依存症、アディクション(嗜癖)からの回復とは、病気や症状があっても、自分の価値を実感し、その上で自分の希望に沿った生き方を自分から追い求める姿勢がある状態といえます。今回、依存症、アディクション(嗜癖)の回復のステージについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。
目次
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第1ステージは、二次曙癖の行動変容です。
このステージでは、行動を止めきることができるアディクション (物質噌癖等)について、それを行わないようにすることの達成です。心理教育を受け、アディクションの問題を認めます。
アルコール依存では断酒を始め、薬物依存では薬物がない生活を始めることです。
社会資源(自助グループ・治療・相談機関等)につながりをもち、 その継続という次のステージにに進みます。
ギャンブル依存など特定できる行動ではそれを断つ生活をすることが始まりとなり、その生活を続けていくことになります。やめ続けられる人もいますが、多くはスリップ(再使用・再行動)があり、心理教育に加え精神科・心療内科での外来治療・リハビリテーションにより再発予防を行います。
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第2ステージは一次曙癖への関心になります。
このステージでは、自助グループなどにつながってから2、 3年後の時期となります。
人によってはこのステージに到達せずに別のアディクションへ移行することもあります。
アディクションを断つことで、 自分が抱える問題や傷、バランスの悪さ、行き詰り感などに関心を寄せるようになります。一次噌癖への関心とその解決や抱え方の工夫をするようになります。
しかし、 第2のステージの中でも再びスリップがあったり、第1ステージ逆戻りすることもあります。第1 ・第 2ステージは行きつ戻りつジグザグ過程をとります。
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第3ステージは社会におけるリカバリーになります。
リカバリーを求めた生き方と同時並行的に、人によっては社会のなかでアデイクション問題への解決を目指す段階に進みます(全員ではない)。
アディクションは社会-個人間に成立し、回復を妨げる要因として一部社会の側にあります。社会のなかでアディクション問題全体の解決に向けて自分役割を意識するようになります。
自分の経験をもとに、同じ境遇にいる対象者に道案内のようなピアカウンセラー(自分の体験を相手に参考にしてもらう)役割を自助グループのなかで担ったり、自助グループ運営に積極的に関わることが増えます。
他にも、病院や刑務所などで、自助グループとつながりのない人へ自己体験伝える役目割を担うこともあります。場合によっては、家族相談などの初期介入や危機介入に関わることもあります。これは自身の回復のためでもあり、社会の中での役割を果たすことにつながっています。
回復に向けた施設では当事者たちが自助グループの活動とタイアップして実践していることが多く、アルコール依存専門の作業所などにも当事者スタッフが関わっています。