セロトニン神経というのを聞いたことがあると思いますが、セロトニンはリハビリによる運動によって効果が高まるとされています。今回、セロトニンとリズム運動、リハビリテーションとのつながりについてまとめていきたいと思います。
目次
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セロトニン(serotonin)、別名5-ヒドロキシトリプタミン(5-hydroxytryptamine、略称5-HT)は、動植物に広く分布する生理活性アミン、インドールアミンの一種。名称はserum(血清)とtone(トーン)に由来し、血管の緊張を調節する物質として発見・名付けられた[6]。ヒトでは主に生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。
Wikipedia
難しいことが書いていますが、セロトニンの作用に注目すると、
・覚醒
・意欲
・集中力
・自律神経調節
・鎮痛
・姿勢筋・抗重力筋の促通
などがあります。
セロトニンは脳内にも作用することがわかっています。
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セロトニン神経系は、脳幹正中部の縫線核群に数万個の細胞体として存在し,その軸索は大脳皮質から脊髄まで広汎な脳領域に投射し,さまざまな機能に影響を与える.
有田 秀穂「リハビリテーションにおけるセロトニン神経の役割」Jpn J Rehabil Med 2011 ; 48 : 301-317
とあります。
セロトニン神経は、
・大脳皮質
・大脳辺縁系
・視床下部
に投射するとされています。
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リズム運動が、全血中のセロトニン濃度を増加させるとされています。
セロトニン神経を活性化させるリズム運動としては、
・座禅(の呼吸)
・読経
・太極拳
・ウォーキング
・スクワット
・自転車漕ぎ
・ガム噛み
などが挙げられています。
リハビリでよく行われている運動としては、歩行運動、スクワット、自転車漕ぎ(エルゴメーター)などでしょう。
最新機器が揃えられている病院などでは、イージースタンドにより受動的に歩行様運動を行えるので、リズム運動によるCPGの賦活や覚醒度改善などに利用されています。
疼痛に対しても、ガムを噛むことでセロトニン神経の活性化を利用して、下行性に鎮痛を期待することができるかもしれません。
脳卒中後は気分障害としてうつを合併することも多く、リズム運動によるうつ予防としても効果を期待できるかもしれません。
脳卒中後の気分障害や情動障害に関する評価などは以下の記事を参照してください。
意欲障害の捉え方!うつとアパシー違いや評価方法を解説!
リハビリテーションの阻害因子として、易怒性による暴言や暴力がありますが、これらに対しては抑肝散が処方されることがあります。
抑肝散はセロトニンの合成促進あるいは遊離促進に働くと考えられていることから、リズム運動もセロトニン神経の活性化による易怒性の改善も期待できるのではないかと考えています。