強制把握では、振動刺激がリハビリテーションとして有効とされるような報告が多くあります。今回、強制把握のメカニズムと振動刺激によるリハビリテーションについてまとめていきたいと思います。

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強制把握のメカニズムと振動刺激によるリハビリテーション

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強制把握とは

強制把握とは、触圧覚刺激により把握反射が誘発され、自分の意思では手を離せなくなる状態のことをさします。

強制把握は、「してしまう」ことを抑制する障害であり、似たような言葉としては、
・把握反射
・本態性把握反応
があります。

把握反射

把握反射とは、近位から遠位に向かってこすりながら刺激を加えると、握ろうとは思っていないのに触れたものを握ってしまう現象のことを言います。
把握反射は足にも生じることがあります。
通常、健常乳児では手の把握反射は3ヶ月頃まで、足の把握反射は9〜10ヶ月頃まで生じ、その後は消失します。

本態性把握反応

本態性把握反応とは、つかんではいけないとわかっていても、手にものが触れるとつかんでしまうことを言います。
把握反射と違うのは、刺激としては手に軽く触れて動かない刺激であることや、どちらから刺激してもつかんでしまうことです。
反応の種類としては、
・対象を触れさせていると、それを手のひらの中央にくるように手を動かす
・その後、しっかりと握る
・対象が急に動くと強く握る
・把握の途中で手を対象が手をすり抜けると、それを追いかける動きが生じる
・対象が目に入るだけで手を伸ばし指で包み込む
などがあります。

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強制把握のメカニズム(出現機序)

行為の抑制に関わる脳部位

行為の抑制に関わっている脳部位としては、前頭葉の内側面が挙げられます。
具体的には、

・中心前回前部
・上前頭回
・帯状回上部
などで、それらには

・補足運動野
・前補足運動野
・内側前頭前皮質
などが含まれます。
補足運動野については以下の記事も参照してください。
運動前野と補足運動野の役割!視覚誘導性運動と記憶誘導性運動!

では、下図においてこれらの部分が脳画像上においてどこにあるのかを確認していきます。


下段の図においては、上前頭回の部分が内側前頭前皮質になります。
なお、帯状回は上前頭回と脳梁との間の部分になります。

これらの部分の機能低下により、行為の抑制障害が生じるとされています。

ここで、把握反射と本態性把握反応では、責任病巣としてはどう違うのかを考えていきたいと思います。

把握反射の責任病巣

把握反射は、行為の抑制障害の中ではもっとも単純なものとされています。
脳部位において、単純な事→複雑な事の抑制としては、
補足運動野→前補足運動野→前頭前野が対応すると考えられています。
このことから、把握反射における責任病巣としては補足運動野の前部から前補足運動野の後部が主なものとして考えられています。

本態性把握反応の責任病巣

本態性把握反応という行為抑制は把握反射に比べても複雑で、そのことから本態性把握反応の責任病巣は、把握反射におけるそれとは異なる部位が示唆されています。
部位としては前部帯状回が言われています。
最近では、帯状皮質運動野が本態性把握反応の責任病巣として示唆されています。

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強制把握と振動刺激によるリハビリテーション

強制把握には、振動刺激によるリハビリテーションが有効だとする報告が散見されています。

強制把握の現象は足底にもみられることがあります。
強制把握は物品操作の障害や移乗時にベッド柵をつかんで離せないなどのADL面においても阻害因子となる可能性があります。
立位や歩行時に足底刺激が足趾の握りこみを誘発し、さらに屈筋群の痙縮を助長することで歩行を妨げる要因としても考えられます。

振動刺激による強制把握減弱のメカニズムとしては、
・触覚への感受性低下
・補足運動野の賦活
・脊髄レベルでの抑制
などが考えられています。

出典:衛藤 誠二他「片麻痺のリハビリテーション効果を高める工夫-経頭蓋磁気刺激・促通反復療法・振動刺激-」Jpn J Rehabil Med VOL.47 NO.3 2010

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