リハビリテーションは直接的に睡眠-覚醒リズムに働き掛けるというわけではありませんが、睡眠-覚醒リズムの問題がある方においては、日常生活に不都合が生じる可能性が大きくなります。今回、睡眠-覚醒リズムの分析と、睡眠日誌による評価とその活用についてまとめていきたいと思います。
目次
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睡眠日誌について、
睡眠日誌(すいみんにっし、Sleep diary)、睡眠手帳(すいみんてちょう)とは、個人の入眠時刻と起床時刻を、関係する情報と共に記録するものであり、これは数週間にわたって実施される。記録者は自己申告である場合も、看護者によってなされることもある。
睡眠日誌は、医師と患者の睡眠状態に関するコミュニケーションの手段である。とりわけ概日リズム睡眠障害の診断と治療に効果を発揮し、また他の睡眠障害の治療結果のモニタリングにも役立つ。
睡眠日誌は、アクチグラフ装置によるモニタリングと合わせて用いることができる。
睡眠日誌は、医師にとっては睡眠問題の診断に有用なツールであるだけでなく、患者自身が睡眠に影響を及ぼす特徴をより認識できるようになることにも役立つ(患者教育)。 このデータ単独であっても、自分が良い睡眠を取るためには何をすべきか自己診断するのに役立つ。
Wikipedia
とあります。
リハビリテーションとの関わりとしては、睡眠-覚醒リズムに影響している因子を知ることで、それに対するマネジメントを考えるきっかけにできるということだと思います。
環境整備を行うのか、もしくはリハビリ提供の時間帯を整えるのかなどについてです。
睡眠日誌を記録するのは、基本的には対象者本人となりますが、認知症を有していたり、認知機能低下があり自己にて記録できない方の場合は、主たる介護者に記録してもらう方が信頼性が高まります。
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睡眠日誌は、以下のような書式になっています(いろいろな書式があります)。
睡眠はよく眠れた日とよく眠れない日があるというように日ごとに変動することが一般的なので、1-2日といった短期間の記録でなく、2-4週間程度連続して記録し、経過を見ることが重要になります。
さらに、夜間の睡眠状態は日中の活動性と密接な関連があるため、夜間の睡眠状態のみならず、日中の居眠りや活動内容なども書き込んでもらうようにします。
出典:https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/docs/suimin.pdf
上図のように、就寝時刻や起床時刻、睡眠時間帯、特記事項などを記入することによって、睡眠パターンと睡眠-覚醒リズムに影響する要因を考えていきます。
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睡眠日誌に記入していくことで、
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒などの不眠のタイプを把握することが可能です。
自覚的な睡眠時間と客観的な睡眠時間には人によってかなりの違いがあることも考えられ、自覚的な睡眠時間は過大評価/過小評価されることもあります。
睡眠日誌の結果から、対象者の睡眠状況と日中の活動度やリハビリテーションへの影響を把握し、担当医になどの関係スタッフに報告することで、対象者の睡眠-覚醒リズムに変化を与えることができるようにアプローチしていくことも必要になります。