を見ても何色かわからない
ということが挙げられます。
スポンサードサーチ
今回参考にしている専門書籍はこちら!
脳画像とそれに対応する高次脳機能障害が分かりやすく載っている!
各障害のメカニズムや、脳機能とのつながりが詳しく載っている!
スポンサードサーチ
脳卒中では損傷部位別の評価とアプローチを行うことが必要ですよね?
呼吸療法認定士の資格を取りたい方は必見
呼吸療法認定士の資格勉強は隙間時間にするのがコツです。呼吸療法認定士 eラーニング講座
スキマ時間勉強ならリハノメ
PTOTSTのためのセミナー動画が見られます。各分野のスペシャリストが登壇しているので、最新の知見を学びながら臨床に即活かす事が可能です。
セミナーあるあるですが、、、メモ取りに夢中になり聞き逃してしまった。
なんてことはなくなります。何度でも見返す事が可能だからです。
高額なセミナー料+交通費、昼食代を支払うよりも、スキマ時間を見つけて勉強できる「リハノメ」を試してみるのも良いのではないかと思います。
臨床で差をつける人は皆隠れて努力していますよ。
長い期間で契約したほうが、月額が安くなります。
PT.OT.STのための総合オンラインセミナー『リハノメ』
PTOTSTが今より給料を上げる具体的方法
転職サイト利用のメリット
何らかの理由で転職をお考えの方に、管理人の経験を元に転職サイトの利用のメリットを説明します。転職活動をする上で、大変なこととして、、、
仕事をしながら転職活動(求人情報)を探すのは手間がかかる
この一点に集約されるのではないでしょうか?(他にもあるかもしれませんが)
管理人は転職サイトを利用して現在の職場に転職しました。
コーディネーターの方とは主に電話やLINEを通してのコミュニケーションを中心として自分の求める条件に合う求人情報を探してもらいました。
日々臨床業務をこなしながら、パソコンやスマホで求人情報を探すというのは手間ですし、疲れます。
そういう意味では、転職サイト利用のメリットは大きいと考えています。
転職サイト利用のデメリット
デメリットとしては、転職サイトを通して転職すると、転職先の病院や施設は紹介料(転職者の年収の20-30%)を支払うことです。これがなぜデメリットかというと、転職時の給与交渉において、給与を上げにくいということに繋がります。
それでも、病院や施設側が欲しいと思える人材である場合、給与交渉は行いやすくなるはずです。
そういった意味でも、紹介してもらった病院や施設のリハビリ科がどのような現状で、どのような人材が欲しいのかといった情報が、自分の持つ強みを活かせるかといった視点で転職活動を進めていくことが大切になります。
転職サイトは複数登録することも必要
転職サイトは複数登録しておくことが重要になるかもしれません。それは、転職サイトによって求人情報の数に違いが生じることがあるからです。
せっかく転職サイトを利用するのであれば、できるだけ数多くの求人情報の中から自分の条件にあった求人情報を探せる方が良いはずです。
その分複数のコーディネーターの方と話をする必要がありますが、自分のこれからのキャリアや人生を形作っていく上では必要なことになります。
また、コーディネーターの方も人間ですから、それぞれ特性があります。
自分に合う合わないと言うこともありますから、そういった意味でも複数サイトの登録は大切かもしれません。
とにかく行動(登録)!管理人も登録経験あり!転職サイトのご紹介!
ネット検索にある転職サイトの求人情報は表面上の情報です。最新のものもあれば古い情報もあり、非公開情報もあります。
各病院や施設は、全ての求人情報サイトに登録する訳ではないので、複数登録する事で より多くの求人情報に触れる事ができます。
管理人の経験上ですが、まずは興味本位で登録するのもありかなと思います。
行動力が足りない方も、話を聞いているうちに動く勇気と行動力が湧いてくることもあります。
転職理由は人それぞれですが、満足できる転職になるように願っています。
管理人の転職経験については以下の記事を参照してください。
「作業療法士になるには」「なった後のキャリア形成」、「働きがい、給与、転職、仕事の本音」まるわかり辞典
転職サイト一覧(求人情報(非公開情報を含む)を見るには各転職サイトに移動し、無料登録する必要があります)
①PT/OT/STの転職紹介なら【マイナビコメディカル】