バランス障害の評価や治療に用いられるタンデム肢位についてまとめてみました。
目次
バランス能力とタンデム肢位!タンデム肢位に必要な姿勢制御やできない原因!
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参考
- タンデム肢位及びステップ肢位の姿勢制御:圧中心の側方制御について
- タンデム立位保持のための足関節による姿勢調節について̶周波数解析による分析̶
- 片脚立位能力がタンデム肢位に及ぼす影響について〜下肢荷重率に注目して〜
- タンデム立位における前後足部と合成の足圧中心動揺変数間の関係:視覚情報の有無による相違
- バランス能力測定法としての直立検査
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バランスの定義を確認
バランスの話をするときに毎回確認しますが、定義を見ていきます。
バランスが保持できる、すなわち姿勢を保つことができるということは、支持基底面内に重心点を留めておけるということです。
その重心を留めるために必要な筋肉を「抗重力筋」と呼びます。
重心を留めるために必要な感覚を「前庭覚・視覚・体性感覚」と呼びます。
これらの感覚上布を統合することで重心点がどこにあるかを把握することが可能です。
重心点を逸脱しないようにする反応が「立ち直り反射」です。
重心点を移動可能にするのが「ストラテジー」といい、股関節戦略と足関節戦略があります。
抗重力筋をある一定の張力に保つためには「姿勢筋緊張」のコントロールが適切になされている必要があります。
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タンデム肢位とは
タンデム肢位とは、両足を前後に配置し一方の踵部と他方の足尖とを接触させた支持面の狭い姿勢のことを指します。
複雑な足関節運動を伴った姿勢制御を要し、静的バランス能力の測定に用いられることがあります。
姿勢保持の難易度の高さから臨床場面でバランス課題として用いられることがあり、別名Mann肢位とも呼ばれています。
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タンデム肢位の評価
タンデム肢位は、Functional Balance Scale:機能的バランステスト(FBS)において項目の一つにあります。
- タンデム立位(指示:まっすぐ 継ぎ 足 位をとってください 。できない時は、つま先と踵の距離を少しずつ離してください)
- 4点単独で継ぎ足位をとることができ、30秒間保持可能
- 3点単独でまっすぐな継ぎ足位でないが、30秒間保持可能
- 2点単独でわずかにつま先と踵が離れるが、30秒間保持可能
- 1点検査姿勢をとるために介助を必要とするが、15秒間保持可能
- 0点検査姿勢をとる時にバランスを崩してしまう
タンデム肢位の保持は、屋外歩行自立の条件にもなっています。
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タンデム肢位における姿勢制御
タンデム肢位の保持には、左右足部の運動の協調的な機能が必要となります。
姿勢制御には、前方足・後方足ともに前後を制御する底背屈運動と側方を制御する内返し外返し運動がともに協調することでバランス保持がなされます。
これらのことから、タンデム肢位は足部の機能評価になることがわかります。
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タンデム肢位と下肢荷重
タンデム肢位では、運動教示を与えない自然な状態で立ってもらうと、後方の下肢荷重率が大きくなります。
そのため、機能低下のある下肢を後方にして評価あるいは訓練をすることが大切なポイントです。
また、視覚情報を遮断すると、前方下肢の筋収縮が増大します。
これは、足底からの体性感覚情報をより多く入力して姿勢制御するための代償戦略と考えられています。
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タンデム肢位のスタンス幅の違いが姿勢制御に及ぼす影響
タンデム肢位において、スタンス幅が広くなると支持基底面が広くなります。
すると体重心の動揺に対しての安定性が確保されやすくなります。
ステップ肢位に近づくほど、足関節運動での制御が減少し、両下肢の荷重量を調整するような姿勢保持戦略が取られるようになります。
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タンデム肢位と立位・歩行の関係性
タンデム肢位では、左右方向の支持基底面は足底の左右径になります。
タンデム肢位や片脚立位を保持できることは、重心線が足底面内に収まるということです。
立位での重心移動にける左右方向については、一定の支持基底面内で重心移動をして一側の足底内に体重心を移動できるのと同じということになります。
すなわち立位での左右重心移動とタンデム肢位や片脚立位は似たような機能的側面を持つということです。
歩行との関係性で見ていくと、片脚支持期での安定性は片足の足底による支持基底面を介しての体重心のコントロールによるものです。
動的なコントロールの前提として片足位での立位保持能力(静的な体重心のコントロール能力)が必要となることから、タンデム肢位や片脚立位を取れるということは、上記のような能力を有しているということになります。
バランスについては以下の記事も参照してください。
橋の損傷(梗塞、出血)における前庭神経の評価やアプローチの考え方!
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