生活リズムの評価方法として、SRM(Social Rhythm Metric)改訂版があります。今回、SRM(Social Rhythm Metric)改訂版の概要と評価方法、結果の解釈についてまとめていきたいと思います。
目次
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「高齢者の生活リズムに関する研究」(https://www.obirin.ac.jp/academics/postgraduate/gerontorogy/course_doctoral/papers_doctoral/r11i8i000001eft0-att/2014f_yashima_3.pdf)
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SRM(Social Rhythm Metric)はMonkらによって開発された評価バッテリーです。
SRM(Social Rhythm Metric)は、日常生活行動の開始時刻を記載していくことで、生活リズムの規則性を測定するものです。
SRMを使用することで、客観的な生活リズムを把握できる可能性が高まります。
SRMはMonkらが成人での信頼性・妥当性について検討されています。
SRM改訂版は、立花らによって日本人向けに一部改変されたものとなっています。
SRM改訂版は15項目から構成されています。
15項目の日常生活行動に対して、その行動開始時刻を7日間記録していくものになっています。
認知機能の低下などによって回答の信頼性が高くない場合は、重たる介護者に回答してもらうことも必要になります。
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それぞれの日常生活行動の開始時刻を記入します。
行わなかった項目については、「行わなかった」と記載します。
質問項目
(1)今朝、ふとんから出た時間は?
(2)今朝、初めてテレビを見たり,ラジオを聞いたりした時間は?
(3)今日、朝起きてから初めて誰かとしゃべった時間は?(電話でしゃべった場合も含みます)
(4)朝ごはんをとった時間は?
(5)今日、起きてから始めて戸外に出た時間は?
(6)仕事や家事を始めた時間は?
(7)昼ご飯を食べた時間は?
(8)昼寝をした時間は?
(9)仕事や買い物、その他の用事で外出されていた場合、帰宅した時間は(何度も外出された場合は最後に家に戻ってきた時間をご記入ください)
(10)夕ご飯を食べた時間は?
(11)運動(散歩や軽い体操)をした時間は?
(12)お風呂に入った時間は?
(13)夜テレビを見たり、ラジオを聞いたりした時間は?
(14)夜最後にテレビやラジオを消した時間は?(ご家族がまだテレビを見ている状況で寝室へ引き上げられた方は、その時間をご記入ください)
(15)おふとんに入った時間は?
回答方法:時刻を記入するか、項目について行わなかった場合は、「行わなかった」という回答欄に記す。
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各項目に対し、それぞれの7日間の行動開始平均時刻を算出します。
各行動の平均時刻の±1.5×SD(標準偏差)内にある時刻を平均もの(habitual time:習慣時刻)を算出します。
習慣時刻の前後45分の幅を持たせた時間帯内に行動した日が1週間のうち何日あるかを数えます(ヒット数)。
ヒット数は、1週間に3日以上記録のある習慣的に実施している項目のみ計算に入れます。
各項目において、1週間に3日以上記録があった項目を習慣的に実施している行動として、その項目の数(合計)を算出します(習慣項目数)。
各項目において1週間のうち2日しか実施した記録がなければ習慣項目数には数えないということになります。
SRMスコアを、「ヒット数の合計÷習慣項目数」として算出します。
SRMスコアは、最小値0(最も規則的でない)から、最大値7(最も規則的)を取ります。
生活リズムの乱れはQOLの低下にもつながることから、対象者の生活リズムを数値として計測できることは、アプローチの効果測定にも使用できることが考えられます。